交換留学したくなりました
あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
今日はセンター受験生の方は頑張って下さい!
第三部開始します。
今日は三話更新予定です。
「交換留学って何?」
私の目の前には張り紙があって交換留学生募集中とあったのだ。
二学期の半ばで、休み時間にたまたま通った掲示板で、その張り紙が私の目についたのだ。
「文字通り、交換留学よ。前世でもあったでしょ」
たまたま私とメラニーの二人しかいないので、メラニーは前世の話を出してきた。そう、メラニーとは転生仲間なのだ。
そう言えば、交換留学って聞いたことがあった。成績優秀者がアメリカとかヨーロッパの高校のこれまた優秀な生徒と交代して交換で留学するのだ。
交換留学、何て響きが良いのだろう!
でも、前世では病気がちだった私には絶対に無理なことだったのだ。前世では……。
しかし、今世は私は健康体で、基本的に行こうと思えばいけるのだ。
それに交換留学だったら、基本はただだ。我が貧乏な公爵家でも問題ないはずだ。
「メラニー、私、これに行ってみたい!」
私は俄然行く気になったのだった。
「えっ、行きたかったら、勝手に行けば良いんじゃない」
メラニーは冷たい。
「そんな、私に1人で行けっていうの?」
「普通は交換留学って1人でいくものでしょ」
「そんな! こんなか弱い乙女を一人で行かす気?」
「ちょっと、フラン。どう転んでも、我が国の近衛を1人で壊滅したあなたがか弱いとは言えないでしょ!」
「何言っているのよ。やったのは帝国の枢機卿よ。私はミラーで単に反射していただけなんだから」
私は必死に言い訳した。
「何言っているのよ。そんな屁理屈通るわけ無いでしょ。ミラーで枢機卿の攻撃を跳ね返せるだけで十分怪物よ」
「酷い! 誰が怪物よ! 誰が!」
メラニーの言葉に私はすねたのに、
「あんた以外に誰も居ないでしょ。そもそも、あなたがか弱いなんて誰が頷いてくれるのよ。クラスの皆に聞いても誰一人納得しないわよ」
メラニーは酷いことを言ってくれるんだけど。
確かに頷いてくれそうな子は、オリーブくらいしか……いやだめだ。この前脳筋って言われた。
うーん、私はこの国の超エリート、貴族の中の貴族である公爵令嬢のはずなのに! このメラニー含めて皆の扱いが雑なんだけど。
そう言ったら、あんたが貴族扱いしなくて良いって言ったんじゃない。とメラニーに言い返されてしまった。まあ、それはそうなんだけど、少しくらい考えて相手してくれてもいいじゃない。
でも、そう言おうとしてメラニーの白い視線の前に、その勇気を失ってしまった。
やっぱり私はシャイでお淑やかでか弱いのだ! そう、一人で自画自賛していた。だって誰も認めてくれないし・・・・
「でも、今回はルートン王国の王立学園よ。10名も募集があるじゃない」
私は話題を変えた。
確かルートン王国は小麦と酪農と砂漠の国だ。
それと1000年も国が続いている由緒正しい国だ。
更に魔道具で有名らしい。我が国に無い魔道具も結構ありそうだ。
そんな国への留学はいつも大人気のはずだ。
早くしないと、私が焦りだすと、
「そうでもないわよ」
「そうなの? でも、文化水準も高そうだし、留学先としての人気は高いんじゃないの?」
「それはそうだけど。ルートンと我が国はいつも張り合っているから、そんなところに行きたい者も少ないのよね」
「そうなんだ」
私はよく知らなかったが、後で調べるとルートンは歴史のある国で、我が国のことを新参者と馬鹿にし、我が国はルートンのことを歴史だけある古臭い柵だらけの国と馬鹿にしているのだった。
そんな事も知らないのに行くの? と後で弟のジェドに散々バカにされたんだけど。
前世は病弱で何も出来なかったけど、今世は青春を満喫するのだ。友達は取り敢えず、クラスにいっぱい出来たけれど、今度は若者の憧れの留学を体験したい。何しろ人生は一度、青春は一度しか無いのだ。でも、1人で行くのは不安なので、ここは世間をよく知っているメラニーを是非とも連れていきたい。
「まあ、父はルートンの魔道具を仕入れたいとか言っていたような気がするから行くとなれば喜ぶと思うけど」
「よし、それだ。じゃあ、メラニーも来てくれるということで」
「えっ、でも、これって資格検査があるんじゃ」
「成績はあなたはトップだし私も10位だから問題ないでしょ」
私はもう行く気満々だった。
私は早速申請書を取り寄せて書き出したのだった。