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両親のせいで、二学期開始と同時に教室に入れないほどの人気になりました

私はヘトヘトになって学園の寮に帰ってきたのだ。

本当に両親は何をしてくれるのだ!

あの後両親は嬉々として帰っていったが、残された我々は唖然としていた。陛下と王妃様にはグチグチ言われるし、そんなことは私に言わないでほしい!文句は全て本人に言ってくれないと、私も両親はどうしようもないのだ。


やっと愚痴から解放されて学園に帰ろうとしたら、お怒りモードのフェリシー先生に捕まってしまって、今迄延々しごかれていたのだ! 何で!

忘れていた私も悪いけど、遅くなった文句は陛下に言ってほしい! そう言ったら時間が2倍になるから言わなかったけど・・・・


疲れきって部屋に帰ってすぐに寝ようとしたら、メラニーに捕まってしまって、そのまま彼女の部屋に連れ込まれてしまったのだ。



「フラン、大変だったわね」

いきなり慰めモードでメラニーが労ってくれた。


珍しい! 普通はあんたん所の親は何やってくれるのよ! 私達の国を戦争に巻き込むの!

とか帝国相手にちょっかい出すなんておかしいんじゃない! とかさんざん言われるかと思ったのに!


おかしい!


「英雄、大魔術師アンナ様の娘も大変よね」

「えっ? 英雄って何? 疫病神の間違いじゃないの? 陛下とか外務卿には散々それに近い事言われたけど」

「何言ってるのよ。娘に酷いことされた母親が、命がけで巨大龍に頼みに行って、その助力を元に敵討ちに憎き帝国に歯向かったんでしょう! もう巷では凄まじい人気よ」

「はああああ! 誰の話よ」

私にはメラニーが言うことがよく理解できなかった。ギャオちゃんは可哀想に、魔の森の王様だったのを、張り倒してペットにして使役しているだけだし。帝国の王宮に乗り込むやいなや、皇帝を脅迫して土下座させたりと本当にやりたい放題の親なんだど・・・・。


「あんた所のお母様よ」

「そらあ娘に手を出されてプッツン切れたのは合っているけど、他は違うわよ。半分以上は伊達と酔狂でやっただけよ。面白いからやっただけなんだから」

「はああああ! 何言っているのよ! 伊達と酔狂で史上最悪最強の帝国に歯向かうなんて出来るわけはないでしょう!」

メラニーはそう言うが、うちの両親は別格なのだ!

皆に自分に向かって土下座している皇帝の水晶をばら蒔いたことといい、絶対に自分を美化したかったからなのだ! 自分達を正義のヒーローに見せかけて、悪逆無道の帝国に鉄槌を下したといい気になっているだけなのだ!


私がそう言いきっても、メラニーは信じてくれなかった。


「もう、フランのお母様は我が国の英雄よ。ノエルなんて完全に崇拝しきっているわよ」

メラニーの言葉にもはや私は反論する気力もなかった。


「あんたの人気もそれに合わせて跳ね上がっているから、あんたは明日から大変よ!」

「えっ、そうなのかな?」

私はメラニーの言う事も半信半疑だった。


「 まあ、お前のせいで戦争がおこったらどうする?って言われないだけましだけど」

「まあ、明日になれば判るわ!」

私はメラニーが言う意味がよく判っていなかったのだ。


メラニーの言うことが私には翌日よーく分かることになるのだ。




早速、朝、朝食で学食に行った時から、皆寄ってきた。


「フラン、凄いじゃない」

「あなた所のお母様。やるじゃない」

皆一斉に寄ってきて称賛してくれた。なんか違うと思うけど・・・・それは何も言えず。


「ええ、そうかな」

と、適当に誤魔化すが、


「そうよ。あの極悪非道の皇帝に鉄槌を下されるところ、私見たわ」

「そうよ。あの傍若無人で他人に対して頭を下げたことのない皇帝が、あなたのお母様に対して土下座して謝っていたじゃない」

ソレンヌとかノエルが感動して言っていた。


「私、お茶会でお会いしたあなたのお母様は只者じゃないと思っていたけれど、帝国の皇帝に頭を下げさせるほどすごい人だとは思ってもいなかったわ」

もう皆、寄ってたかって母は凄いと言っている。日頃の母を知らないから皆そんな事言うんだ。と不埓な私は思っていたが。


次の教室の前では私は唖然とした。


男どもがなんか群がっているのだ。

「メラニー、あれって誰かを待っているのかな?」

「何言っているのよ、あれはあなたよ」

メラニーが言う。

「そんな訳ないでしょ」

私が否定した時だ。


「あっ、フランソワーズ様だ」

「フランソワーズ様」

私はあっという間に花束を持った男の一団に囲まれてしまったのだ。


「私からの花束をお受け取りください」

「いえ、ぜひとも私からの花束を」

「ドイチェ公国、大公令息の私からお受け取りください」

「いいえ、帝国の侵略の危機に瀕している我がボロッチィーナ王国第二王子の私から」

皆一斉に叫びだした。


「ああああ、すいません。通してください」

私はその中を潜り込んで無理やり教室に潜入したのだ。


「ちょっ、ちょっと、フランソワーズ様」

「お待ちを」

追ってこようとする皆を障壁でシャットダウンする。


「な、なんなのよこれは」

さっさと逃げて部屋に入っていたメラニーに言うと


「ね、すさまじい人気でしょう」

メラニーに言われて私は唖然とするしか無かったのだ。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。


次は転校生の登場です。

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