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誤魔化しと殺人鬼にご用心

《注意》

・文章力は皆無です。おそらく問題点だらけなため、そういったことがあればご指摘をお願いします。

・私がルルブしか持っていない+独自解釈を大量に用いているためもしかしたら矛盾点などが見つかる

可能性が大です。その場合はこの物語はこういったものなんだと思っていただければ幸いです。


以上のことに納得してもらえた人はどうぞゆっくりしていってください。

「よっしゃ、久しぶりに出来たぁ!」

「え...?出来た...?」

目の前の鍋に向かってガッツポーズをとる壮馬とその様子を見て目を輝かせるイリア。

「あぁ、毎日めちゃくちゃ魔力使ったからな!結構大量に出来たぞ!」

「おぉ...!やったね...!」

そして、壮馬は待ってましたとばかりに用意された二つのカップに半分ほど出来た金色の液体を注ぐ。

「......大量に出来たのに...カップの半分だけ...?」

「大量つっても普通に飲んだら、一日ももたねぇよ。というかその量でもかなり多いからな?」

若干目が濁ってきたイリアをこれで十分だと諭す。

「それじゃあ...いただきます」

そう言いながらちびちびとカップの中の蜂蜜酒を飲み始める。

「ふわぁ.........これ...凄い...説明できないんだけど...凄いよこれ、ソーマ...!」

「そうか、ゆっくり飲めよ」

語彙力が喪失するほどの幸福感に満たされながら少しずつ時間が過ぎていく。

しかし、そんな幸福感に包まれながら壮馬は蜂蜜酒を作りながら思ったことを再度考えていた。


注いだ魔力の量によってできる量が変わる《黄金の蜂蜜酒》。

毎日、自身の限界ほどの魔力を使って作ったものだが、元の世界よりもできた量が目に見えて多かった。

またイリアと一緒に過ごした1週間。その際にあったトラブル。

イリアが熱くてひっくり返してしまったシチューがかかりそうになった時に使ってしまった《被害をそらす》魔術。

本当なら少量だけとはいえ正気を削ってしまう魔術を使ってしまったはずなのに、そこまではっきりとした嫌悪感は感じなかった。

この世界で使った魔術において明らかにコストが減っているのを壮馬は実感していた。


イリアによると、魔法というものは普通にこの世界に存在しているらしく、この世界の騎士団と呼ばれる者は魔法が使えないとなれないらしい。

これはその影響なのだろうかとぼんやり考えていると時計の針が9時を回る。

「あ、9時だな」

「むぅ...いいところなのに...」

あからさまに不満げな顔をしつつ、部屋にこもり準備を始めるイリア。

「...俺も準備するか」

残った少量の蜂蜜酒を飲み干し、イリアと同じようなベストを羽織り、鍋の蜂蜜酒をボトルに入れ始めた。



それから8時間ほど経っただろうか。

少しずつ日が暮れてきた頃合いにも関わらず、更に喧噪を大きくする一つの建物。

「ビーフシチュー一つとパンを二つ!」

「はい、かしこまりました」

今日も酒場、『はみで者の楽園』は賑わっていた。

その一角...端っこで宴会状態のごろつき達。

「確か新入りの小僧が来たんだろ?イリアちゃんが連れて来たって言う」

「へぇ、小僧なんかに仕事ができるのかねぇ、すぐに辞めるとか言いそうだぜ?」

「ははっ、確かにな!」

「.........ソーマが何?」

「「「ぁ」」」

連れて来た本人であるイリアに一部始終を聞かれ、笑顔で硬直するしかなかった。

「.........次言ったら、値段を2倍にするから」

「そ、それだけは勘弁してください!」

頭が上がらないとはこのことなのだろうと確信できる光景である。


そしてキッチンも必然的に表と同じように賑わってくる。

「はい、ビーフシチュー一つとパン二つできました」

その中で必死に料理を作る男性が一人...。

「いやぁ、すまないねぇ。キッチンは万年人手不足なんだよ」

「いや、大丈夫です。こっちも生活かかってるんで」

話しかけてきたのはこの酒場のママのトメさんだ。

ほかの漫画で出てくる酒場のママとほとんど同じ感じがするふくよかでとても優しそうな人である。

「そろそろ他のバイトも来るし、今日はもう上がっていいよ」

「あ、そうですか。それではお言葉に甘えて今日は......あ、これこの店の皆にどうぞ」

