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子供魔王のゆうしゃりょこう!  作者: ぴあな。
第1章
4/8

三話 [魔王録] 資格への一項目

相変わらず説明会的な感じです。飽きずに読んでもらえたら光栄です( 'ω')



「いわゆる勇者旅行、勇者旅行を始めるわ!」


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(と言い切ったのはいいんだけど、勇者って何をやっていたのかしら…?)


 気になっていたノラは2人に問いかける。


「ねぇ、結局勇者ってさ、産まれてから何をして勇者になったのかしら?」


 これは勇者旅行を行う上で最も重要で1番気になる所だ。

 なにせ勇者と同じ旅を行うのだ、何をしたか分からなければそもそも勇者旅行すら出来ない。

 2人共思案してくれていると、先にアキが話し始めた。


「う〜ん、例えば災害級のモンスターや魔王を討伐することによって世間に認知されて、勇者として認められるってのが一般的なんだろうが…」


とアキが言葉をつまらせた。

 何か問題があるのだろうか?とこちらから声をかけようとするとアナが


「魔王様自体が勇者と同じ事を行おうとしてるので、どうしたらいいのかがよく分からないんですよ」


とアキが話途中だったのを代弁してくれた。

 なるほど、そりゃそうか。

 勇者は魔王を倒すために存在すると言っても過言じゃあ無いのに、その魔王が勇者と同じ事をしようというのだ。

 明らかに矛盾している。

 ならどうするか、諦めるつもりは毛頭ないが自分は魔族で魔王だ。

 人族の決まり事など知る由もない。

 どうすべきか悩んでいると、アキが1つ提案を出してきた。


「まず、ノラが勇者と同じ事をするってのは、魔物の討伐や依頼を魔王自らこなしていくって事になるんだ。

 ならまずは、大きな街に出て冒険者登録をしなければいけないんだよ」


「冒険者登録?」


初めて聞く単語に疑問を投げかけると、次はアナがその説明をしてくれた。


「冒険者とは、街や国からの討伐依頼をクリアしていき、そして補助金を貰うことで生計を立てる。

 国はこれを1つの職業として扱っているのです。

 ですので、商人や鍛冶師などと同じように、国に対して冒険者として働いていると言う証明を作るのですよ」


 なるほど…。

 それは一理あると思う。

 確かに、魔物を討伐したからと言って何も無ければ、今度は魔物を討伐してくれる者がいなくなってしまうのか。

 魔物や魔族の軍勢から国や街を守る為にそういう手段を取ったという事なのであろう。

 しかしそういう事であれば、自分もその冒険者登録とやらを取りに行かねばならんという事か。


(…面倒くさいなぁ。

 けどこれまでの勇者がそうしたんだったら、自分もそうするしかないのよね。

 けど、どうしたらそういうのって出来るのかしら…?

 そうだ、いい事を思いついたわ!)


とノラが何かを閃くと、2人に問いかけた。


「2人共、私の勇者旅行に付き合ってもらうわ!」


と、閃いた内容を突きつけた。

 2人して口を開けて自分の方を見つめている。

 自分が閃いた内容にいささか感動しているのだろう。

 何故なら魔王の旅について行くことが出来るのだから、と考えていると


「はぁ!?!?」


と、とても驚いた様子でアキが叫んだ。

 アナはまだ唖然としている様子。

 どうやら感動していたわけではなかったようだ。

残念である。


「ノラは勇者の事を聞きに来たんだろう?

 どうして俺達が勇者旅行ってのに付き合わなきゃ行けないんだよ!」


とアキが問いかけてくるので、


「私が1人でその冒険者登録とやらを取れると思う?」


と一番の問題点で答えた。

 そして極めつけの言葉をぶつけてやる。


「それに…」


「…それに?」


「魔王直々の命令に、勇者でもない人族が逆らえると思っているのかしら?」


 会心の言葉と共に、自分が出来る最大の悪い笑みを浮かべてやった。

 これなら二人共断ることは出来ないだろう。

 現にアキは、「…っ」と悔しそうな顔をしている。


「これで決まりね。

 今日はもう空も暗くなってきているし、明日の朝方から街に向かおうかしら。

 それでいいわよね?」


と2人に伝えておく。

 明日からようやく自分の勇者旅行が始まるのだ。

 しかもパーティ連れで。

 2人は2人で、


「はぁ、断る権利は無いだろうし…

 なんて言って家を出たら、ってか今日のノラが落ちてきた時の言い訳もしておかないといけないし……」


「アキ兄、言い訳の方は私がしておくわ。

 アキ兄は家を出るきっかけを作ってくれないかな?」


「きっかけって…

 もう適当に手紙書いて机の上に置いておくか……」


などと話し合いをしている。

 あれほど嫌々言っていたが前向きに検討してくれている。

 やはり2人とも勇者旅行が楽しみなのだろう、素直に言えばいいのにと微笑んでいると、


「何ニヤニヤしてんだよ!

 そっちが巻き込んできたんだから一緒に考えてくれ!」


とアキに怒られてしまった。

 別に勇者旅行が楽しみでは無かったみたいだ。

 今日は自分の勘が当たらないなぁと片隅で考えながら、2人の話し合いに耳を傾ける。

 明日から忙しくなるなぁと3人揃って思案するのであった。   

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