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子供魔王のゆうしゃりょこう!  作者: ぴあな。
第1章
3/8

二話 [双子録] 初めてで始めて

(な、なんだなんだなんだなんだ…!? 急に空から人が降ってきて、って女の子じゃねぇか! え、何がどうなっ……!?)


 最初の出会いの最初の感想はこれだった。

 なにせ妹と一緒に、たまにどやされながらも農作業をしていると上から何かが降ってきたのだ。

 自分たちが住むのは辺鄙な村で、魔物共がたまにやってくることはあるのだが、こんな事は初めてで理解出来ない。

 その状態で話をしようと持ちかけられたのだ、余計に理解不可能だ。


「…っ 誰だあんたは」


と何とか絞り出した声で問いかけると


「私はノラ、ノラ・メーヴィル。

ただのしがない魔王よ」


とごくあっさりと、さもその返答が何も間違ってないと確信しているような返事が帰ってきた。

ただ一つだけ引っかかる単語を含めて。


「………は?魔王…?」


 聞き捨ててはならない単語が聞こえた気がして聞き返してみたが


「うん、そういったの」


と返ってきた。

 いやいや、信じられるかっての…。

 唐突に空から降ってきた女の子から自分は魔王と告げられたんだ、どう考えたって嘘をついているようにしか思えない…

と思案していると、妹の方から急に声をかけられた。


「ねぇ、お兄ちゃん…」


「っ…、どうした?」


「メーヴィルってさ、ほらこの間王国から報告があった……」


「あっ…」


妹の話を聞いて思い出した。

確かに、[メーヴィル]という名前は魔王の一角の名前だ。

数年前に魔王の討伐報告が上がっていたのは覚えている。

 にわかには信じ難いが…


(信じられないが本当に魔王なんだとしたら、何故こんな場所にいるんだ…?)


「おまえ、本当に魔……」


と、自称魔王に話しかけようと声を上げた時、


「お〜〜い! なんか物凄い音がしてたが大丈夫か〜!?」


と離れたところから声が聞こえてきた。

 恐らくノラが落ちてきた時の音を聞きつけてほかの村の人達がやって来たのだろう。


(くそっ、魔王でないにしろ魔族と話しているのを見られては自分たちの生活も危ない。まずはこの場所から…)


「おい!ノラって言ったよな、こっちについて来い!アナも一緒にだ!」


「う、うん。分かったアキ兄!」


「ん?話をするだけだから場を変える必要なんて…」


「必要があるんだよ!頼むから付いてきてくれ!」


 2人を連れて近くの森の中へ入っていき、人目のつかないところまで走っていった。



「はぁ、はぁっ

ちっ 面倒なことになってきた…」


と、息と共に愚痴を吐き出した。

 なんでこのような事になったのだろうと思い返してみる。


「なぁノラ…様?でいいのか?」


「ええ、どうしたの?」


「あんたが本当に魔王だとして、どうしてこんな所のこんな村人に話があるんだ?」


と聞くと、



と言い、ノラは自分が国を出てきた理由と話しかけてきた理由を話してくれた。


--------------------------------------------------------------------


「そういうことが……」


 話をすべて聞いてやっと理解は出来たが、その願いが叶うことはないとも理解していた。


(無理だって言ったらどうされるのだろうか。

 しかし嘘偽りを言ってもそれがバレたら結局同じ事か…)


 結局すべてを話すことにしようと決意する。


「…確かに俺は勇者の話をしてたぜ?

 だけど勇者に会いたいって言ってたが、今いる勇者の居場所を知ってるわけじゃないんだよ」


とノラに話し始めた。


「あら、そうなんだ?

 てっきり知ってるかと思って降りてきたのに」


「勇者ってのはさ、色んな場所に救ったり色んな冒険をして魔物や魔王を討伐したりして、有名になってようやく勇者として認められるんだ。

 だからひとつの所に留まらず、各地を転々としてるんだよ」


「ふ〜ん、ならその行いをした人なら誰でも勇者なの?」


「誰でもって訳じゃないだろうが、確かに勇者ってのは1人じゃなくて他にも複数人存在するんだ。

 だからノラ様が言う勇者が誰なのかもわからなければ何処にいるのかも分からないんだよ。」


と自分が無理だと思った理由を話した。


「じゃあ、あの人にはすぐ会えないのね…どうしようかしら?」


「俺に聞かないでくれ… 初心に戻って今まで通り魔王をしていたらどうなんだ?」


と言うとノラは少し黙り込み


「初心、初心ね……

!! そうだわ!結局私が勇者を目指せばいいのよ!」


(あれ、俺もしかしていらん事言ってしまったか…?)


「な、なんで魔王なのに勇者を?」


「だって私は勇者を見てああいう存在になりたいと思ったんだもん。

 初心に帰るってことはそういうことなのね!ありがとうアキ!」


「魔王が勇者になれる訳ないだろ…」


「確かに最初はそう思ったわ、私も魔族だしね。

 だから勇者を名乗るんじゃなくて、今まで勇者がやって来たことを自分が旅に出て繰り返す。

 そうしていたらきっとその先に勇者がいるんだわ!」




「いわゆる勇者旅行、勇者旅行を始めるわ!」

説明会みたいな感じで読みづらいかとは思いますが語彙力高めて書いていけたらと思います( 'ω')

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