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王妃様に怒られるのかと戦々恐々としましたが、何故か褒められてしまいました

いつも誤字脱字報告、感想、いいね等ありがとうございます。

また、ブックマーク、評価等本当に感謝の言葉しかございません。

今後とも宜しくお願いします!

教皇達が何か言ってきたら、もっと言い返してやろうと思ったのだけれど、教皇御一行様はまさかこのようなことを言われるとは思ってもいなかったみたいで、沈黙してしまった。


もっと言い返してきたらこのまま燃やしても良いんだけど・・・・

そう、悪い奴らはやっつけないと。

私はやる気満々だったのに・・・・


「まあ、フランソワーズ嬢の言いたいこともよく分かるが、猊下も全て掴んでいたわけではあるまいて。このあたりで許してやったらどうだろう」

陛下がとりなしてきた。


陛下から言われると私としてもそれ以上言うわけにもいかず、仕方なしに、座ることにした。


そして、気付いたのだ。


ああああ! やってしまった。

陛下御夫妻の前で、特に王妃様の前でやってしまった。


帝国からのお客様を完膚までに叩き潰してしまったのだ。それも大口を叩いて!


うーん、これはやばい。


また、王妃様に注意される。フェリシー先生と一緒で王妃様のお小言も長いのだ。

私はアドに合図するとさっさと消えようと思ったのだ。


「申し訳ございません。陛下。私共は次の予定がございまして、これにて失礼させて頂きます」

帝国の枢機卿が先に言い出したのだ。


ええええ! 待って! 消えるのは私だって、ちょっと私より先に出ていかないで!


しかし、私の祈りはあっさりと無視されたのだ。


「ルブラン公爵令嬢。先程言われた正式な謝罪は後日させていただこう。それでお許しいただきたい」

おおおお、教皇から言葉をもらって私は喜んでいた。

これで謝るのを確約してもらった。私は勝手に喜んでいたのだ。そんなのあるわけないのに。帝国教に真心などあるわけなかったのだ。何しろ彼らは帝国の征服の尖兵なのだから。

そういう教皇の目の光は怒りに燃えていたのだから。


でも、鈍感な私はそれに気付きもしなかったのだ。


というよりも、その時はどうやって先に逃げるか考えていたのだ。


「では私達もそろそろお暇を」

私が機先を制してそう言ったのだが。


「まあ、フランソワーズ嬢、そう言わずにもう少しいてもよかろう」

逃げようとした私は陛下に遮られた。


えっ、いや、そんな。

「父上、私達も授業が」

アドも横から言ってくれた。

「今から帰っても間に合わなかろう」

しかし、あっさりと陛下に否定されてしまったのだ。そうだ。たしかにそうなのだが、それでは都合か悪い。ここはフェリシー先生に呼ばれていることにして、いや、駄目だ。フェリシー先生は王宮にも籍がある。簡単にバレそうだ。なにか新たな手を・・・・。でも考えてもすぐに浮かばなかった。


「そうよ。フランソワーズ。きちんとお見送りしないと」

そういう王妃様の目が笑っていない。

ちょっと私、絶対に逃げないと、そう思ったのだが、蛇に睨みつけられたカエルのように動けなかった。


お別れの挨拶する時の帝国の皇女の視線の怖いこと怖いこと。でも、そんな視線では私はびくともしないんだけど・・・・。

自国の枢機卿の視線も怖かったし、帝国の枢機卿の視線も気怖かった。

でも、教皇の、にこにこしている視線がなぜかとても恐ろしいものに見えたのは私だけだろうか?

まあ、それだけのこと言ってやったから顔で笑って心で怒っているのはよく判るんだけど・・・・でも、この変な笑みは不気味だ。


でも私はそれどころではなかった。


どうにかして王妃様の前から逃げないと。



「では私めもここで」

「まあ、フランソワーズ、そんなに急がなくても良いのではなくて」

ラクロワ公爵も出ていこうとしたので、一緒についていこうとして、あっさりと捕まってしまった。


げっ、もう、絶体絶命のピンチだ。


仕方なしに、私は陛下達と、そのまま残されたのだ。


空きっ腹に王妃様の叱責か・・・・最悪だ・・・・・


私は覚悟を決めた。


「フランソワーズ、何なのですか、あの高笑いは!」

「本当じゃの。何が始まるかと肝が冷えたぞ」

王妃様の言葉に陛下まで言われる。


「はあ」

私は頭を垂れた。


その瞬間だ。


グーーーー


私のお腹が鳴ってしまったのだ。


嘘ーーーー、ここで鳴るか?


結局私は一口も食べられなかったのだ。


「な、何なのですか。フランソワーズ」

「すいません。昼を抜いていたので、つい・・・・」

「そんな事で王妃が務まるのですか」

厳しい叱責が飛ぶ。


ゲーーーー。このまま空きっ腹のまま、3時間叱責コースか・・・・トホホホホ


私が諦めた。


陛下が侍従を呼んでなにか指示された。


「まあ、王妃、フランソワーズ嬢の言い方は悪かったと思うが、そのあたりで良いのではないか」

陛下が何故か王妃の言葉を途中で止めてくれた。

えっ、陛下は味方してくれるの。さすが陛下。


「しかし、陛下」

「まあ、あの、苦虫を潰した教皇の顔と言ったらなかったぞ」

そう言うと陛下は笑いだされたのだ。


そして、あり得ないことにそれにつられて王妃様も笑いだされたのだ。


ええええ! 何この展開。私は予想外の展開に驚いた。


「いつも威張り見下している帝国教の奴らに、よくぞ言ってくれたな」

「男爵位の方が上といった時の、あの教皇の顔と言ったら無かったですわ」

「そうじゃ。所詮帝国の尖兵にすぎないとか、本当に儂が言えないことをよく言ってくれた」

「本当ですわ。私達が言えないことをよく言ってくれました」

信じられないことに陛下達はとても喜んでくれたのだ。


そこへ、侍従たちが私が食べられなかった豪勢な王宮の食事を持ってきてくれたのだ。


「えっ」

「食事も満足に取れなかったのだろう。ゆっくりと食べていってほしい」

「本当に宜しいのですか」

私は思わず言ってしまった。


「まあ、褒美としてはささやかなものだが、あの威張りちらした教皇にあそこまで言ってくれたのだ。ささやかな礼だと思ってほしい」

「そうよ、ゆっくりとお食べなさい」

「ありがとうございます。頂きます」

私は目の前に出てきた料理を思いっきり堪能したのだった。


その時に教皇らが悪巧みをしているとは思いもせずに・・・・

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