決着
「《白刃抜刀》!」
ライトの放った一刀は、硬い鱗に覆われている邪龍の腕を簡単に斬り飛ばした。
《白刃抜刀》のスキルは、集中する時間の長さに比例して威力を増していく。
今回はまともに集中する時間が確保されていなかったが、それでも邪龍にダメージを与えるのには十分な威力だ。
《白刃抜刀・防》
《白刃抜刀・瞬》
《白刃抜刀・堅》
これらのスキルが一回の抜刀で同時に発動するだけでなく、それに《剣神》のスキルも上乗せされる形。
スキルの熟練度がかなり低い状態だとしても、圧倒的な攻撃力でねじ伏せることができた。
「グオオオオォォォォ……」
それに加えて、邪龍はフラフラとまともに動けていない。
ライトは《白刃抜刀》のスキルと同時に《睡魔》のスキルも使用していた。
本来なら既に眠っているであろう邪龍だが、斬り飛ばされた腕の痛みで何とか意識を保っている。
しかし、それも保っているというだけ。
とても戦えるような状況とは言えなかった。
朦朧とする意識の中、ライトを睨みつけることしかできない。
「レーナ、大丈夫か?」
「ライト……間に合ったんだね?」
「ああ。ギリギリだったけどな」
ライトは、邪龍との攻防で倒れているレーナの手を取り立ち上がらせる。
レーナはそれに逆らうことなく、少しだけ体重を預ける形で立ち上がった。
「あの邪龍がこんな簡単に……どうやったの?」
「俺はレーナみたいにスキルを使いこなせてないからな。組み合わせただけだよ」
ライトは隠すことなく、そして飾ることもなく。
自分のしたことをそのまま伝える。
そしてそれは、レーナでも真似することは不可能だ。
「流石ライトだよ。もう超えられちゃった」
レーナの心にあるのは嬉しさ。
悔しさなどどこにもない。
聖女の言葉によって見失っていたライトの力をここで再確認することができた。
「さて、片を付けるぞ」
ズシンと重い音を立てて崩れ落ちた邪龍。
あとはとどめを刺すだけである。
「白刃抜刀――」
ライトは体の力を抜き、剣を持つ。
そして。
一瞬で決着を付けたのだった。
次話から展開が大きく動きます。
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