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遠足で皆と一緒に鍋を食べると言ったら唖然とされました

「で、あんたのとんでもない案って何なの?」

「絶対に碌でもない案に金貨10枚」

「判った、皆で仮装して山に登るんだ」

メラニーやアルマンと違ってガスペルが良いことを言ってくれた。


「それ良いわね」

「ちょっとガスペル、これ以上変にさせないでよ。それでなくてもフランは頭のネジが少しおかしいんだから」

「メラニー様。流石にその言い方は不敬に当たるのでは」

イネが私のために言ってくれた。


「あなた何言っているのよ。フランの好きにさせたら、あなた、下手たしたら素っ裸で山に登らされることになるわよ」

「ええええ! 流石にそれはいやです」

イネスが悲鳴を上げるんだけど。


「それ良いですね。俺は喜びます。さすがフランさん」

ドミンゴが喜んで言うんだけど、こいつはこいつの親父と一緒で考え方がセクハラだ。


「何言っているのよ。ドミンゴ。いやらしいのね。あんたそんなだから彼女が出来ないのよ」

「何だと、蓮葉娘に言われたくないわ」

「何ですって」

二人は言い合いを始めるが


「ドミンゴも何を他人事宜しく言っているのよ。あんたが一番先に素っ裸で登らされるわよ。フランが一番嫌いな子供の喧嘩に親を巻き込んだんだから」

メラニーの一言でドミンゴは青くなった。


「フラン様申し訳ありません。反省しますから、それだけは何卒ご勘弁を」

もう必死だ。


「何言っているのよ。私も男の裸なんて見たくないわよ」

私がムッとして言うと


「そら見ろ。フラン様に酷いことを言ったイネスが裸で登るんだ」

「ええええ! そんな」

もう、イネスは真っ青だ。


「ちょっと、二人共、裸で登らすなんて私は一言も言っていないでしょ。メラニーが言っているだけよ」

私がムッとして言うと


「そうですよね」

「フラン様はそんな酷い事をさせませんよね」

イネとドミンゴが言うんだけど。


「あんたらがいつまでも私のことを様付けで呼んでいたら考えるかもしれないけれど」

私がムッとして二人に言うと


「すいません、フランさん」

「そんな、公爵令嬢を呼び捨てにしているなんて、親にバレたら親から殺されます」

すぐに言い直したドミンゴはともかく、イネを直させるのは大変みたいだった。


「何言っているのよ。二人共。フランの良い案なんか聞いたら、裸で登ったほうがマシだって思うに違いないから」

メラニーが断言して、アルマンとオーレリアンが大きく頷くんだけど。


「何言っているのよ。私の案は素晴らしいのよ」

私は再度胸を張って言った。


「絶対に酷い案だと思うけどな」

「まあ、良いわ。言うのは自由よ。その案を聞いてあげるから言ってごらん」

アルマンとメラニーは酷い。


「ふんっ、聞いて感動するのはあなたたちよ」

私は二人を睨みつけると、


「皆の親交を深めるには皆で山頂で一緒に何かを食べたら良いのよ・・・・ということで山頂で鍋を食べます」

私は皆に言い切ったのだ。どや顔で。


でも、皆の顔が何故か変だ。なんか困ったような顔をしている。


なんでそんな顔をする?


私は次のドミンゴの一言でその理由が判った。


「あのう、フラン様。鍋なんて鉄で出来ていて、フラン様みたいな鋼鉄の歯でないと固くて食べられませんよ」

「誰が鍋そのものを食べるって言ったのよ」

ドミンゴの頭を思いっきりしばいた私は悪くないと思う。


頭を抱えてドミンゴがしゃがみ込んでしまった。


「酷い、フラン。あんたの説明が悪いのに」

メラニーが非難してきた。


「ええええ! だって鍋食べるって言ったら」

「普通鍋そのものを食べるんじゃないかと思うよな」

私の言葉を引き継いでアルマンが言ってくれるんだけど。

そんな訳ないでしょ!


「鍋料理に決まっているでしょ」

「鍋料理ってなんですか?」

イネが不思議そうに聞いてきたので、

野菜や肉などを煮込む料理だと言えばやっと納得してくれた。


「判って良かったです。あの金属の塊を食べさせられることになったら、メラニーさんが言うように本当に裸で登ったほうがましだと思いました」

「でしょう。フランはとんでもないことを考える天才なのよ」

イネの言葉にメラニーがどや顔で言ってくれるんだけど。


「何言っているのよ。私の国には親しくなるにはまず鍋料理からって、知らない者同士が集まった時は鍋料理をみんなでつつくって風習があるのよ」

「えっ、フラン、そんな風習、あったか?」

アルマンの言葉に、そうか、前世の日本だった。


「越谷限定よ」

メラニーに聞いたら、そう返されたんだけど、絶対に春日部でもあったはずだ。


「おっさん限定じゃない?」

うら若い私に向かってメラニーは言ってくれるんだけど。絶対にそんなことはないはずだ。


「でも、フラン、どうやって鍋を持って頂上まで上がるんだよ」

アルマンが聞いてきた。


「鍋は私が持って上がるわよ。野営用に40人くらいが食べられるでかい鍋を持ってきたのよね」

「でも、山の上だから水はないと思うぞ」

「そんなの下から持って上がればいいじゃない」

「食材は?」

「それも下から持って上がれば良いでしょ」

「誰が?」

「そんなの男子で手分けして持って上がるに決まっているじゃない」

私の声にアルマンらが頭を抱えたんだけど。


「あのう、フラン様。俺もですか?」

ドミンゴが恐る恐る聞いてきたんだけど、

「そんなの当然でしょ」

「ええええ! そんな・・・・」

絶望した顔をするのは止めてよ。


「まあ、体力なさそうな人は少なめにしてあげるから。取り敢えず皆で協力してやるのが大切なのよ」


「そんなにうまくいくかな」

疑い深そうにメラニーが言うんだけど。


絶対にうまくいくはずだから! 



おそらく・・・・


やっぱり、フランの意見は大変なことでした。騎士希望のアルマンらはともかく、普通は山に登るだけでも大変なのに、荷物背負ってなんて他の子らに出来るのか?

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