岩?
「相当森の奥にまで進んだけど……見当たらないな」
「多分昼間は動いていないんじゃないかな? 夜になったら活発になって見つけやすくなると思うけど、それだと心配だよね」
ライトたちは、迷わないようにしっかりと目印を付けながら先へと進む。
《虫耐性》の影響が大きいのか、どんどん深くへ侵入していく三人に何も近付いてこない。
しかし。
かなり順調だと思われたが、肝心のゴーレムは見つけられないままだ。
このまま暗くなればなるほど見つけやすくなるのだろうが、それと比例するようにライトたちも不利になってしまう。
「うーん。ゴーレムほどの大きさなら見逃さないと思うんだけどなぁ。どうなってるんだろ」
「もう先に誰かが倒したとかはないのか?」
「……それは考えにくいかも」
首を傾げるレーナ。
レーナがゴーレムと戦った経験は少なく、そのどれもが大きく開いた場所での戦闘だった。
今回のように敵が見つからないという事態は初めてである。
「って、行き止まりか。別の道を探さないと」
ライトは足を止めて貰った地図を確認する。
ここから先は、苔の生えた大きな岩によって完全に塞がれていた。
先に進むには迂回するしかない。
「……あれ? 地図にこんな岩なんて描かれてないぞ」
「え? 見せて見せて」
レーナはライトの背中越しに開いた地図をのぞき込む。
そして、ライトの言う通り、この道に岩は描かれていなかった。
そこまで古そうな地図には見えないが、どこかから削れた岩が転がってきたのだろうか。
しかし、それにしては不自然な位置だ。
「まあ、別の道を探すしかないよな。どれどれ」
そう言って、ライトは岩にもたれかかり地図を眺める。
少々複雑な道になっているが、何とか迂回すること自体はできそうだ。
これから進むルートを指でなぞりながら、その方向を見て念入りに確認していた。
「それじゃあ――ん?」
そこで、ライトは背中に何か違和感を覚える。
僅かにだが、岩が動いたような気がした。
ライトが体重を預けただけで動くとは到底思えない。
それでも、実際に動いた感覚が背中に残っている。
「今……この岩動かなかったか?」
「? 動いてないと思うけど」
「いや、今確かに」
「……見てみます」
最初はアイラもレーナもライトの勘違いだと判断していたが、やけに譲ろうとしない姿が気になったらしい。
アイラが近付いて岩に手を当てる。
「――あっ! ライトさん!」
「ど、どうした?」
「この岩、ゴーレ――」
アイラが言い切る前に。
大きく地を揺らしながら岩が動き出す。
僅か数メートルの距離にいる三人は、立っているだけでも精一杯だ。
もう疑いはない。
ずっと探していたゴーレムは、既に目の前にいたのだ。
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