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第3話:入学式は戦いの予感っ

 煌めく朝日の中、貴族の子女や貴公子がこの門を通る。

 その門はとても大きく、思わず感嘆の声が出てしまう程に素晴らしい。この大きく、赤いリボンはこの学校の生徒だと一目で理解するためにあるらしい。

 結論から言うと私は試験に受かった。

 点数や順位は個別で渡されるらしい。

 だけど、優秀な成績を納めた上位10名のみ校舎に入る少し前辺りに成績が発表をされるらしい。

 私の名前は他の狐火のメンバーと比べると有名ではないがこれでもSランク冒険者。

 そんな人がこの学園にいると知られたら面倒なことになるのは確実。なので私は母の旧姓ラミウムを使うことにした。

 すると、二人組の子の会話が聞こえた。


 「シャムスが2位で1位がルナ・ラミウムだって!」


 「えっ!シャムスを超える奴がいたのか!」


 この子達の話を聞くと、私が1位で憶測だけどそれまでの1位はシャムス?とかいう人らしい。

 要注意人物に入れておこう。あまり関わると目立ってしまう。


 ゆっくり歩いていると、順位表の紙が見える。


 「これが結果の紙かな」


 ぼそっと独り言を言う。

 《1位ルナ・ラミウム 498点》

 主席なら普通の人なら泣いて喜び、誰かとその気持ちを共有するものだが、生憎私にはその気持ちがあまり無いし、私がこの学園に入学するのはあくまでも、ロベリア様を守るためのこと。

 首席で入学したとしても仕事は仕事。

 必要以上の感情が必要だとも思ってないし、悪目立ちをする為もはや害悪なのだ。

 そんなことを考えながら立っていると、遠くから声が聞こえた。

 これは音量拡声魔法かな。

 術式は…。


 「新入生は体育館に移動するように」


 こんなことをやっている場合ではない。みんなも移動しているみたいだ。体育館に移動するか。


 〜*…〜*…〜*…


 長い。長過ぎる。

 校長先生の話はどこも長いと耳にしていたがここまで長いとは思っていなかった。

 なんせ校長の自慢話で1時間が潰れているのだから。

 流石の長引き過ぎたのか、副校長らしき人が出てきて校長に耳打ちをすると、校長が咳払いをしてから話し始める。

 

「えーであるからしてー、我が校舎では生徒一人一人の意思を尊重していきたいです。」


 うん、この言葉だけで絶対よかったはずなのに何故こんなに引き伸ばしたのだろう。

 理解できない。

 まぁ、気にしてもしょうがない。

 確か次はクラス発表だ。クラスと担任は卒業するまで変わる事がないらしい。つまり、初動が重要だと言う事だ。

 そういえば、ギルマスが護衛をしやすいようにエリヌス嬢と王太子殿下と同じクラスにしているって言ってたけど、なんか問題があったときのために王太子殿下も守ってもらいたいっていう魂胆が見え見えすぎだ。

 あの人、人使いが荒いし、いつか、下剋上が起きても見て見ぬ振りを絶対してやる。

 これが座席表かな?どれどれ、どの席かな?


 「・・・・・・・」


 これは明らかにやり過ぎだ。

 右に公爵令嬢。斜め右前に王太子殿下。斜め左前に前回まで学年一位のやつ。

 これは明らかに女性から目の敵にされる奴だな。

 しかも平民だ。差別もされるだろうし思ったよりも厳しくなるかもしれないな。

 諦めながら席に座っているとおでこから衝撃が走った。

 真正面をハッキリ見ると燃え盛る炎の瞳に金色の髪。整った顔。

 コイツがデコピンの犯人か。


 「痛。何すんのよ。」


 マーガレット直伝、相手の年齢に合わせて話し方を変える術。

 これを使うことによって親近感が湧き、潜入にも役に立つらしい。

 あとは現在、普通の人なら何て思うかに感情を意識しながら話す。

 今なら怒りかな。少し怒った口調で言うと、「君こそ、何してんの。先生が君のこと呼んでるよ。」すると、教室からゲラゲラと笑い声が広がった。

 不覚だなと思いつつも、だからといってあの起こし方はないと言う気持ちが入り混じりながら先生から呼び出しについっていった。

 ここは人気のない場所か。ここで何を話されるのだろう。

 もしもの為に手を直ぐに動かせるようにしよう。

 すると、「鏡影」そう呼ばれると体が一瞬で反応してしまい担任にナイフを首元に当てていた。


 「あっぶな、少しは僕の話も聞いて欲しいんだけど、、、」


 ちゃらけながらも驚いた顔でそう言う。

 少しやりすぎてしまったと思いながらも、先生の話を聞くのであった。

 「僕が学校内のギルドんマスターの内通者だ。定期的にこちらから寮に『カラー』を送る。そいつに報告をしてくれ。何かあったらそいつに伝える」


 「わかった」


 即答し終わったら、すぐに担任に背を向ける。


 「えー、もう少しお互いのことを話さないのかい?ラミウム嬢。」


 ぶーぶーとブーイングをするように子供っぽくする。

 大の大人がなぜこんなことをするのか私には理解が追いつかない。


 「私、不必要な会話は好まないの。」


 そう言いながら、私は担任の元から離れるのであった。

 今日は1,2限は入学式。3,4,5限は通常授業。6限目は属性検査だ。

 入学式にしては結構授業がある方だが、それでも根を上げないのが貴族。私は生まれも育ちも平民だからよくわからない感性だ。入学式のメインイベントは属性検査という人もいるほど、楽しみにしている生徒がそれなりにいるし、貴族からもいつも注目されている。

 教室に戻ると直ぐに隣の席にいるエリヌス様に声をかけられる。


 「さっきはシャムスが失礼をしたわね。」


 優しく微笑みながら声をかけられる。

 第一印象がのちの関係性を作る。ここは謙虚にいかないと。

 「いえ、もう大丈夫です」そう返事をする。

 そのあとすぐに初回の授業が始まるのであった。


 〜*…〜*…〜*…


 初回の授業が始まって数十分、今になって撤回しよう。

 さっき大丈夫と言ったが、嘘だもう限界がきている。

 もうこの授業だけでもう5回はデコピンされている。我慢の限界だ!!!