そう言って出したのは朝ボトルに入れた蜂蜜酒。

「これは?」

「俺が作った蜂蜜酒です。貴重なんで少しずつ飲んでくださいと」

「分かったよ、今日の営業終わったら飲ませてもらう。あと、イリアも呼んできな」

「はい、ではお疲れさまでした。おーい、イリア上がるぞー」

遠くから「分かったー」という声が聞こえたのを確認してエプロンを脱ぎ始める。

「あ、なんか最近殺人鬼騒ぎで物騒だから気をつけなさいね?」

「殺人鬼?」

「そう、裏路地を夜に歩いてるとね?殺されちゃうんだって、ナイフでずたずたにされて。絶対に裏路地に行かないように」

「分かりました。イリアにも言っときます」

「頼むよ」



そして数分経って、イリアも仕事着ではなくいつもの灰色ベスト姿となる。

「ねぇ、寝る前にまた蜂蜜酒飲もー」

「あぁ...まぁ、まだあるしいいか...」

なんていう他愛のない話をしていると、ゆっくりと裏路地の方から足音が聞こえるのが聞こえた。

さっき話を聞いたばかりだからか、イリアの体は否が応にもこわばってしまう。

一方、壮馬の方は3日ぐらい前に一応買っておいたナイフの方にゆっくりと手を伸ばしていた。

不安感と緊張を少しずつ募らせながら、足跡が近づいてくるのを待っていると、人影が見え始める。

しかし、二人が予想していたのとは全く違う人影。

それは全身を銀の鎧で覆っており、腰にはブロードソードと思しき剣を下げている。

それは壮馬と2mほどの距離で立ち止まり、壮馬に向かって腰の剣を向けてくる。

「...おいおい...ずいぶん物騒な物向けてくるじゃねぇか。ストレスでも溜まってんならリラックスして考え直すことをオススメするが?」

「貴様の戯言に付き合っている暇はない。ナイフを取ろうとしている手を止め、その子からゆっくり離れろ」

「.........」

事ここに至っては反抗することもできず、両手を若干上にあげ、イリアから距離を取る。

「...よし、そのままついてきてもらうぞ」

そして剣を突きつけたまま壮馬を誘導しようとする。

「...な、なんで...騎士団がソーマを......?」

「...騎士団?」

信じられないといった様子で呟いたイリアの「騎士団」という発言に壮馬は若干目を細める。

「お前が知る必要はない。とにかくついてきてもらう」

「......どこまで?」

「...王城だ」

淡々と告げられ、従うしかない壮馬は後ろから殺気を浴びながら、ゆっくりと王城まで連行されるのだった。

「ソーマ......」

そして取り残されたイリアはその光景を呆然と眺めるのみだった...。



壮馬が連行されたのは王城の地下らしき殺風景な部屋であった。

机とイスが二脚用意され、どうやら取調室のようだった。

「...座れ」

そう言うとここまでずっと突きつけてきた剣をようやくしまう。

言われるがままに座り、周りの状況を確認する。

周りには同じ騎士団であろう銀の鎧を身にまとった兵士が3人。

扉は机を挟んだ向こう側。逃げるなどできないことが容易に分かった。

そして自身をここまで連れて来た兵士が向かいに座る。

正直、装備が似通い過ぎて誰が誰か分からないというのが本音である。


「さて、こちらが聞きたいことは分かるな...?」

「いや、さっぱり分かんないよ。無茶言うな」

そう言った壮馬に対して呆れたという感じを出しながらも話を続ける。

「......ここ最近の殺人鬼騒ぎは知っているな?」

「あぁ...」

「単刀直入に問う。お前が殺人鬼か?」

「違う...と言ったら?」

と、テンプレな反抗セリフを放ってみる。

「..........」

数秒の間、静寂が場を支配する。

「...信じよう」

「...ほう?その根拠は?」

予想の斜め上の反応を示した目の前の兵士に向かってその反応の根拠を求める。

「私は審判の魔法、魔法鑑定マナ・センスを習得している。魔力の揺れで嘘、誠を判断できる」

「へぇ......それが魔法か」

その説明を聞き、クトゥルフ神話の『魔術』と、この世界の『魔法』は根源が違うことを確認する。

「まぁ、俺の容疑が晴れたならさっさと開放してくれねえか。変な噂でも広まったら困る」

「それはできない」

壮馬の要求を当然のことのように即刻拒否する。

「なんでだよ、違うことは魔法で分かるんじゃねえのか」

