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第二話 魔術教本

俺が転生して二年の歳月が流れた。一歳を過ぎたあたりに足腰がしっかりしてきて、二足歩行ができるようになった。

さてと…二足歩行になったことで両手が必然的に両手も解禁されたわけなので…

俺は前から気になっていた俺の部屋の正面にある部屋に行くことにした。


   ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


…かなり重要なことを見落としていた。

身長が足りなくて取っ手に手が届かない。俺の部屋はいつも父さんが夜以外は開けたままにしてくれてるから失念していた。

足場になりそうものは…お、廊下の奥に木箱があるな。あれを使おう。

木箱は意外と軽かった。二歳の子供でも動かせる程だ。

何も入ってない様だが何のために置いていたんだろう。まぁありがたく使わせてもらおう。

俺は扉の少し横に木箱を置いてその上に立った。そして手を伸ばし取っ手を掴み少しだけ引いた。この体だと一気に開けたら体が持ってかれそうだからな。

木箱から降り、できた隙間に手を入れ、扉を開いた。

部屋の形と広さは俺の部屋と変わらない。

違う点は窓の側にベッドがないのと、床に本が数冊積み重ねられている点だ。

6冊くらいあるな。父さんと母さんが読書家じゃないのか、この世界では本の価値が高いのか、あるいは両方か?いずれにしても少ないな。前世の俺の部屋には数百冊の本があったと言うのに…大体ラノベだったが。

その内の一番上にあった本を手に取ってみる。

表紙には男が剣を掲げている様子が描かれている。

題名と思われるものも書いてあるが…読めない。そういえば言語は何となく分かったが文字は覚えていないな。

父さんか母さんに本を読み聞かせてもらえば文字を覚えるのも楽かもしれないな。

そう思い俺はその本を持って自分の部屋に帰っていった。


     ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


文字は結構すぐに覚えることができた。文法的なものは日本語と似ていたし、この二年で言葉を覚えていたため、単語を覚えるだけでよかった。本を持ってって以降母さんがよく読み聞かせてくれたため単語もスムーズに覚えれた。この体は物覚えが良さそうだしそのおかげでもあるかもしれない。

余談だが、本を持っていった時母さんが「こんな歳で本を読みたがるなんて…!うちの子は天才かもしれないわ!」とかいっていた。かなり親バカな様だ。うちの母は本気で二歳児が読み聞かせを理解できると思ってるんだろうか…

あの部屋にあった本は次の七冊だ。


「英雄達の冒険」

後に「剣神」「魔神」と呼ばれ、戦争で大活躍し、英雄として崇められる二人の男達の冒険を描いた物語

「魔術教本」

魔術の基本や仕組みについて書かれた教科書的なもの

「七つの大罪」

色々と謎が多い七つの大罪をこれまでの七つの大罪を物語風に書きながら解説していく

「加護と呪い」

生まれながらに持っていることがある加護と呪い、その共通点や相違点を元に二つの関係を考察していく

「剣術教本」

剣術の基本や型に合わせた鍛錬方法などが書かれた教科書的なもの

「カイロ・スリフィルの伝説」

精霊と契約したスリフィルがその相棒の精霊とともに強大な魔物や龍に立ち向かっていく御伽噺

「セウタルの世界散策記」

セウタルという青年が世界の色々な街を周り、そこでセウタルが感じた街の雰囲気や街の名前、特徴などが書いてある散策記


物語系の三冊は置いといてその他四冊は勉強になった。

特に面白いのは魔術教本だ。

年頃の中学生だった俺にとって魔法は憧れのようなものだ。

読み進めていくと色々と分かった。

一.魔術を使うには魔力が必要だ。

魔力とは、あまり詳しいことは解明されていないようで、

持っている人と持っていない人が存在し、持っている人の中でも総量に違いがある。

魔法を使い魔力が枯渇すると、魔力が回復するまで動けなくなる。

時間が経つと魔力は回復してくる。

体内だけでなく、空気中にも魔力が存在する。

魔力があるもの四〜五歳の時くらいから魔力が体内に発生する。

といったことしかわかっていないらしい。

何故魔力がなくなると動けなくなるのかとか気になるが…置いておこう。


ニ.つぎに魔術は大きく分けるとニ種類になる

その2種類というのは魔術と精霊術というらしい。

魔術の分類が魔術って変な感じだが…置いとこう。

分類の仕方は魔力の出所のようだ。

魔術は自分の体内の魔力を使う。

精霊術は契約した精霊の力を借りることで大気中の魔力も使える。

といった違いがあるらしい。結果的に起こることに違いはないそうだが。

これだけ聞くと精霊術の方が強そうだが、どちらにもメリットデメリットがあるらしく、

魔術は発動が早いが、自分の持つ魔力の中でしか戦えない。

精霊術は大気中の魔力を使う場合発動が遅くなるが、自分の魔力残量を気にせず戦える。

といった感じらしい。

で、そのどちらかを使い起こす現象は三種類に分けれる

炎や水等で敵を攻撃する攻撃系

傷を癒やしたりする回復系

何かを呼び出す召喚系

の三種類らしい。それぞれ初級、中級、上級、神級があって、攻撃魔術はさらに属性分けもされるらしい。…多いのでこれは後にしよう。

魔法といえばもっと色々できそうなものだがこの世界の魔術は教本によると戦争の中で生まれ、発達していったから戦い以外ではあまり使われないのだとか

三.魔術の発動方法も二種類

魔法陣を描いて発動させる方法と技名を叫んで魔法を行使する方法があるらしい。

「魔法陣法」と「技名法」とでも呼んでおこう。…ダサいな

この世界には詠唱がないらしい。

技名法の説明には燃え盛る炎をイメージしながら集中してとか書いてあるが…

訳がわからないよ。

前世でアニメを見ていた時は無詠唱と言う方法があるのに詠唱してる姿を見て詠唱してる時間勿体なくね?とか思っていたが詠唱があれば教えやすいからあんな風に広まっていたのかもしれないな…

訳がわからない教本って教本としてどうなんだろう…まぁこれしか言いようがないんだろう…

話が脱線したが、魔法陣は召喚系以外では使わないらしい。戦闘中に陣描いてる暇なんてないものね。

逆に技名法では召喚系は使えないらしい。

四.魔力量は成長に応じて増える場合があるが限界値がある。

魔術量は成長によって増えるあるらしい。鍛錬でも増えたりもするらしい。

レベルアップってやつだろうか。

成長で増える量にも個人差があるらしいし、鍛錬では少ししか増えないらしい。

生まれ持った差は覆せないのだろうか…けど魔力量が多いからといって強いわけじゃないし、剣士という道もある。魔力量が少なくても意外とやっていけそうだ。

…俺の魔力量はどうなんだろうか。魔力量が遺伝するなら母さんは魔法使いっぽいしそこそこ多いかも知れないな。

魔力が発生するとしたら発生するのは二〜三年…まぁ気長に待つとしよう。

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