自己紹介
教室。生徒たちはソワソワしている。
男子 はぁ〜 たくさん勉強して良かった〜
男子 おまえ、それ毎日言ってるで、、、
女子 私も同意するけどな。
男子 こういう話題を出しても女子たちに冷たい目で見られない不思議。
女子 なぁなぁ、今日は新しい先生も来るやん。
男子 忘れとった〜
女子 なんかヒドイな〜
男子 しゃあなしやろ? 毎日が夢のようやし。
男子 それ言うなって。
女子 ほんまやで、覚めたら最悪やし。
男子 おぉ、、 そやな。
(真那と博美が入ってくる。無限は博美の中)
真那 みんなおはよう!
女子 起立。 おはようございます。
真那 はい、今日もよろしくね。
女子 真那先生、今日もステキやわ〜
男子 アカン、尊い。
男子 先生、今日もグッジョブやで!
男子 おまえ、調子こいたこと言うなや、オレのが先に思ってたわ。
女子 はぁ? アホ男子、 私は学校来る前から思っとたで。
男子 おまえらオレのフォロワーか! オレのが先に決まってるやろ。
女子 あんたら1980年代のギタリストか!
女子 ちょっと、ちょっと、、 そのツッコミ、、 むずい〜
真那 はいはい、みんなありがとね。 やけどもちょっと引っ張りすぎやな〜
男子 先生、明日はもっとうまいこと言いますんで!
真那 い、いや、 そうじゃなくてね。
男子 そやそや、今日一日使って明日に備えます!
真那 う〜ん、しっかり勉強してな。
男子 !ハッ! そやった。
真那 どこで驚いてんの! はいはい、静かにして。 今日から新しい先生が来てくれました、草薙先生です。
博美 真那先生、すごい人気ですね。
真那 いや、、その、、 あ、自己紹介お願いします。
博美 OK! 、、、って。
無限 すげぇ、 「アイスある時、ない時」みたいなってるやん。
男子 まあまあ、 イイね。
女子 うんうん、 スタイルも、 まあまあ。
女子 確かに、 まあまあ。
男子 いやビックリしたで、 まあまあ。
無限 良かったですねイザナミ様、「まあまあ」 いい感じですよ〜 ププッ
博美 まあまあ、、、
真那 コラ、 いい加減にしなさい。
女子 真那先生からの〜 新しい先生。
男子 新しい先生からの〜 真那先生。
女子 真那先生からの〜 新しい先生。
男子 新しい先生からの〜 真那先生。 !うん! 新しい先生、大丈夫やで!
博美 な、 なにが?
無限 この場合の「大丈夫」とは、慰めですね〜 ププッ
真那 はい、ストップ! 草薙先生が困ってらっしゃる。 今のみんなは明らかに悪ノリやで。 「みんながやってるから自分も」はダサいよ。 楽しい雰囲気なのは良いこと。 だけど、そこで相手の気持ちに配慮できればもっとクールやで!
無限 しびれる〜
真那 さあ、先生、お願いします。
博美 はい。 今日からこのクラスの副担任になりました草薙博美です。 地理歴史を担当します。 みなさんよろしくね。 う〜んと、何か質問ある?
男子 はい、草薙先生。
博美 どうぞ。
男子 こ、声、す、素敵ですね。
博美 ありが
男子 まあまあ。
博美 う〜ん、 ちょっとその「まあまあ」やめようか〜
男子 し、しまった〜 真那先生に嫌われる〜
博美 まずは私に嫌われることを心配してほしいな〜
男子 イイっす、その反応!
博美 その親指、超不安なるわ〜
女子 あの、私もいいですか?
博美 もちろん。
女子 彼氏はいらっしゃいますか?
博美 うぐっ、 超マジなトーンやん。 匕、ミ、ツ。
男子 そこはブイブイ言わしましょうよ〜
博美 180度やな!
男子 ノリよノリ〜 イケてるわ〜 そうか! だからこのクラスの副担、、、 ボケ担当で入られたんですね!
博美 あんた、言いたかっただけやろ?
