協力
「はあ……」
レーナはついついため息をこぼす。
アイラに毒を打ち込んだ人物の情報が、驚くほどに掴めない。
最初は簡単に特定することができるだろうと考えていたが、そう上手くいくことはなかった。
病院から出たすぐ後。
ライトが殺した敵を確認しに向かったが、レーナが到着した時には全ての死体が回収されていたのだ。
その場には、敵の血液さえ残っていない。
証拠を抹消するようなスキルでもあるのだろうか。
今分かっているのは、間違いなくプロの部隊だということだけ。
それ以上は何も情報を手に入れられていなかった。
「ライト……上手くやってるのかなぁ」
そんなレーナの頭から離れないのは、アイラの安否だけではない。
ライトは現在、医者と協力してトサトンキンという毒を分解する木の実を作っている。
残された時間は約一週間。
医者いわく、成功するのはかなりギリギリな時間になるとのこと。
知識も能力もないレーナは、ただ祈ることしかできなかった。
(ううん。私が弱気になってちゃダメだよね。私は早く手掛かりを見つけないと)
ブンブンと首を振って、レーナは調査へと意識を戻す。
自分が今できるのは、アイラを襲った部隊を探すことだけだ。
油を売っているような暇はない。
「おはようございます、レーナ様。本日はどのような依頼をお受けになりますか?」
「いえ……依頼を受けるつもりはないです。ギルドマスターに会わせてください」
「かしこまりました。少々お待ちください」
余裕のないレーナが訪れたのは馴染み深いギルド。
犯人捜しに行き詰ってしまったため、ギルドマスターの協力を仰ごうという狙いである。
心から期待をしているわけではないが、ギルドマスターなら何かを知っているかもしれない。
たとえどのような情報だとしても、今のレーナからしたら金と変わらない価値があった。
「お待たせいたしました、レーナ様。ギルドマスターから面会の許可をいただきましたので、奥の部屋に進んでください」
「……ありがとうございます」
受付嬢に言われるままに。
レーナは迷わず奥の部屋へと進んでいく。
早足で、少しだけ呼吸も乱れている。
自分でも無意識のうちに慌てていた。
そして扉を開けると――。
「失礼します、ギルドマスター」
「やあ、レーナ。君から会いに来るっていうのは珍しいね」
「お願いします、助けてください」
「……とりあえず話を聞こうじゃないか」
唐突なレーナの言葉に困惑しながらも、ギルドマスターは協力するために立ち上がった。
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