「お前が殺人鬼でないことは信じよう。だがもう一つ理由がある」

「ぇ」

そこまで聞いたことで一つ思い当たる節を思い出し、途端に冷や汗をかき始める壮馬。

「...思い出したか?」

「.........」(汗

「お前、門の通行料を誤魔化しているな?」

「.........えっと...はい」

魔法のことを聞いた手前、嘘を言うわけにもいかず、正直に非を認める。


この国...ルーシアン王国の城下町は周りを壁で覆われており、出入り口は5つの門のみである。

そして壮馬は1週間前に一文無しだったため門兵の目を盗み、通行料を払わずに入国していた。

「この前科がある以上はお前を素直に戻すわけにはいかない」

「えっと...ちなみにどのくらい戻れないんでしょうか...?」

すっかり弱気になってしまった壮馬に対して兵士は告げる。

「そうだな...無断入国なら1か月程度ですむ。無論、その間に何か別の悪事が判明した場合は別だが」

「えっと...今、通行料を払えばもう少し軽くなりませんかねぇ...」

「ふむ...なるほど?だが、そういったことは認めていないのだ。問題は金ではなく、無断で国に入ったという事実なのだ」

「はぁ...ガチでかぁ......」

重い溜息を吐きながら、がっくりと肩を落とす。

「だが...まだ帳消しに出来ないこともない」

その姿を見かねてか、もしくは最初から言うつもりだったのか、救済が目の前で設けられる。

「...その方法は?」

「ふむ......近々、我らルーシアン王国騎士団は隣国、オリトリア公国の要請で遠征に行くことになっている。しかし最近、軍事力不足が深刻化してきており、手練れの傭兵を緊急で雇うことになっている。」

「...つまり、あれか?その遠征を手伝えということか?」

「いや、実は明日、そのオリトリア公国のルーズノルト=ミスティル公爵がこの国にいらっしゃる。そして余興として私と罪人の決闘を行うことになっている」

「...じゃあ、その決闘に負けろと?」

「そんなわけないだろう。もちろん、そっちが勝ったらの話だ。他にも4人ほどいるが全員に同じ話を持ち掛けている」

ここまで聞いて壮馬は理解する。

目の前の人間は自身が負けることなど微塵も考えていないことを。

実質、罪人に負けるようでは公国からの信頼も失われ、更に罪人を逃がすことになる。王国側に得が無いのだ。

にも関わらず、そんな話をしているということは完全に自分らを見下しているのだ。

壮馬には目の前の人間こそが一番可愛そうな人種に思えた。早死にするタイプだ、と。


「分かったよ、その決闘、受ける」

その言葉を聞いた兵士は席から立ち、扉を開け振り向いて言う。

「そう言ってくれると思っていた。いい決闘にしよう」

そう言って兵士は部屋から退室する。

しかし、目の前の少年の本質を知っていれば、彼との闘いなど誰も望まないことだということに、その時の兵士は気づかなかった。

いや、むしろ知らないことが幸せなのだろうか。

どちらにせよ後悔するだろう未来を日稲月壮馬だけは鮮明に想像できた。






《被害をそらす》

呪文の使い手に向けられたいろいろな物理的な攻撃を無効にする呪文である。

呪文をかけるためには1マジックポイントと1正気度のコストがかかる。

呪文の使い手は外なる神の名前を口に出して唱え、自分を襲おうとしている者に向かって、ぐっと片手を伸ばす。

手を下ろさないかぎり、攻撃が与えるはずだったダメージと同じ値のマジックポイントを消費することによって、攻撃を次々と脇へそらすことができる。

その攻撃が命中していない場合には、マジックポイントの消費は必要ない。

手を下ろせば、そこで呪文は終わる。

この呪文は何度もかけ直すことができる。

マジックポイントを使い切ってしまうまではいくつでも攻撃をそらすことができるのである。

どの攻撃をそらすことにし、どの攻撃からはダメージを受けることにするか選択することができるが、それは実際のダメージがどのくらいの大きさのものであるかが分かる前に決めなければならない。

ある攻撃をそらすためにマジックポイントが足りない場合には、呪文はそこで終わる。

攻撃は通常通りに命中したりはずれたりすることになる。

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