第17話 ○○じじい
「………」
現在おそらく日が落ち始めて三時間ぐらい立った。
「………」
もう嫌だ、もう嫌だ。
逃げたい、逃げたい。
「………」
僕は、今まで怠惰に生きていた。
勉強も、授業を聞いてるだけで平均点ぐらいは取れていた。
だから、家で勉強は宿題ぐらいだった。
まぁ、宿題もやらなかったことが多かったけど。
だからこそっ。
今の状況が、めちゃんこつらすぎる。
「………」
午前中は、クロストと、体を鍛えて、剣を使ったり、魔法を使ったりした。
ちょっと辛かったけど、楽しかった。
昼食を取って午後になり、爺さんに連れられある部屋に来た。
その部屋は、机とその上にポツンと勉強道具が一式あった。
そう、それだけだったのだ。
しかも、窓も小さかった。
僕は、思ったね。
監獄ですか?
と。
そこから夕食になるまで爺さんの授業が始まった。
内容は、分かるのが多かった、特に国語と数学。
ほとんど前世と同じ内容だった。
それも小学生高学年ぐらいの内容だった。
そして、わからないのもあった。
それは、世界地理と世界史、そして魔法学。
かと言って、全く理解できない訳ではなかった。
あんまりタメにならなそうだなと思い、トイレでサボろうと思ったら。
このクソじじい、トイレの前まで付いてきてやがる。
おっと、口が悪くなってしまった。
で、今。
夕食を食べ終わり、僕の部屋に行こうとしたら。
爺さんに、無理やり勉強部屋へ連れて行かれ、自主学習というものが始まった。
「………」
あぁ、もう嫌だ。
「ほら、ぼーっとするでない」
孫に対して厳しい爺さんだ。
父とは大違いだ。
「す、すみません。……ところで何時まで勉強すればいいんですか?」
「そうだなぁ、儂が眠くなるまでかな」
まじかよ。
まぁ、爺さんだし夜早く寝て、朝はやく起きるって言うし。
「――そうだった、一週間後テストを行うぞい」
「テストですか?」
「そうだ、教科は、国語、数学、世界地理、世界史、魔法学の五教科だ。この五教科は、学園の編入試験の筆記試験の内容だ」
「そうなんですね。なぜ今テストを?」
「テストの点数を見て今後の予定を決めるためじゃ」
「なるほど」
「一教科百点満点で、五教科で五百点だな。三百点未満だったら、毎日午後から勉強をして、儂が眠くなるまでみっちり勉強。四百点未満だったら、勉強時間は変わらないが一週間に二日休みをくれてやる、そして四百点以上だったら授業は午後だけで、休みも多めにする」
絶対四百点位以上取ってやる。
それ以下だったら、まじで死ぬ。
「わかりました。ぜひやらせてください」
国語と数学は大丈夫だ。
あと、世界地理と世界史と、魔法学の勉強を頑張れば――。
――勉強?べんきょう?
――頑張る?がんばる?
無理だな。
まぁ、テストぐらい授業聞いてればなんとかなるだろ。
……いや、頑張る、頑張らないの話じゃなくて今の時間、自主学習の時間。
どうせサボれないし、勉強すればいいのではないだろうか。
正直めんどくさいが、どうせ適当に教科書眺めてるだけなんだ。
なら、勉強したほうがお得だな。
そこから、約三時間ぐらい経っただろうか。
「そろそろ、眠くなってきたな。今日はもう終わりじゃ、儂はもう寝る。お前も早く寝ろ、明日もこの生活が続くんじゃから」
そう言い残し、爺さんは勉強部屋から出ていった。
「――うあぁぁぁ。おわったぁぁぁ。」
あー、もうダーメだー。
生まれて初めてかもしれない、こんなに勉強したの。
あぁ、エグすぎる。
脳が、脳が、脳が。
ていうか、これがあと一週間続くのか?
無理だ。
こんなことしてたら、寿命が縮む。
みんな、いつもこんなことしてたの?
尊敬?いや、気持ち悪い。
あー、もう意識がとぶ――。
♢
「オース様、オース様!」
んっ、セリオナ?
「あっ、やばい、今何時――」
「――若様、いつまで寝ておられるのですか」
あっ、クロスト……。
終わった。
「す、すみません。昨日あまりにも疲れていたもので」
「言い訳は無用です。今日は、午前中ずっと屋敷の外を走ってもらいます」
「えっ!ど、どうか御慈悲を!」
「さっさと、朝食を食べて、外に来なさい!」
「ひゃい!」
こ、怖すぎる。
おい、これが六歳にする仕打ちかよ。
普通の子だったら泣き喚いてたぞ。
あっ、僕が泣き喚かないからこういう仕打ちなのか。
なるほど、なるほど。
「オース様、はやく、食堂へ。急がないともっと、怒られてしまいます」
セリオナが、青ざめた様子で言っている。
そうだった、クロストはセリオナのお父さんだったけな。
きっと、子供の頃にめっちゃ怒られたんだろうな。
「うん、すぐ行くよ」
「オース様?だ、大丈夫ですか?」
「ん?僕はめっちゃ元気だよ」
「そ、そうですか。では食堂へ」
さ、今日も一日頑張るぞっ!
「ははっ、ははは、はははは」
壊れた?




