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復活


「……ん? 誰?」


 ベッドの上で布団がモゾモゾと動く。


 ヴァンパイアからしたら今は真夜中。

 そんな時に起こされたらこのような反応になるのも無理はない。

 こっちまで眠さが伝わってくる声だ。


「ライト、どうする?」

「どうするっていうか……大チャンスというか」

「そうだよね」


 ライトに確認を取ったレーナは、布団の前で剣を振り上げる。

 そして、容赦なくそれを振り下ろした。


 ヴァンパイアが何かしてくることを考慮しながらの攻撃だったが、現実は二人の予想とかけ離れたもの。

 反撃でも、回避でもない。


 何もしなかったのだ。


「――うおっ!」


 布団の中から血が噴き出す。

 ライトの顔に飛び散ってきたのは臓物のようなもの。


 肝心のヴァンパイアは、白髪を赤く染めながら、もがくようにして苦しさを表している。

 一瞬だけチラリと目が合ったが、その顔は形容しがたいものだった。


「レ、レーナ……」

「終わった――はず」


 レーナはヴァンパイアの体から剣を引っこ抜く。

 その剣には血がベッタリと付いており、致命傷を与えた跡がしっかりと残っていた。


 戦闘になると想像していた分、かなりあっけない終わり方だ。

 寝ているところを狙ったと言え、ここまで簡単に殺されてくれるのだろうか。

 そんなライトの疑問も、目の前の惨殺死体を見れば消え去っていく。


「本当に終わったんだな」

「うん、夜に来なくて良かったね。こんな簡単にはいかなかっただろうから」


 さて――と、胸をなでおろしながらレーナはナイフを取り出す。


 報酬を得るためには、ヴァンパイアの体の一部をギルドに持って帰らなくてはいけない。

 一番分かりやすいのは首であろうが、持って帰るにしては物騒すぎるものだ。


 そこで、レーナがいつも持ち帰るようにしている部位は耳。

 大抵のギルドには、その証拠品が本物どうか判別する低レベルの鑑定スキルを持った者がいる。


 耳ほどの大きさの部位であれば十分に判別できるだろう。


「これなら、アイラちゃんに心配かけない時間に帰れるね」

「そうだな。一人にしてたらかわいそうだったし」


「うん――あれ?」


 レーナが感じた違和感。

 それは、体に触れた瞬間、ヴァンパイアが僅かに動いたこと。

 心臓を始めとした急所は完全に破壊している。

 気のせいか――いやそれはありえない。


 そして。

 ライトの方にレーナが振り向いた刹那。

 

 部屋中に大量のコウモリが現れた。


「な、なんだこれ!?」

「ライト! 気を付けて!」


 この部屋に窓は存在していない。

 つまり外からコウモリが現れた線は否定できる。


 最初からこの部屋にいたというのも考えにくい。

 それならヴァンパイアが殺される前にレーナに攻撃しているはずだ。


 ならばどこから現れたというのか。

 その答えは――すぐ目の前にある。


「こ、これって……」


 死んだはずのヴァンパイアの体の中から、蛆が湧くように発生していたのだ。


 二人が困惑している中で。

 コウモリたちは飛び回り、やがて一つの形を作る。


 それは、さっきまでそこにあった――白髪のヴァンパイアだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] レーナが思った以上に脳筋過ぎる……
[気になる点] いやいやいやいやいやいや…何一つ確認取らずにいきなりの真向唐竹割りっすか!? ヘタすると、こちらが無法者のレッテルを…(苦笑)
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