 「貴方、何でそんなにデコピンをするの」


 そういうと先生から「なんですかね。ラミウム嬢」と言われ、どっと教室に笑い声が広がる。

 くぅー、してやられた。

 教室に鐘が響き渡る。やっと休み時間だ。


 「さっきからずっとデコピンしてきてなんなの」


 口をぷくーと膨らませながら怒り気味に言うと「僕の名前は貴方じゃなくてシャムスだけど?」ムカつく。こんなに人に対して怒りを向けるなんて自分でも今の私が不思議でしょうがない。


 「じゃぁ、シャムス。何であんなことするの?」


 すると、ニヤッと笑いながら言う。


 「そんなに気になるのなら僕とテストの点数で競ってみる?そっちが勝ったら理由を教えるけど、どうする?やらなくても僕は良いんだけど。」


 そんなにってなによ!?


 「試験では私が一位だけどね!」


 「えっ、君が一位なのかい?」


 コイツ反応が失礼過ぎる!!

 まぁいいテストで勝ってこの男をギャフンと言わせてやる。待ってなさい!!

 不的な笑みを浮かべていると何やら笑い声が聞こえてくる。

 

 「ふふふ、本当に二人は仲がよろしくて」


 そうエリヌス様がさらに笑いながら言う。

 出会って一日目で本当に仲が良いとかあるのかな。

 不思議に思いながらも、すぐに否定しないとと思い言う。


 『そんなわけないです』『そんなわけないだろ』

 

 シンクロしてしまった…。何故こうなるのだろう。


 「まぁ、今はそう言うことにしといておきますわ。」


 扇子で口元を隠しても目が笑っていて、いつものような気品さよりも可愛らしさを感じる。

 それと同時に公爵令嬢と喋っている私に非難の目を向けられ、身の危険を感じている。

 6限目の授業になった。

 みんな明らかにテンションが上がっている。そんなに気になるものなのだろうか。属性検査なんて私にとっては悪い思い出でしかないのに。


 「はい皆んな〜、よく聞くんだぞ。」


 先生が興奮気味な生徒たちを落ち着けるように言った。


「この魔水晶に手をかざし、“スネーフリンガー”そう唱えるんだ。」


 先生がそう唱えた瞬間、水晶の上に水の球体が出来ていた。


 「始めはアイビー・ヘリックス。」


 「はい!」


 そこからは次々に色々な人の属性を見ていたけど、やはり基本属性が大半で、氷・雷が1人。光・闇が0人。王子は雷。ロベリア様は水。そして、次はシャムスだ。みんなも注目の的になっているあいつは凝視されている。仕方のないことだろう。だが、頭の良さや性格が関係することなど全くない。期待するだけ無駄だ。


 「スネーフリンガー」


 一瞬にして眩しい光が教室を照らした。


 「ふむ、光属性か。珍しいが先生がいない訳ではない。その先生に魔法を教われ」


 自慢をするような顔で私を見る。どうやらテストの点では勝てないが属性の方だと勝てると思ったのだろうか。哀れな。属性の希少度がどんなに高くても自己練習をしなければ無為だというのに。

 でも、残念だったね。シャムス。私も希少属性だから貴方が日の目を見ることはないのよ。


 「ルナで最後だ」


 このときに光属性と闇属性両方出るのが1番不味いこと。

 だから私は闇属性を意識しながら手を水晶の前にかざす。


 「スネーフリンガー」


 すると担任は目をカッと見開く。

 普通の担任なら2連続で希少属性が出たことにこれほど驚くのも無理ないが、こいつは違う。

 もともと私が闇属性というのを知っているにこの反応。

 この担任は演劇の道に進んだ方が良いのではないのか?そう思ってしまうほど演技が上手いと思ったのであった。


 そんな演技と同時にシャムスの「やっぱり、君なのかな」そうぶつぶつと呟いている声が聞こえるのであった。


 「またもや希少属性か。ルナも闇魔法の先生が一人いるからその人に教われ」


 エリヌス様が「まぁっ」と明るい表情をし、一瞬、暗い表情になる。

 「ふぅ」とため息混じりに話す。


 「貴方たち両方とも希少属性なのですね。羨ましい限りです」

 この令嬢は王太子の次期婚約者候補でそれなりに期待もされていたのだろう。


 「だけど、属性が水で殿下のそばにいても良いのか?」


 そう思っているのだろう。

 私はどんなふうに声をかけたらいいのだろう。

 こんなの誰にも教わってない。知らない。分からない。

 私が声をかけるのを躊躇っていると、すっとシャムスが前に出る。


 「大丈夫ですよ。エリヌス様。この人みたいにどんな宝を持っていても使いこなければ、意味がないんですから」


 凄い。すぐに声をかけて相手を励ます。私も見習わないと。

 だけど、、、、、、、

 おい、露骨に私のこと言ったな???

 いつかあっと驚かせてやる。


 ルナはまだ気づいていない。

 自分は喜びや悲しみの感情があまりないだけで、負けず嫌いだということが他の人よりも人一倍あるという事を。

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