決闘、勝負、勝敗
《注意》
・文章力は皆無です。おそらく問題点だらけなため、そういったことがあればご指摘をお願いします。
・私がルルブしか持っていない+独自解釈を大量に用いているためもしかしたら矛盾点などが見つかる
可能性が大です。その場合はこの物語はこういったものなんだと思っていただければ幸いです。
以上のことに納得してもらえた人はどうぞゆっくりしていってください。
「出ろ」
監視の兵士にそう言われて何を言い返すでもなく、従い外に出る。
そのまま兵士についていってしばらくすると目の前の通路の先から光が漏れ出てくる。
そこは西洋の円形の闘技場だった。
観客席には何千人いようか、酔狂な観客で賑わっていた。
横を何気なく見ると自分の他に4人の人間がいた。
昨日、兵士が言っていた自分以外の罪人だろうと判断する。
一人は白髪のやせ細った男。一人はアピールなのだろうか、持っているナイフを舐めている。気持ち悪いとしか言えない。
そして残りの二人は世紀末に出てきそうなモヒカン頭のマッチョだ。正直一番最初に死にそう。
後ろの観客席を見ると一際目立つ席。
明らかに特等席だろう場所に二人の人間が見える。しかし、てっぺんで輝く太陽が眩しく詳しく把握できない。
そして、数分待っただろうか。正面の門から一人の人間が歩いてくる。
それは散々見飽きた鎧をまとっていたが昨日とは違い兜を身に着けていなかった。
その姿は蒼髪のポニーテール。誰がどう見ても...女性であった。
これには壮馬、なんだあの緊張感のない顔は、と言われそうなぐらいにキョトンとするしかない。
「......どちら様でしょうか...?」
「なんだ、昨日会ったばかりだというのに、貴様を尋問した兵士だ、分からんのか?」
「は、はぁ!?」
いいのか、これいいのか。女性に決闘なんて任せていいのかこの国は。
あまりに唐突な出来事にそんな考えが浮上してくる。
「へっへっへ、俺達も舐められたもんだぜ。なぁ、弟?」
「あぁ、すぐに後悔させてやろうぜ、兄者!」
そう言うのはモブ臭しかしないモヒカンども。正直、今のショックがあってもまだこいつらの方が死にそう。
ナイフを舐めてたやつも薄ら笑いを浮かべており、勝利を確信しているようだった。
というかこいつどっからナイフなんて出してんだと思った折、後ろの箱が目につく。
覗いてみるとナイフやブロードソード、斧や槍といった武器類がこれでもかと入っていた。これを使えということだろう。
よく見てみると自分が持っていたナイフが入っていた。勝手にレンタル武器に加えるなと苦情を言いたくなる。
とにもかくにも自分のナイフを回収し、もう一人の男を見る。
こいつだけは無表情を貫いており、一線を画す雰囲気をまとっている。こいつは期待できるのだろうか。
「おい、貴様まだか?もう始めるぞ」
「あ、あぁ。分かった」
催促をされ、いそいそと元居た地点に戻る。
戻って数秒すると、バカでかい銅鑼の音が響いてくる。
銅鑼なんて久しぶりに聞いたな、という感傷に浸っているとモヒカンどもが兵士に向かって突進していく。
「ハハハ!死ねぇ!」
という声と同時に持っていた斧を振り下ろす。
瞬間。
超スピードでモヒカンの攻撃を横に避けたかと思うと、そのまま目にもとまらぬ早さで正拳突きを繰り出す。
そして次の瞬間にはモヒカン(兄)は後方の壁に深々と突っ込んでいた。
これには取り残されたモヒカン(弟)、ポカンとするしかない。
当然それを見ていた壮馬、あとナイフ野郎も唖然としている。
一人、無表情を貫いている白髪はそれを見て後ろの方にテクテク歩いて、壁にもたれかかって座り観戦モードになっていた。
更にその光景を生み出した張本人である目の前の蒼髪の女性は何食わぬ顔で
「ふぅ...あぁ、ちなみにこの決闘ではまいったと言えばギブアップできる。...今のを見た貴様らに問おう。まだ続けるか?」
その眼光は鋭く、すぐさまモヒカン(弟)とナイフ野郎の心を折る。
「「い、いえ!参りましたぁ!!」」
涙目でギブアップを宣言し、めり込んだモヒカン(兄)を引っ張り上げ、元来た道を戻っていく。
闘技場に残ったのは早くも白髪と蒼髪と壮馬のみという状況になっていた。
