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怠惰な僕の転生〜公爵家待望の子供って期待されても困ります〜  作者: はやな
第一章 怠惰な僕の転生

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第2話 ソフリーン公爵家の調理室

 それから数日して、両親が王都に向かう日が来た。


「それじゃーね、オース、いい子にしてるのよ」


「オースっ、オースっ!すぐ帰ってくるからな、寂しがるんじゃないぞ!」


「はいはい、行きますよジュリアス様」


 ルクリスが、父を豪華な馬車に詰めている。


「はぁ………、まったく、でもオースすぐに帰ってくるからね。そうだ!お土産を買ってきてあげるわね。楽しみにしててね」


 母が父に呆れながらも、僕に優しい顔を向けてくれてる。


「あーっ、あーっ」


 僕も、母に応えようと声を上げる。


「ふふっ、じゃあ行ってくるわね。セリオナ、しっかりとオースのお世話をお願いね」


「かしこまりました、ソシルナ様」


 そうして、母と父は王都に出発した。


「では、オース様、ここからは、しっかりと私、セリオナ・チェックがお世話を務めさせていただきます。……って、ゼロ歳の子に言ってもしょうがないか」


 まぁ、理解しているのだが。


「それにしても、オース様は可愛いですねぇ、こちょこちょこちょこちょ〜」


「きゃっきゃっきゃっ」


 ……うっ、普通にくすぐってー。


「――何をしているのですか」


 背後から、低い声が響いた。


「あっ、お父様!いえっ、執事長!すみません、ついっ!」


「若様が可愛らしいのは分かるが、外で長居をしてはいけない。風が冷える。若様の体調をしっかりと考えよ、お前は若様の専属メイドに選ばれたのであろう、しっかりとその責務を全うせよ」


「はっ、はい!もちろん全力で責務をまっとうする所存でございますっ!」


「分かったならさっさと中に入れ」


 おー、コエー、この人はとっても厳しそうだ、絶対怒らせたくないなー。


「はぁ……、クロスト父様の言っていることは正しいですけど、もうちょっと優しく言ってくれてもいいんですけどねぇ」


 まーねー、しょうがないよねー。ていうか、あなた達家族なんですか、まあ確かに髪の色は違うけれど、目の瞳の色や、顔のパーツなどが若干似ている気がする。


「さて、お昼寝の時間まで少し時間があるので、お屋敷の中を散歩しましょうか」


「あー」


 僕は、小さい腕を振り上げる。


「おっ、オース様、元気いっぱいですねぇ。……っていうか私の言ってることがわかってるみたい?」


 やっ、やべっ。


「まぁ、ただ私の言っていることに反応してくてるだけかなぁ」


 セ、セーフ、危ない、少し気をつけたほうがいいかもな。


「では、どこに行きましょうかぁ……。そうだっ!調理室にいるボクス料理長に会って、ミルクをもらっておきましょう!」


 おっ、料理長がいるのか、もう少ししたら離乳食を食べられるようになるから楽しみだな。

 この世界の食事はどのようなものなどだろうか、日本みたいな『和』みたいな食事が良いな。

 まぁ、肉料理も沢山食べたいが。

 

 ちなみにこの世界には『(ケモノ)』と呼ばれる者がいる。詳しくは知らないが、ルクリスが、「シルスの北側に獣が出たという報告が上がっています、ジュリアス様指示をお願いいたします」と僕の傍で言っていた。

 おそらく、一般的な動物とは違い、人を襲うんだろう。

 その対処方法が気になるが、武器でも使って倒すんだろうか。それともまだ見たことはないが、ここは前世とは違う異世界、魔法やスキルなどがあるのだろうか。あるとしたら、すっごく楽しみだ。


 ♢


「――はいっ、つきましたよ、ここが調理室です」


 おおー、めっちゃいい匂いだー、んっ?この匂いは……。

 松茸の香ばしい匂いだっっ。

 よかったーこの世界にもあるのか。なんてったて、この僕の一番好きな食べ物がが松茸なのだ。

 松茸と言ったらやっぱり、松茸ごはん、でも松茸のお吸い物もいいんだよなー。

 成長したら、毎日食べたいな。前世では高くて全然食べれなかったから。

 せっかく公爵家の子供になったし、いくら食べても怒られないよな。まぁその代わり、色々大変そうだけど。


「――あっ、ボクス料理長、お疲れ様です」


「おー、クロストの嬢ちゃん、なんかようか。って、もしかしてその子は!?」


「はいっ、オース様です」


「そうか、そうか、……よしっオースのために、うめー料理作ったるでー」


「ボクス料理長、まだオース様は、ゼロ歳です、なのでミルクを貰いに来ただけです。あと呼び捨てはだめですよ」


「俺は誰とでも平等に接するんだよ……。ミルクだったか、つくってやるから待っとけ」


 ボクス料理長は、顔は少しいかついが、気軽に話せそうでいい人そうだ。


「ほいっできたで、これからは、メイドに届かさせるからな」


「はい、わかりました」


「どうだ、少し料理しているところ見てくか?」


「そうですねぇ……。オース様どうしましょうか?」


「あーっ、あーっ」

 

 見てみたいなー、公爵家の料理長ってぐらいだから、さぞかし見応えがあるだろうなー


「おっ、この反応は見てみたいってことか、よしっ危ないから少し離れたところで見ておけよ」


 やったぜ、どんなふうに料理するのかな?



 ………………ん?



 今どこから火を出した?指から出たように見えたんだが気のせいか?


 いや、どう見ても指の先から火を出してるよな、まじかよ本当に魔法があるのかよ。


「さてと火の火力はこのぐらいで大丈夫だな、さてなんの食材を育てようか」


 食材を育てる?何言ってるんだ?



 ………………ん?



 何なんだ?なにもない植木鉢に手をかざしたら、いきなり土から芽が出てきて、一瞬のうちにそれが成長したぞ。


「今日はキャベツを使った、炒め物にしようかな」


 キャベツ?


「いいなー、ボクス料理長『スキル』があって」


 魔法に続いてスキルもあるんのかよ。


「まぁな、でもこのスキル『グロー』は、一日に数回しかできないし、そこそこの大きさにしか成長させられないからな」


「あるだけでいいじゃないですか、百人に一人っていう確率でしたっけ」


 まじかよ、全員にあるわけじゃないんですか、たのむあってくれー。


「オース様はどんなスキルになるんでしょうかねぇ」


 えっ、ある前提なの?


「いやいや嬢ちゃん、スキルなしって場合も全然あり得るぜ、両親がスキル持ちってことで、多少確率は上がるだろうけどな」


 おっ、てことは、父と母もどっちもスキル持ちなのか、これは期待できるな。


「私は、あると願っています、でないと魔法があるとはいえ、学園の最上位クラスへの編入ともなれば、筆記試験はともかく、実技試験のとき大変になるでしょうし」


 学園?編入試験?


 ……いや試験あるの!?この前、前世で高校受験したばっかなんですけど、まじかよ………。いやまじかよ。


「まぁ、公爵家の息子だもんな、最上位クラスに入れないと舐められちまうもんか、かーっ、試験頑張れよ、オース」


 うわっ、一気にいやになったわ。


「――んっ?なんか臭うなぁ」

 

 あっ………。


「オース様、直ぐに交換いたします。では、ボクス料理長ありがとうございました」


「おう、嬢ちゃんとオース、いつでも遊びに来いよっ」


 うー、赤ちゃんってのも大変だ。


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