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帰宅時間

作者: なつ
掲載日:2022/01/28

今日はよくない1日だった。今日もよくない1日だった。

私の毎日なんてこんなもんだ。


そんなことが頭をよぎりながら帰りの電車をホームで待つ日が何日続いているだろう。


社会人1年目の冬。希望に満ちたはじめての桜の季節はとうの昔のよう。毎日どんなに頑張っても失敗する日々。怒られる日々。落胆する日々。昔からなんでもうまくできるタイプではなかった。でも、それでも、やる気と努力という光でなんとかできると思っていた。なんとかなってきたから。


そんな、唯一の心の中の光も、もうすぐ消えてしまいそう。もう耐えられない。なんともできない。


帰路の間を走るように通る冬の夜風が、わたしをより一層冷やす。


ホームには人はまばら。電車がきた。

ポツリポツリと人が座っている。


1番端の席に座った。と同時に、全体重を壁に預ける。


電車はまた少しずつ動き出した。なんとなく目を開けたくなった。周りには、パソコンを打つサラリーマン、単語帳に目を落としながらイヤホンで音楽を聴いている音大生らしき青年、結婚について会話する2人のOL。


皆顔をしかめているが、どこかみなぎるものが伝わる。


それぞれの人生。目的も目標も違うが、みな生きている。


顔を上げると、街には光が見える。


そして、同じ表情をした自分の顔が、外の光に照らされて映っていた。


電車の中は暖かかった。

今日は、いい1日だった。

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