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母は、国王に強引に母のやったことは正しいと認めさせました

「へえええ、このギャオちゃんって凄いのね」

私が思わず立ち上がって近寄ろうとする。


「ちょっと、フラン、危険だ」

アドが私を抱き止めてギャオちゃんに近寄らさせないようにする。


「グーーーー」

ギャオちゃんは邪魔されてアドに向けて牙を向いたのだ。


「ほら、見てみろ。危険だろう」

アドがそら見たことかと言う。


「クーーーン」

それを見てやばいと思ったのか、ギャオちゃんは私に甘えてきた。

うーん、なかなか賢いではないか。


「大丈夫よ。アド」

私はそう言うと、ギャオちゃんに近寄る。


「ちょっとフラン」

アドが止めようとするが私は無視した。


ギャオちゃんを撫でる

「キューーー」

ギャオちゃんは私にスリスリしてきた。


「可愛い!」

私はギャオちゃんを抱きしめていた。


「本当に大丈夫なのか」

アドが恐る恐る手を出そうとするが、ギャオちゃんが鼻息荒く

「フンッ」

としてアドは直撃を受けて地面に転がっていた。


「ちょっとギャオちゃん。酷いことしちゃだめよ」

「キュイ」

ギャオちゃんは私にまたスリスリしてきた。


「よしよし」

私が撫で撫でしてやる。


「おのれ、このへぼ龍め」

アドが睨みつけるが、ギャオちゃんは知らん顔だ。


「まあ、殿下もまだまだですな」

何故か父が喜んでいるんだけど。


「フラン嬢、そろそろ話を続けても良いかな」

陛下に言われて私は慌てて席に戻った。

でも、戻る途中でアドに捕まって強引にアドの横に腰掛けさせられた。


アドはなんか優越感に浸ってギャオちゃんを見ているような気がするんだけど・・・・


龍相手に大人げない。


なんか父も殿下を睨んでいるんだけど。


私はため息を付きたくなった。


「で、夫人はこの巨大龍に命じて帝国の第二師団を殲滅させたと」

「はい」

「帝国の王宮を火の海に変えたと」

「フランに手を出しましたからな。当然の結果ですな」

母に代わって父が平然と言っている。


「帝国から抗議の文書が来ているのですが」

外務卿が言う。


「我が娘に手を出してきたのは帝国が先ですぞ。外務卿は当然そのことを抗議して頂けたのでしょうな」

「というか、そもそも帝国が近衛騎士団長を示唆して叛逆に走らせたのは事実でしょう。それに対して抗議されたのでしょう?」

父の言葉尻に載って母まで言う。


「いえ、それは確たる証拠もなく」

外務卿の言葉は歯切れ悪かった。


「外務卿が、まごまごしていらっしゃるから代わって鉄槌を下して参ったのです。感謝こそされても叱責を受ける謂れはございませんわ」

母が言い切った。


「しかし、いきなり攻撃は国際法に」

「先に攻撃してきたのは帝国です。こちらは反撃をしたまでのこと。そのあたりははっきりとしてもらいませんと外務卿」

母がじろりと睨んだ。


「ヒィィィ」

外務卿は母の恫喝に流石に黙った。母は史上最強の魔道士なのだ。文官の外務卿がその一睨みに耐えられるはずはない。


「しかし、アンナ、帝国がこれで攻撃してくればどうなる」

「陛下、ご覧いただきましたでしょう。帝国の寸胴が土下座して謝ったのです。『今後一切エルグラン王国とホルム王国には手を出しません』とね。馬鹿にはちゃんと教えてやらねばいけないのです。悪いことをしたら謝らなければいけないということを。陛下がそう言うことを教えていただけないから臣下がこのように苦労するのです」

母はそう言うと笑ったのだ。


「しかし、帝国が守るかどうかは判らないのではありませんか」

「もし破ったら今度こそ皇帝を処刑してやりますわ」

外務卿が必死に言ってくるが、母が笑って言った。


この母は冗談では言わない。言った限りは有言実行なのだ。

陛下達は唖然としていた。


「それにこの画像、帝国内はもとより、近隣諸国だけでなく、全世界にばら撒いたのです。知っている限りの商会にも渡しました。今頃はありとあらゆるところで売られていますわ」


ええええ! 皇帝の土下座している姿なんか売出したんだ。さすが我が母、鬼畜だ。

これで、帝国の不満分子が動き出すし、帝国もこちらの国に侵略どころではなくなるだろう。こういう悪巧みは本当に母は得意だ。


母を外務卿にしたほうが余程良いように思うのは私だけだろうか。


まあ、その分大変なのだが・・・・


陛下も外務卿も母の高笑いの前に、ただただ呆然としていらっしゃった。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

でも悪巧みという点ではビスマークの方が上かも。

ビスマークの悪巧みがフランとアドの間に炸裂します

続きが読みたいと思われたらブツクマーク評価よろしくお願いします!

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