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教皇視点2 たかだか辺境国の公爵令嬢に殴り飛ばされてしまいました

誤字脱字報告、感想、いいね、いつもありがとうございます。

ブックマーク、評価、感謝の言葉もございません。

いつも本当に応援頂いてありがとうございます。

嘆きの洞窟は帝国とホルム王国の境にある山の中にあった。


ズンダーラ教、発祥の地だ。


教祖ズンダーラが捨てられていたのが、この洞窟の前だ。


我がズンダーラ教では、神から生まれたズンダーラがこの洞窟の前に現れたということになっている。


当時この辺りは緑豊かで、この洞窟にも人が住んでいたらしい。


その養母マリアが育ててくれたそうだ。神から生まれたなど本当に胡散臭い。単なる捨て子だったのだろう。ズンダーラは小さい時は天使の輪が光り輝いていたらしい。なんかツッコミどころ満載だ。

おそらく、顕示欲の高いズンダーラが後から作り出した真実だ。嘘も積み重ねると真実になるらしい。それと時間が経つと真実になるのだ。


しかし、帝国の皇帝の反感を買って、最初はどの宗派にもあるように、迫害されたらしい。


その迫害の歴史がこの洞窟の歴史でもある。多くの殉教者が出て、この洞窟も帝国の兵士たちによって焼き払われた。その時の死者数は数千人と言われている。


そして、生き残った者が再びこの地にズンダーラ教を設立し細々と布教に励んだのだ。

その時の殺された者の怨念がこの洞窟には満ちていた。その怨念を闇魔術として取り込んで、ズンダーラに害を与えようとする者の魔術は発動しないようになっているのだ。


そう、そして、今まさに、あの生意気な小娘を召喚しようとしているのだ。あの小娘がいかに魔力量が多いとはいえ、この嘆きの洞窟の中では魔術が使えないはずだ。


あの生意気な小娘をここに呼び込み、ムチ打ち、拷問にかけて、魔女裁判をして、最後はなぶり殺しにしてやるのだ。


俺たちは3日前から用意周到に準備していたのだ。


学園に潜入させている協力者にも生徒らが探検する洞窟内に様々な準備をさせた。


洞窟の奥の闇の穴とこの嘆きの洞窟はすぐに結べたのだが、その奥までは生徒のルートになっていないようだ。


俺たちはその手前に転移ゲートを作ることにしたのだ。


発動するためにこちらでは5名の闇魔術師が待機していた。


洞窟からの画像が目の前に投影される。


帝国の皇女が手筈通りに小娘の前で、第一王子に抱きついたのだ。


一応、小娘は怒った勢いで第一王子を殴り倒していた。うーん、本当に風紀が乱れている。公爵の一令嬢が第一王子を殴り倒すなど、帝国では考えられなかった。

この辺境の地エルグランデはこれが常識なのだろうか?


まあ、この母親の公爵夫人がこの帝国の皇帝の頭を燃やす時代だ。なんとも物騒な時代になっているのかもしれないが・・・・。


怒った小娘がそのまま引き返して、罠の前で止まってしまった。


何故だ? その勢いのまま突っ込んで来ると思っていたのだが・・・・



バリン


「ギャーーーー」


小娘はあろうことか罠を剣でぶった切ってくれのだ。

転移の準備をしていた闇魔術師が吹き飛んでいた。ひょっとしなくても、二度と使い物にならないのではないだろうか。


あの小娘め! 闇の魔術師は育てるのに時間がかかるのだ。


やむをえまい。次は奥の闇の穴に案内するのだ。


喧々諤々と小娘達はやっていたが、何とか、闇の穴の前まで連れて行くことに成功した。


でも、小娘は全然入ろうとしない。


やむを得ず、帝国の皇子が押そうとして、避けられて自分から落ちていった。


「馬鹿が、なにやっているんだ!」

俺は頭を抱えてしまった。



「ギャっ」

しかし、次の瞬間、あろうことか皇子が俺の頭の上に落ちてきたのだ。


俺は帝国皇子に押しつぶされたのだ。

このバカは小娘を連れてくることも出来ずに何をやっているのだ。


「どけっ、ボケナス」

俺が叫んで何とかどかせたときだ。


ドシンっ


という音とともに今度は小娘が落ちてきた。俺の真上に・・・・・




なんとか5人がかりで小娘を退かせた。


下手したら肋骨が折れたかもしれない。


しかし、小娘は夢を見ているみたいで、微笑んでいるのだ。何だこれは?


俺には信じられなかった。その図太さが。


小娘を洞窟に吊るさせた。魔女裁判の時と同じだ。これから生意気な小娘が泣き叫んで許しを乞うかと思うと俺は嬉しくなった。


さんざん許しを乞うた後でじっくりとなぶり殺しにしてやるのだ。


しかし、小娘を鞭打とうとした時に何故か帝国の皇子がその前に出て庇ったのだ。

こいつは裏切るつもりか?

邪魔なので、何回か鞭打って蹴り倒してやった。


これでやっと生意気な小娘に対処できると俺が思ったときだ。


俺が鞭打ったが、ムチが弾かれるのだ。なんと小娘は障壁を張ってくれたのだ。


そんなバカな。魔術は使えないはずだ。


何故こいつは障壁を張れるのだ?


驚愕した俺達の前で

バキッ、バキッと力任せに小娘は鎖を引きちぎったのだ。


えっ、そんな馬鹿な・・・・


俺は唖然とした。


そんなバカな。俺はズンダーラ教の教皇だぞ。たかだか辺境の国の公爵令嬢なんかとは比べ物にならないくらい尊いのだ。


頭が高い、頭を下げるのだ!


しかし、俺の思いは全く通じなかった。


俺は小娘に力任せに殴られて洞窟の中から殴り飛ばされていたのだった。



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