婚約者が帝国の皇女と仲良くしていたので、ムカついて隣国の王子を訓練に付き合わせたら気絶させてしまいました。
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私達は食器を片付けて走った。次は礼儀作法の先生のフェリシー先生だ。遅れたら何を言われるか判らない。
私たちは何とかギリギリ間に合った。私達が席につくと同時にフェリシー先生が教室に入ってきたのだ。
座ってハアハア息を整えていると
「フランソワーズさん。なんですか。髪が乱れていますよ。ひょっとして走ってきたのですか?」
「いえ、そんな事は」
私は慌てた。髪を押さえる。
「淑女が走るなんてどういうことですか」
先生がお説教を始めた。これはまずい。私は青くなった。
「先生。走ってきたのはフランソワーズさんだけではありません。何故フランソワーズさんだけを叱るのですか」
そこで言わなくても良いのにベンが一言、言ったのだ。
いや、そこは言わなくてもいいから・・・・でも、言ってしまったのね。
「な、何ですって」
より一層ヒートアップした、フェリシー先生のお小言が小一時間続くことになってしまったのだ。流石にそれ以上はベンも言えなかったみたいだ。
「おい、ベン。あんまりフェリシー先生を刺激するなよ」
授業が終わった後にアルマンが言った。
「だってあの先生、フラン姉さまにだけ辛く当たっているから」
「まあ、そうたげど、そこはスルーしような。皆のために」
「それは出来ないよ。僕のフラン姉さまに酷いことをするのは許せない」
「おい、フラン。何とか言い聞かせといてくれよ。でないと、またこんなのが続くとやってられなくなるから」
ベンに言うのを諦めたアルマンはそう言うと教室を出ていった。
「ベン。私のことは良いから、あそこは黙っていようね」
「ええええ! でも、姉さまだけ虐められるのってなんか許せないよ」
ベンは嬉しいことを言ってくれた。他の皆はフランさえ我慢したら、平和に授業が終わるからとか言うけれど、私のために憤ってくれたのはベンが初めてだ。
私はそれが嬉しかったのだ。
そのまま、寮に帰ろうとベンと歩いている時だ。私は前の方を楽しそうに話ながら歩いているアドと女生徒を見つけたのだった。
「あっ、あれが帝国のエミーリア皇女だよ。何か胸が大きいね」
ベンが私が気にしていたことを言ってくれた。エミーリアは私に比べれば圧倒的に豊満な体つきをしていた。
「あの二人仲良さそうに見えるよね」
ボソリとベンが言ってくれた。確かに仲良さそうに見える。ご注進に来た令嬢が言っていた。授業のグループディスカッションでこの二人が同じで、仲睦まじそうにしていたと。
「ふんっ、良いのよ。行くわよ。ベン」
私はそう言うとベンの手を引いてアド達とは反対側にずんずん歩き出したのだ。
そのまま訓練場に着くと
「ベン、ちょっと付き合ってくれる」
「えっ、まあ良いけれどフラン姉さま、お手柔らかにね」
ベンの顔が若干引きつっていたが、ムカムカしていた私は無視した。このムカムカは訓練で発散するに限る。
「行くわよ。障壁を最大に張って」
「判った。頼むから思いっきりやらないでよ!」
私の声にベンが青くなっている。
私はベンに向けて軽く衝撃波を放ったのだ。本当に力をいれずに軽くやったのだ。しかし、それはあっさりとベンの障壁を木端微塵にして、ベンを弾き飛ばしていたのだ。
ええええ! あんな攻撃であっさりやられちゃうの? 私は慌てた。
「べ、ベン、大丈夫?」
私は慌ててベンに駆け寄った。
ベンは完全に気を失っていたのだ。
私は慌ててベンを抱き上げるとそのまま保健室に一目散に駆け込んだのだ。
幸いなことにベンは衝撃を受けて脳震盪になっただけだった。
「フランソワーズさん。あなたは先生方から、他の人に対してあれほど魔術を使ってはいけないと禁止されていましたよね。なのに、何故、それも魔力の少ないベンヤミーンさん相手に使ったのですか。やるならばまだ、アルマンさんやバンジャマンさんにすればいいでしょう。よりにもよって他国の王族に使うとは国際問題になったらどうするつもりなのですか?」
私はまたしてもフェリシー先生のお叱りを受けることになってしまったのだった。うーん、ベンがここまでだめだったとは知らなかった。そう後でメラニー相手に愚痴ったらあんたを基準にしたら皆駄目な部類よ、いい加減わかりなさいよね。とダメだしされてしまった・・・・。解せぬ!