第9話 六歳の誕生日 プレゼント
「料理の準備が整いました」
夜の誕生日ディナーが始まった。
「今日のメニューは、オース様の好物、松茸をたくさん使っております。どうぞお召し上がりください」
分かってるじゃないか、ボクスよ。
「ありがとうございますボクス料理長!」
「さぁさっそくいただこう」
「はい!」
僕は、まず初めに、松茸のお吸い物を頂いた。
松茸の香りが立ち昇り、鼻の奥に心地よくこびりついてくる。
新鮮なサラダを挟み、次は、シルスの魚料理。
領地の西にある海からとれた新鮮な魚だ。
そして松茸ご飯。
言わずもがな、うまい。
うますぎる。
前世だったら考えられなかったことだ。
気づいたら、あっという間に、すべて食べきってしまった。
「では、オースが楽しみにしてる、プレゼントの時間だ」
別に楽しみにはしてない。一歳から五歳までの誕生日プレゼントは、父が、高価であろう、変なおもちゃ、母は父と違い、高価そうな綺麗な服をくれた。まぁ、成長してしまって、ほぼ着れなくなってしまったが。
「オース改めて誕生日おめでとう!」
「オースちゃんお誕生日おめでとう」
父と母から、それぞれ丁寧に包装された箱を手渡された。
「ありがとうございます!!」
「さぁ、開けてみろ!」
まず、父からもらった箱を開けてみる。
今回はどんな、変なおもちゃかな?
「では、まずお父様から………。おぉ!………?」
開けてみると、変なおもちゃではなく、ただの木の棒だった。
――木の棒?
「お、お父様?」
「ふははっ、安心しろ。それはただの木の棒ではない、『変化の杖』だ」
「変化の杖?」
「それはな、この前王都に行ったときに、『クリエイト』という店で注文したものだ。『クリエイト』の店主、イマインは、店名と同じ『クリエイト』というスキルを持っていてな、客の要望を聞いてゼロから形にしたりして、王都では有名な店だ」
「そうなんですね!」
さすがに、ただの木の棒ではなかったか。
「で、どのように変化するのですか?」
「あ、あぁ。実はまだオースにはできない」
「えっ?」
「一週間後になら……」
「あぁ、魔法が関係してるんですね」
「そうなのだ、その杖に魔力を込めると、その人にあった形に変化する」
ゼロ歳の時に貰った、ペンダントとは違い、自分の魔法を使えるようになってからではないと無理なようだ。
「それは、さらに楽しみになりました!」
「そうかよかった」
父にしては良いプレゼントだったな。
「次は、お母様のを開けてもよろしいですか?」
「えぇ、開けてみて」
……お?お守り?
「それは、お父様と一緒で『クリエイト』の店で買ったものよ」
「そうなんですね。それならば、どんな能力が?」
「ごめんねぇ、それは分からないの」
「えっ??」
「でも、私がお守りに、たくさん祈っておいたから」
「そうなんですね」
「でも、結構高かったから、何かしらは、あると思うわ」
どんだけしたんだよ。
「ありがとうございますお母様。お母様の期待に添えるよう頑張ります」
まぁ、お守りっていうぐらいだから、持ち歩くことに越したことはないな。
「さて、そろそろ、お開きにするか」
「はい、お父様、お母様、そして使用人の皆さんも、祝ってくださりありがとうございました。これから皆さんの期待に答えれるように頑張りたいと思います」
こうして、僕の六歳の誕生日が終わり、一週間後の禁忌の森の遠征の時が近づいていった。




