ゴーレム
「ま、マズい……! 離れないと!」
ライトはアイラの手を取って、ひとまずゴーレムとの距離を離す。
アイラは転びそうになりながらも、何とか足を動かして間合いの外に逃れた。
レーナに関しては、ライトが声をかけるまでもない。
とりあえず攻撃は食らわずに済みそうだ。
「ライト! ゴーレムはオーガに比べて、動きも遅いし攻撃力も大したことないから冷静にね!」
「それは分かってるけど……!」
レーナはギルドマスターの制約があるためか、木の上から手を出さないように声を出している。
レーナが動くとしたら、ライトかアイラが命の危機に瀕した時だけだろう。
オーガとはサイズも性質も違うため、比較になっていないような気がしないでもないが、冷静になることはどちらにせよ重要だ。
「――グオオォォォォ!」
「――この!」
ゴーレムは、ライトとアイラを薙ぎ払うように腕を振った。
やはりレーナの言う通りスピードはなく、冷静になっていれば容易く躱せる攻撃である。
ライトはアイラを抱え、余裕を持って回避したところで反撃に出た。
「眠らせてしまえばこっちのもんだよな!」
ライトがここで選択したのは、《剣神》ではなく《睡魔》の方だ。
使うのは今回で二回目だが、邪龍も眠らせた事実があるため多少の自信は持っている。
白いモヤモヤが現れ、ゴーレムの体内に吸い込まれていき――。
「――って、うおっ!?」
何事もなかったかのように放たれるゴーレムの追撃。
ライトはそれを回転しながらギリギリで躱す。
どういうわけか、ゴーレムが眠る気配が全くない。
それどころか、最初よりも動きが機敏になっているようにさえ感じる。
「なっ……? どうして」
「ライトさん! ゴーレムに《睡魔》は効きません……!」
「ど、どういうことだ?」
「その、種族スキルというか、そもそもゴーレムは睡眠を取らないんです」
アイラから告げられる衝撃の真実。
言われてみれば、確かに頷ける情報である。
昼間は動きが鈍いと言えど、眠っているわけではないらしい。
邪龍にも通用したスキルだが、思わぬ落とし穴があったようだ。
「睡眠を取らない種族全般には効かないってことか……どうする?」
「ライトさん……えっと」
アイラは少し戸惑うと、ポケットから何かを取り出す。
「……やっぱりそうなるよな」
ライトはスキルの実を受け取ると。
三つをいっぺんに飲み込んだのだった。
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