男子 ボケ担か〜 合点がいった。
博美 乗っかるな!
男子 ああ、しまった〜 真那先生?
博美 私の顔色を窺えや!
女子 ノリいいよね?
女子 うん、めっちゃイイわ。
博美 そう?
生徒全員 まあまあ。
博美 どうやったらそこで息合うん?
男子 なに言っちゃってるんですか先生、 オレたち青春だぜ!
博美 ハァ?
男子 おいおい、鳩が豆鉄砲を食ったようだぜ。
女子 えっ! これが鳩豆の瞬間なん?
男子 厳ちーなぁ。 その言葉ベストなタイミングで言ったおまえ、マジ斬新すぎ!
博美 君ら、なかなか良いチームワークやね。
女子 先生、 なんて呼んだらいいですか?
博美 ん? 先生じゃないの?
男子 なに言っちゃってるんですか〜 オレたち心の友でしょ?
博美 間違いなく言えるのは先生と生徒だけどね。
男子 今は写真を一緒に撮るだけで「ズッ友」って言える時代ですよ。
博美 それは文字通り「言えるだけ」や! まぁでも、そうやね、、 高天原先生のことはみんな名前で読んでるんでしょ?
生徒全員 そうで〜す!
博美 うぐっ、また息ぴったりやん。 うん、 ほんなら博美でいいよ。
男子 ええ〜 先生、 そこは上からじゃなくて、地にめり込むくらい頭下げないと〜
真那 コラ、 調子乗りすぎ。
男子 し、しまった〜 ヒロちゃん先生の所為やで〜
博美 いや、距離の詰め方よ。 ヒロちゃんになってるやんか。
男子 え? 先生つけたで?
博美 確かに、、、 ってなるわけないやろ。
女子 ええ〜 やっぱノリいい〜 私、ヒロ先生って呼びたい。 いいですか?
博美 OK!
男子 ボケ担のヒロ先か〜 オレ、うまいこと言った?
博美 あんたにはツッコミ担当になりたいわ〜
女子 「ボケ担」は受け入れてるんや。
男子 ボケ担せんせ〜い、、、
博美 あんた今、「赤ペンせんせ〜い」をノリで言って、続かんかったパターンやろ?
女子 ちょっと先生、 スベったことを明るみに出したらあかんで。
女子 そうやで〜 スベったらフォローしなあかんわ。
男子 スベるんは、ある意味ナイスパスやろ?
博美 あ、あんたら、その単語を連発しな! わざとか。
男子 し、しまった〜 真那先生?
博美 そこはクラスメイトを気遣え!
真那 は〜い、そろそろ時間。 ははは、おもしろかったね〜 アホなことは言うけど、みんな良い子やし、しっかり教えたってくださいね!
博美 OK!
真那 さて、早速、博美先生の授業です。 みんな切り替えてな! それじゃ、私は後ろで見てますんで。
博美 はい。
(授業後)
女子 起立。 ありがとうございました。
女子 ちょっと、 ヒロ先生の授業やばくない? すごいギャップ。
男子 ほんまにギャップ! マジでビビった。 教えるの上手すぎやろ?
女子 いきなり別人なったと思ったわ〜 意外性だらけ!
女子 それな〜
真那 あの、 す、すごかった。
博美 なに? その顔? みんなもギャップや意外性やと、 ほんま失礼しちゃうわ〜
真那 ご、ごめん。
博美 冗談。 まぁ、みんなめっちゃ優秀やし、それでうまくいったんちゃう。
真那 いやいや、 そんなことないよ。 ちょっと怖かったくらい。
博美 ええ〜 なにそれ? 褒めてる?
真那 もちろん。
博美 そう? ありがと。 行こっか。
女子 ヒロ先生?
博美 ん? なに?
女子 あの、分からないところとか聞きに行っていいですか?
男子 あ、それオレも。
女子 私も聞きたい。
博美 もちろん! OKやで!
(真那と博美が教室から出ていく)
無限 良かったですね。
博美 ん? そ、 そやな!