その肝心の壮馬は冷や汗を大量にかき、目の前でいとも簡単に起こった惨劇に震えるしかなかった。
「おい...おいおいおいおい!ちょっと待て!なんだ今の!?今のなんだ!?待って!?こんな化け物と戦うなんて聞いてないんですが!?」
もはやパニックに陥った壮馬に返答したのは後ろにいた人物。
「なんだ...あんた知らなかったのか?目の前の女はただの騎士団メンバーじゃなくて王家直属護衛軍、序列39位...」
「は、はい?」
「魔法のエキスパートである騎士団の上の上...要するに一般人じゃ何千人も集まったところでどうにもできないレベルの化け物様ってことだ」
「なんだよ、その主人公設定...じゃあ何?これ負けイベント?」
「あぁ...確実にな。ちなみに名前はニーナ=ディスベル...だっけ?」
「そうだ。私の名はニーナ=ディスベル。誉ある王家直属護衛軍で第三師団長をさせてもらっている」
「うっそだろ、おい...」
冷や汗がぽたぽたと音を立てるぐらいには汗だくになる。大ピンチとかいうレベルじゃない。
「貴様はギブアップしないのか?殺し屋よ」
「はは、実質ギブアップみたいなもんさ。ただ面白そうだと思ってね、最後まで見るってだけで」
殺し屋と呼ばれた白髪はそう言って笑って見せる。
「そして...貴様。...ギブアップ...するのか?」
「..................」
そう聞かれた壮馬の意識は既にニーナからは離れていた。
逆立ちしてもとても勝てない相手。化け物としか言えない目の前の相手。はっきり言って絶望だ。
しかし、それがどうしたと。壮馬の価値観がそう叫んだ瞬間、壮馬の頭脳は勝つための作戦を既に練り始めていた。
まず何が自分にとっての勝利なのか。そしてそれに至るにはどういう道順を辿ればいいのか。自身が持つ手段から消去法でそれを割り出す。
そこに聞こえてきたその肝心の相手のセリフが一つの結論へ至らせる。
「安心しろ、これは余興だ。こっちは魔力は使わないというルールが実は存在している」
その言葉によって一つの道筋が壮馬の頭に出来上がる。
「そうか......」
その時には既に壮馬の頭脳は冷静だった。さっきまでの絶望感どころかマイナス思考は全部消え去っていた。
なんだ...騎士様が何だって言うんだよ...
邪神共に比べたら人間なんて皆ゴミじゃねえか
その結論に達した瞬間。目の前の人間に対しての恐怖感は最初から無かったかのように静まっていた。
「...来いよ。その下らん価値観。全部へし折ってやるからさ」
そう言って挑発する。
「ほう?言うな貴様。しかし勇気と無謀は違うぞ?」
「勇気だろうが無謀だろうが死ぬときは死ぬんだよ。ごちゃごちゃ言わずにそっちから来い」
「......いいだろう!」
そう言いながらブロードソードを抜くと同時、一瞬で10m近くあった距離を1m程まで詰められる。
「ッ!」
「喰らえッ!」
そして顔めがけて繰り出されるブロードソードでの突きを辛うじて右に避ける。
「ふむ...」
「(まだ避けられないスピードではないッ!)」
そう思ったのも束の間、今度は目にもとまらぬラッシュが繰り出される。
「あっぶねッ!」
それをラッシュ範囲から逃れるように横っ飛びに躱す。
「...なるほど、いい動きだ。特に反射神経は凄まじい。並の者であれば確かに勝てただろうな」
「ハッ、うっせーよ。あんな動きしときながら息切れ無しってほんとどうなってんだよ...」
たった数秒の戦いで既に体力の差が見え始める。
壮馬の方はニーナの攻撃を一撃でも受けたらそれでゲームオーバーが確定している。
「(だからってこちらから仕掛けられる隙があるわけでもねぇ。武器のリーチもかなり違うしな...)」
《被害をそらす》魔術で攻撃を避けて反撃する方法もあるが、あの魔術は攻撃の威力で消費する魔力量が変わる。
あの威力をそらすことができるのは二回が限度だろうと壮馬は推測していた。
とにかく攻撃を受けたくない壮馬はゆっくりと間合いを離していく。
「(とにかく...まずは確認しねえと...)」
壮馬の視線は、ニーナではなく上の観客席に向いていた。
両者が間合いを測り、膠着状態が10秒ほど続いただろうか。
先に動いたのは...壮馬だ。
