一話 [魔王録] 未知のおしゃべり
「勢いよく飛び出してきたのはいいんだけど…勇者って一体どこにいるんだろう?」
空を飛びながら彼女はそう呟いた。
勢いに任せて自分の城を飛び出してきたのだ、情報など一切持ってはいなかった。
「まぁそれなりに有名だろうし、人間の街の方へ行けばわかるかもしれないわね」
と呑気に空を飛んでいると、
「………、……勇……!!」
「…ん?今勇者って聞こえたような?」
彼女の耳に不意に入った声があった。
飛ぶのをやめよく耳を澄ましてみると、丁度下に位置する人間の集落から聞こえたようだ。
自分より少し背の高いくらいの男女の子供2人が何やら言い合っているらしい。
「あの子達なら何か知っているのかも」
そう思ったがすぐ実行、すぐさまその2人の所へ降り立った、いや着弾した。
あまりの勢いに土煙が舞う。
「きゃあっ!?!?」
「げほげほっ!なんだ!何が落ちてきたんだ!?」
男女2人は困惑状態だ。
そりゃそうだ、2人で話し合っていたところに急に空から何かが降ってきたのだから。
「あれ、少し力みすぎちゃったかな」
「「!?」」
「こんにちは、ちょっと話したいことがあって降りてきたんだけど…」
「わたしとおしゃべりしてくれないかな?」
これが子供魔王と2人の兄妹の初めての出会いだった。
続け方ってこれでいいのかな…?まだまだ書き続けれるよう頑張ります!