嫌な予感
「レーナさん、帰ってくるの遅いですね。もう夜なのに……」
「そうだな。早めに帰れるって言ってたはずだけど、何か問題が起こったのかも」
ライトとアイラは、家でじっとレーナの帰宅を待ち続ける。
冒険者という職業に安定という言葉はないため、多少時間が前後するのは仕方がない。
時間ピッタリに帰ってこいという話はあまりにも酷なものだろう。
しかし。
それでも、気になってしまうほどレーナは遅れていた。
レーナが言っていた帰宅予定時間から、既に四時間が経過している。
外はもう暗くなっており、一緒に食事をしようと約束していたが、このままでは叶いそうにない。
「確かギルドに用事があったみたいですけど……もしかして冒険者同士の揉め事に巻き込まれているのかも」
「レーナに限ってそれはないと思うけど。まあ、何かあったのは間違いないかもな」
「私……心配です。ライトさん」
アイラは落ち着かないようにキョロキョロと辺りを見回す。
よく見ると、もじもじと少しずつ体も動かしていた。
その様子からはソワソワとした感情を読み取ることができ、釣られてライトも焦りの気持ちが生まれてしまう。
「それじゃあ迎えに行ってみるか?」
「え? いいんですか?」
「まあ、ここまで遅いと心配だからなぁ。アイラもいいだろ?」
「は、はい……!」
アイラからは、嬉しそうな返事が返ってくる。
本当はアイラから提案しようとしていたが、そんな勇気は持っていない。
だからこそ、ライトの口から出てきたことが嬉しかったようだ。
「決まりだな。よし、行くか」
「あ、剣も持っていくんですか?」
「一応な。何もないと思うけど、変な奴に絡まれた時が面倒だし」
ライトは、背中にいつも使っている剣を固定して家を出る。
これまでの経験から、ギルドに行ったらかなりの確率で絡まれることが分かっていた。
冒険者の男たちから見れば、ライトはただのカモだとしか認識されていない。
憂さ晴らし、カツアゲ、暇つぶしなどなど。
様々な理由で絡まれた経験がある。
「アイラは迷子にならないようにな」
「わ、分かってます……!」
アイラは頼りになりそうな返事を返すと、ライトの後ろにピッタリとくっつく。
心配するなという気持ちを表しているかのようだ。
ちょっとしたアイラの抵抗が伝わってくる。
「……アイラ?」
「あっ、なんでもないです……」
ただ……手を繋ぐ勇気はなかったらしい。
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