表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/319

婚約者の王太子に留学を反対されました

「フラン、ルートン王国に交換留学に行くんだって」

食事をしようとしていたところにアルマンが聞いてきた。


「そう、交換留学って響きが良いじゃない」

「そうかな? でも、あのルートン王国だろ」

私の言葉をアルマンが嫌そうに言う。


「ルートン王国になにかあるの?」

「だってあの国は歴史が長いことだけが自慢だからな。我がエルグラン王国の事も新参者って馬鹿にしているから。行っても碌なことがないんじゃないか?」

私の問いにアルマンが答えてくれた。


「良いじゃない。そう言う国の奴らに、エルグラン王国はすごい国だって思わせれば良いんだから」

「ちょっとフラン、何しに行くつもりなのよ。喧嘩でもしに行くつもりなの?」

「喧嘩なんかしないわよ。言葉で伝えれば判ってくれると思うの」

「アイツラが言葉で言っても判るか」

「判らなければ判らしてやれば良いのよ」

私の言葉に皆白い目で見てくる。

「フラン、それを喧嘩を売りに行くっていうのよ」

メラニーが皆を代表して言ってくれた。


「だから喧嘩はしないって。そう、判ってもらうだけだから・・・・」

「あんたがやると絶対に喧嘩と言うか制圧になってしまうんじゃない?」

「ううん、私は異国の地に友達を作るのが夢だったのよね」

「下僕を作るの間違いじゃないのか?」

「いや、奴隷だろう」

「舎弟だって」

何かみんなめちゃくちゃ言ってくれるんだけど。

「私は暴力は使わないって言っているのに。そらあ、やられたらやり返すけど」

「やっぱり、やり返すんじゃない」

私の言葉にメラニーが反応するんだけど。


「お母様よりマシよ。お母様なんてやられたら10倍返しにしなさいって煩いんだから。私はやっても倍返しよ」

そう言ったら皆シーーーーンと黙ってしまったんだけど、なんで?

それも白い目で見てくるし・・・・。




「どういう事だ? フラン」

そんなところにアドが血相変えてやってきた。なんか機嫌が悪いんだけど。


「何の話?」

私がわけわからずに聞くと


「ルートン王国へ留学する話だ」

アドが怒って言ってきた。


「えっ、何か問題あるの?」

「あるに決まっているだろう。何故で俺に知らせない?」

むっとしてアドが言ってきた。


「だって言ったらあんた反対するでしょ」

私は誰がこの件についてアドにバラしたかとクラスを見渡した。

アドの側近のオーレリアンが慌てて視線を外してくれた。やっぱりこいつか。私がにらみつけると。


「俺がいるのに、他の男を見るな」

ってアドが怒っているんだけど。


「アド、私、今、食事中なんだけど」

少しむっとして私が言うと


「酷いじゃないか。フラン。そんなに俺と一緒にいるのが嫌なのか」

何故そうなる?


「いや、今、食べる時間だから」

「そういう事じゃない。留学する件だ。」

「高々三ヶ月じゃない」

私が言うと

「三ヶ月もだ」

むっとしてアドに言われた。


「そんなに俺と一緒にいるのが嫌なのか」

「いや、そういうわけじゃないけど、私一度でいいから留学したかったのよね。留学って響きが良いじゃない。それも交換留学生っていかにも良いところのお嬢様って感じじゃない」

私は自分の話に酔って、うっとりして言った。


「いやいや、全てツッコミどころ満載なんだけど、そもそもフランは公爵令嬢なんだから今でも十分にいいところのお嬢様だろうが」

「それはそうだけど」

まあ貧乏公爵家で食事は平民よりも貧しいけれど、一応公爵家だ。


「それに留学したかった? フランが留学したがっていたなんてそんなの聞いたことがないんだけど」

「昔は思っていたのよ。それを思い出して」

そう、私は前世の憧れを想い出したのだ。


「はああああ? 5歳の時から一緒だけど、そんなのお前が言っていたことなんて聞いたことがないぞ」

「えっ、いや、もっと前」

「おいおい、もっと前って赤ちゃんじゃないか」

アドはそう言うけれど、そうじゃなくて、前世の話なんだけど、でもそれを言っても信じてもらえないし。


「まあ、いいじゃない。昔から一度でいいから留学してみたいと思っていたのよ」

私は言い切った。


「俺は行ってほしくない」

私の願いはアドに一蹴されたが、


「いいじゃない。三ヶ月くらい」

「俺はいやだ。ルートンなんて遠すぎて行くだけで一週間もかかるじゃないか」

「だから三ヶ月待ってくれたらいいじゃない」

「嫌だ」

「高々三ヶ月でしょ」

「三ヶ月もだ。三ヶ月もフランに会えなくなると思うと気が狂いそうだ」

「えっ、こんなところで何を言い出すのよ」

私は慌てた。

皆の視線がなま温かいんだけど。


「そんなに嫌なら、アドもくればいいじゃない」

「二年生は行けないんだ」

「じゃあ、仕方がないわね」

「行くのを諦めてくれるか」

「な訳ないでしょ」

「嫌だ。フランと離れたくない」

そういっていきなり後ろからアドが抱きついてきたんだけど。


「キャーーーー」

「お二人さんアツアツ」

女性陣が叫ぶし、男性陣の視線が怖い。


「アド、こんなところでやめてよ」

私が悲鳴をあげた時だ。


キンコンカーンコーン


予鈴が無情にもなりだしたのだ。

私はほとんどお昼を食べられずにフェリシー先生の礼儀作法の授業を受ける羽目になってしまったのだ・・・・。お腹が鳴る度に、フェリシー先生にはお小言をもらうし、お腹が空いてひもじいし、もう最悪だった。



フラン流全開のフラン。ルートンの王立学園は無事に済むのか?


本日もう一話更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
[良い点] 明るく楽しいお話は、くらい話しの多い自分 に、本当に読んでて楽しい。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