結果が全てと言いたくないけど
冬休みいただいてました。
ありがとうございます。
7歳のその日は、色々なことを思い知ってしまうきっかけと、なった。
当然のこと、だろうけれども。
私が真っ白だったという事実がどこからか広まってしまったときから私の周りは大きく変化した。
街の人、周囲の人たちの私への接し方が、明らかに変わってしまったのだ。
当然なのだろうけれど、あれは孤児院暮らしのガキに対する正当な態度では、なかったのだ。
ただ、魔力……つまり、多くの動力を生み出すことのできる素材に対しての、接し方だったのだ。
「将来のすばらしい私」見越した、っていったら私が期待されているみたいだけど
「期待されていたのは私の魔力と能力」に対して、みんな優しくニコニコ、してくれていただけだったのだ
こうなった私はただ、魔力を生み出せるだけの、貧乏で後ろ盾もない、ガキ、なのであった。
そう、思わざるを得ないくらいに手のひらを返す人たちは少数派だったけれど
明らかに私が見ることのできる笑顔は減り、しかめっつらや嘲笑を耳にするようになった
それは、自分がそういう存在なのだ、と自覚するためには十分すぎる変化ではあったのだ。
その後の2度の鑑定も、同じ。
10歳の時、もしかしたらって期待をかけて上がった鑑定でもやっぱりブランクで
そのあとは
わたしは、完全に街の最下層の人間として、生活することになって、いた。
いろいろ、試してみたんだよ
自分の未来のことだもん。
できるだけ、なにかないかって、足掻きたい放題に足掻いたと、おもう
中等学校は能力を持たない子の参加できる授業は少ないと入学を拒否され
見習いとしての就職すら、どこからも断られてしまったのだ
なんとか、どんな仕事でもいいからやらせてください!と必死に探した。
でも、どこにいっても憐れんだり、同情したりはしてくれるのに結局は追い返されてしまう。
「神の与えた試練なのかもしれませんね」とかいってさ
魔力診断の後にあれだけ持ち上げてきたような人のところにも行って頭を下げたけど
そういうところの方が、対応がひどかった。
曲がりなりにも、女の子にさ、廃油ぶっかけるとかって、どうかとおもうよね。
笑いながらさ、騙してくるような奴に仕事任せられるわけないじゃん、ってさ。
騙してなんかないの、知ってるはずなのにね
でも、いざ就職!ってかんがえると
そうだよな、能力ないんだもん、当たり前だよな、って、自分でも思う。
なんの能力もなく魔法を使えない非力な私が一生懸命水を運んだり洗濯するよりも
水の能力が使える人がやったほうが早いし安全だしで、誰もが幸せだ。
私がずっとつきっきりで火の世話をしながら調理するよりも、火の能力があれば調理すら一瞬だ。
そんな人間に、食料を与える人間、ましてや給金を払う人間は、まあ、どこにもいない。
まだ、成人していない15歳前ならそれでも孤児院には置いておいてもらえるけれど
そこでの下働きならやらせてもらえていたけど
ひとつも能力のない私にやらせていても、非効率なことは明白すぎるくらい、明白で
親もいない、能力もない、、目立った技術も美しさも度胸も何もない私では
何一つ、売るものなんて持ち合わせていないのだ。
15歳、成人の日の最後の鑑定
その日で、最終通告はなされてしまった。
本来であれば、ゆっくりしみじみと祝われるはずの、成人の儀式の日なのだが
死刑台に登るような気持ちであがった鑑定の場で、言われてしまったのだ。
「能力開花の兆しが見えない」と
この時までに、固定されていると言われている「能力」が、その兆しすら見えない、ということを
もしかしたら、
まだまだこれから、
「まだめざめていないから」で、許される時期は終わってしまった
この町での私の未来は真っ白なままで、固定されて、しまったのだ
私の鑑定が行われると聞きつけた意地悪な観衆は、大爆笑していた。
あの人の顔、あいつの顔
何度も、何度も見たことがあるよ。
魔力がすごいんだってな、将来有望だな!って、優しい声で頭を撫でてくれるその手もね
こんな記憶いらないよ! って記憶を選んで指で摘んで捨てられレバいいのにな。
それならこんなに、悲しくないのに。
つげらた、その結果。
予測のできた結果にもう、なみだもでなかった。
心を占めるのは、シンプルに、滑り込むような恐ろしさ。
膝が震えてうまく歩けなくなってしまった私は
重い重いあしをひきずりながらなんとか祭壇を降りる
壇上から神官長様がこえをかけてくれた。
「もし、望むのであれば、神殿にきなさい」と
群衆はそれを聞いて、さらにくすくす笑ってる
ああ、なんてありがたいんだろう。
それならば浮浪児のような生活はしなくて済むんですね!って、飛びつきそうな気分になる
でも、知ってる
神殿が望むのは魔力供出員の仕事のお誘いだって。
でも、それだけは、嫌だったんだ。
娼館は、嫌だ。
物乞いなんて、嫌だ。
勉強も、恋も、おしゃれも、したかったのに。
魔力供給員として生きるのなんて、嫌だ。
魔力を渡すだけで生活ができるならいいじゃない、っていう人たちもいるけど
そんな生活ができるだけで恵まれているとも言えるのだろうけど
わたしにはどうしても、それをうけいれるきには、なれなかった。
なにかを、したい。
したかったのに、な。
なれると、おもったのにな。
とぼとぼと、一人で孤児院までの道をあるいたなかでも
そんなことばがむねをぐるぐるぐるぐるまわって、いた
3度目になったらもう慣れっこのふわふわした足取りで、部屋までの道を辿った中でも
何人もの人達の嘲笑が聞こえてきた
うん、そうだね。からっぽと言われたら、確かにそうだね。
もう、人々の言うことを否定できるだけのものが私自身になさすぎて
だんだんと、何も聞こえなくなっていった。
もう、何も聞きたくないし、自分が一番わかってるんだ。
部屋に帰った途端
涙がぼたぼたぼたぼた出てきてしまった
泣いた。声を上げて大声で泣いた。
鑑定直後は言葉すら出てこなかったのに
ああ、なにかが、できるとおもっていたのに
「ごめんなさい、マザー、みんな」
そのひとことしか、でてこなかった。
身の程知らずだったかもしれないけどね、その、魔力でなんか、活躍してさ
みんなの、マザーの役に立ってみんなににこにこしてほしかったんだ。
ありがとう、って、いってほしかったんだ。
ああ、やっぱり、ここにはいられないんだ。
私のこれからが、真っ白ではなく、真っ黒に塗りつぶされていく




