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魔王様の恋人は人間でした!  作者: オリビア
4/5

勇者が来る

「これで終わりっ!」

ルナは腕を伸ばし、快活に声をあげる。


「あ、もうすぐアレクが来る時間だ。迎えに行かないと………」

書類をまとめ、提出するように部下に頼む。

そのまま彼女は街へおりた。



街にはいろんな店が並び、賑わっている。

この中から知り合いを探すのは普通なら至難の技だろう。しかし………


(アレクがいたら、一際騒がしくなるからなぁ)


彼女が探しているのは勇者、魔王を倒すと言われる存在である。彼がいるならばそこは大騒ぎになること間違いない。


そこに若い女性たちの声が響く。


『きゃあぁぁ!!アレク様ぁぁ!!』

ルナはビクリと体を震わせる。


声のした方を見ると、そこには絵本の王子様のような金髪のイケメンが立っていた。その青年は顔に合わない粗野な口調で話す。


『おいアレク!また魔王様に会いにきたのか!シスコンもほどほどにしておけ!』

「うるせぇ!ほっときやがれ!」

『がはは!ほら、うちの串焼き食べていきやがれ!』

「ありがとよ!ほら、金だ!」

『まいどー!ルナちゃんならさっきそっちに向かってたぞ!』

「まじか!ありがとよ!じゃあな、親父さん!」


串焼きを食べながらアレクはこっちに向かって来る。が、そこにすぐさま女性陣が駆けつける。


アレクは苦笑いを浮かべながらも、どうやって逃れるか、悩んでいる。仕方なくルナはアレクの元へ向かった。


「すみません、ちょっといいですか?」

「え?って、る、ルナさん?」

「はい、ちょっと予定があるので、すみません、そのくらいで」


ルナがそういうと、女性陣はすんなりと離れてくれる。そのことに感謝しながら、アレクに話しかける。


「遅かったね、アレク。城の前で待ち合わせだったのに、屋台にいるなんて………」

「あ、あー、悪い、串焼きやるから許してくれ!」

「ふふっ、しょうがないなぁ、こんなこともあろうかと、アレクには早めの時間教えてたし、許してあげる。」

「さすが、よくわかっていらっしゃいます……」

「ほら、早く行こう?ユーリ様もまっているわ」

「ああ!」




魔王城の前に着くと、ユーリが待ち構えていた。その隣には、ユーリと同じ色合いの髪と瞳を持つ可愛らしい少女が並んでいた。その少女の存在に気づいた瞬間、アレクは顔を青くする。


「え、あ、ゆ、ユリア?」


その言葉を聞いた瞬間、とてつもないスピードでアレクにぶつかっていくのが見えた。


「アレク様!お久しぶりだね!どうして僕に連絡入れてくれなかったの?お兄様が教えてくれなかったら、僕、出かけちゃうところだったの!」

「離れろユリア!あ、い、変わらずの馬鹿力だな!!」

「えー?僕褒められてる?照れちゃうなぁ。」

「褒めてねぇ!」


話が通じてるようで通じていない2人を見ながら、ユーリはほくそ笑む。

(せっかく仕事を早く終えて、ルナとゆっくり話せるはずだったのに、まさか屋台の方に向かっているなんてね………)

八つ当たりであった。


このよくわからない状況に、ルナは頭を痛めるのであった。


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