自分からは動かないだろうと思っていたニーナは一瞬驚くもすぐに対処する。
横一文字に放たれた剣を身をかがめて避け、そのまま渾身の力でニーナの足を払おうとする。
しかし、読まれていたのか。払おうとした足を上げられ、空振りに終わる。
それを感じ取り、考えるより先に後ろに飛び、地面に突き刺さる剣を避ける。
「(こいつ...どこを見ている...!)」
しかし、ニーナが一番驚いていたのは壮馬がずっとこちらを向いていないことだ。
その視線は全て上の観客席に向けられているにも関わらず、自分の攻撃を紙一重で避けている。
「貴様、どこを見ている...私を愚弄するのか...?」
「......いや、確認しただけだよ」
「...何を確認している」
「ハッ、お得意の嘘センサーに任せて質問すんの、いつか友達いなくなるぞ?」
「いいから答えろ...!」
見向きもされないのがそんなにプライドを傷つけたのか、ニーナは少し怒気を込める。
「...知人がいるか確認してたんだよ。見られたくなかったしな」
「何?」
魔力に乱れはない。嘘ではないようだが...そう思った矢先に続いた言葉にニーナは激怒した。
「お前のプライドをずたずたにするところなんて、見られたくないだろ?普通」
「ッ!貴様ァ!!」
あからさまな挑発だったが一瞬我を失い、考えなしに突きを繰り出す。
そして、それを待ってましたとばかりに右手に隠し持っていたナイフでいなす。
「何...!?」
手加減無しの一撃だったからか、上手くいなしたにも関わらずナイフが粉々になる。しかしそれが逆に壮馬の右手をフリーにさせる。
「...オラァ!!」
そして繰り出された壮馬の渾身のパンチがニーナの体にクリーンヒットする。
「ッ...」
鎧を通しての一撃だったからか。痛みはそうない。しかし、その威力はニーナを1mほど後ろにずらした。
「き、貴様ッ...」
しかし、すぐさま反撃しようとしたニーナの目の前でそれを妨げる物が出現する。
「《レレイの霧の創造》!」
そう言いながら壮馬は地面に拳を突き立てる。
瞬間、突き立てた場所から濃い霧が現れる。
「!?これは...!?」
そしてその霧はすぐさま壮馬の体を包み隠した。
いきなり目の前で巻き起こった謎の現象に本能が危険信号を送ったのか、ニーナは出現した卵型の霧から距離を取る。
数秒経ったが目の前の霧は一向に晴れる気配がない。風が吹いてもその場に留まり続けていた。
そのまま膠着状態にもつれこむかと思われた矢先、霧から槍が飛んでくる。
「ッ!?」
あまりにも突然のことに一瞬反応が遅れるもそれを寸前で躱す。
「(クソ...武器箱のやつだな...!)」
しかし、避けたはずの槍は避けられた瞬間、方向転換しこちらに向かってくる。
「な、何ッ!?クソ!」
二度目の理不尽な現象に戸惑いつつも目にもとまらぬ剣技で槍を切り刻む。
だが、休ませる気はないと言うのか、今度はニーナの耳に不可思議な言葉が聞こえてくる。
「○!※□◇#△!$♪×¥●&」
理解どころか聞き取れもしない意味不明な言葉の羅列。
魔力を感知する術に長けているニーナだからこそ、この現象は『魔法』によるものではないことを理解していた。
この世界の『魔法』。それを使用する際の魔力というのはこの世界では一般的にマナと呼ばれ、人間そのものが有している力ではない。
この世界では魔力は自身から生み出すものではなく、周りの自然。精霊や自然から貰うものであった。
故に、この世界では『魔法』を使うには精霊に愛される『才能』が無くてはいけない。
しかし、壮馬が使うのはクトゥルフ神話における『魔術』と呼ばれるものだ。
『魔術』を使用するのに必要な魔力というのは『魔法』とは違い、あくまでも自身の精神から生み出されるエネルギーをさす。
それと自身の正気、つまり自身の精神そのものを削ることによってそれは発動する。
そのため、『魔術』には言ってしまえば『才能』が必要ない。精神を削るほどの覚悟さえあれば誰であっても使用が可能だ。
そのためニーナにはこの現象の原因が全く分からなかった。
この世界では呼吸や心の動きで人の周りのマナは動くがそれはあくまでも周りの精霊が反応しているに過ぎない。
今のニーナには人間自身が放つ精神のエネルギーを感知する術は無かった。
「□◇#△#△!$♪×¥●」
しかし、そんな考えなど知らない目の前の相手は淡々と詠唱を続ける。
「ッ!!」
ようやく、このまま続けさせてはまずいと判断したのかニーナが距離を詰めるため、霧へと突っ込んでいく。
「#△!$♪×¥●◇#△#......」
そして、それと同時に...詠唱が終わる。
瞬間、突っ込もうとした霧から燃え盛る手がニーナの顔めがけて伸ばされる。
「なっ!?」
三回目の不条理。しかもただ不意打ちしただけでなく、明らかにスピードが上がっていた。
そんな要因が重なり、ついにニーナは避け切れず伸ばされた手に掴まれる。
「あ、熱い!喉が...焼ける!!」
掴まれた顔から発せられる異常な苦痛。ニーナはそれにより力を入れられなかった。
いや、もし力を入れてその手を放そうと腕を掴み返しても結局逃れられなかっただろう。
ニーナを右手で掴みながら霧からゆっくりと出てきた壮馬は...全身が燃え盛っていたからだ。
その体は揺らめき輝く光の点に囲まれ、火花が常に尾を引き、白熱してまたたいていた。
また異様なのは壮馬の足は地面についていない。空中を歩いているとしか表現できない光景だった。
「これが《炎の外套》だ」
「うううぅぅ......」
しかし、ニーナに壮馬の言葉に返答するだけの余裕は既に失われていた。
「さて...お前。ギブアップ...するのか?」
「ガッ...!き、貴様ぁ......!」
あえて、戦闘前にニーナに言われたことを復唱して更にプライドを傷つける。
「そんなことするものか......騎士団の...一員として...そんなことは絶対にしないッ...!」
その言葉に壮馬は内心舌打ちせざるを得なかった。
「(くっそ、痛ぇ...!やっぱりこの魔術本当にやばい...!)」
...そもそも《炎の外套》に攻撃力増強の効果はあまりない。
術者に自身が焼け焦げてしまうかのような苦痛と引き換えに倍以上の速さと武器に対する圧倒的な防御力をもたらす《炎の外套》。
しかし、術者の攻撃の威力すら殺してしまうのがこの魔術の難点の一つであった。
故にこの魔術でできる攻撃手段は外套の熱による火傷とそれによる苦痛のみであった。
更に悪いことに攻撃すればするほど、自身にもダメージが蓄積していく、まさに諸刃の剣といえる魔術でもあった。
実質、このまま顔を掴み続けていれば先に限界が来るのは壮馬の方である。
また、この魔術はコストも高く最悪、発狂もあり得ていた。
ここまでの代償を払って狙ったのがニーナの降参であるというのは、両者の実力差を明確に表していた。
無論、なりふり構わないというのであれば、まだ打てる手はある。
しかし、『ニーナの死』が勝利条件でない以上は殺さない程度に痛めつけて降参してもらうのが最良であったのだ。
壮馬の誤算はただ一つ、ニーナの精神力の強さを見誤ったことだけだった。
「(グッ...!もう限界...!)」
そしてその読み通りに壮馬の方に限界が来る。
ここまで来るまでにニーナの一撃死必至の攻撃を避け続け、更に《無欠の投擲》まで使った壮馬がさっきまで無傷だったニーナとの根競べの勝負に勝てるはずもない。
朦朧としてきた意識の中、壮馬はようやくニーナを離す。
「グゥゥぅぅ......はぁ...はぁ...」
一方ニーナの方は悶絶していたにも関わらずその顔は軽度の火傷で済んでいた。火傷の痕は残るだろうが、命に別状はない程度の軽い傷だ。
しかし開放された後もその体に力が入らない。
まだ苦痛が残っているのもあるだろうが、ニーナの心は無意識で壮馬に恐怖感を覚えていた。
自身には全く全容の知れない攻撃を繰り出し、最終的に苦痛をも与えてきた目の前の少年を本能が危険視していた。
そして数秒の間...両者ともに動けない状態が続いたが...
「な......あ、あぁ...」
ニーナが見上げるのは...全身に火傷を負い命すらも危ういような状態の...壮馬であった。
壮馬の目は既に虚ろな状態にあり、こちらが本当に見えているかも怪しい。
しかし、そんな状態にあるはずの少年が、自身より弱いはずの少年が先に立ち上がった。
手にはナイフの破片を握っており、血がポタポタと落ちる。
そしてその破片を振り上げ...
「...まいった」
振り下ろすかに思えたナイフの破片を落とし、降参を宣言する。
その宣言と同時に観客席から歓声が沸き上がる。
しかし、それは騎士団相手に健闘した壮馬にではない。
罪人という悪を倒した騎士団という正義に対してである。
それが相手に無意識であっても屈服しかけていたニーナには耐えがたかった。
更にニーナは《炎の外套》で顔を掴まれた時に戦いの最初で使わないと宣言していた魔力で防御してしまっていた。
それにより、掴まれた時間に比べてかなり軽症の傷で済んでいたのだ。
罪悪感と劣等感で押しつぶされそうになっているニーナに壮馬はゆっくりと近づき、
「......貸しだ。後で絶対返してもらうからな」
ただただそう言った。
ふと、そう聞こえ顔を上げた時には壮馬はフラフラした足取りで戻っていくところだった。
「...あんた、無茶するんだな」
と、闘技場外側で呑気に観戦していた白髪が話しかけてくる。
「言っただろ...勇気だろうが無謀だろうが死ぬときゃ死ぬんだよ」
「そんなことなら、自分から死にに行くってか?」
「あぁ、まぁな」
「...そこまで身を切り詰めて挑んだのに負けるとは、よほど運が無かったな」
「いや?...まだ続くんだよ...まだ負けてない」
「へぇ...?」
そこまで言って再び歩き始めようとした拍子にふらついた壮馬を白髪が支える。
「あ...?」
「あんた面白いよ。これまで会ったやつらの中で一番な。若いのに大したもんだ」
「若いのにって......お前何歳よ?」
「はは...さぁな?...名前は?」
「...壮馬だ。お前は?」
「...それも分からねぇな。ま、ノーネームドとでも呼んでくれ」
「はぁ...まぁ、よろしく頼むぞ」
あからさまな何かを隠してますよフラグに若干呆れながらも壮馬はゆっくりと体重を預けるのだった。
《レレイの霧の創造》
この呪文をかけると、呪文の使い手のすぐ目の前の3m×3m×5mの回転楕円体(卵型)の範囲が濃い霧に包まれる。
呪文をかけるために2マジックポイントが必要だが、正気度ポイントの喪失はない。
範囲の長軸は、呪文の使い手が顔を向けている方向と必ず直角になる。
霧は[1D6+4]ラウンドの間、視界を遮り、それから跡形もなく消えてしまう。
《炎の外套》
呪文の使い手は非常な苦痛と引き換えに、動きが早くなり、戦闘での防御力が増大する。
この呪文をかけるためには12マジックポイントと1D10正気度ポイントのコストがかかる。
この呪文から恩恵を受けるのは呪文をかけた者だけである。
かけるために1ラウンドの時間がかかり、呪文の効果は4D4ラウンドの間続く。
作動中の炎の外套を見た者は1/1D3ポイントの正気度を失う。
呪文の使い手はゆらめき輝く光の点に囲まれる。
火花は尾を引き、白熱してまたたく。
炎の外套も包まれた使い手の体は床から10cm~20cm浮き上がり、足先が床につかないようになる。
そういう状態にもかかわらず、体の動きは正確である。
炎に囲まれているということは大きな苦痛である。
呪文を最初にかけたときにはそれを感じることにより正気度を1D6ポイント失う。
ただし苦痛によって耐久力を失うことはない。
呪文の使い手が誰にも触れなかった場合、呪文が終われば苦痛も終わる。
呪文が効果を発揮している間は、呪文の使い手の移動率とDEXが倍になる。
呪文の使い手に対する攻撃の成功率はすべて20%減少する。
すべての武器は最小値のダメージしか与えない。
こぶし/パンチ、キックなどで攻撃してくる者がいた場合には通常のダメージを受ける。
呪文の使い手が誰かに触れた場合には、それをこぶし/パンチの攻撃として扱う。
1D8耐久力のダメージを与えるのである。
このことが起こるたびに、呪文の使い手の方もロールで出たダメージの半分(端数切捨て)を自分の皮膚と肉に受けてしまう。
魔術的な外套の表面にそれだけの耐久力を提供するのである。
したがって、この呪文をかけたことにより呪文の使い手の耐久力がゼロに落ちてしまうこともあるが、それは呪文の使い手の死を意味する。




