プロローグ ギャオちゃん視点 帝国の王宮を破壊して皇帝を湖にポイしました
この話見つけていただいてありがとうございます。
今日から第二部開始です。
帝国の逆襲編、お楽しみいただけせば幸いです。
俺は魔物の中の魔物、巨大龍だ。
そして、魔の森の王者だった。世界に恐れられる魔の森の食物連鎖の頂点に立つ、史上最強の巨大龍なのだ。魔物の王様なのだ。
魔の森の王は事実上魔物の王様、強いては全世界の王なのだ。
当然、俺ははいまだかつて負けたことがなかった。
当然俺様は人間よりも強い。人間などという下等生物に負けるわけはないのだ。
最近人間どもが我が魔の森に出没すると聞いて警戒を強めていた時だ。
その女が現れたのは。
人間の女が。
俺様はその女を甘く見ていた。
「あなたがこの魔の森の王なのね」
女は偉そうに言いやがった。
俺様はムカついたので、
「ギャオーーーーーー」
大声で咆哮してやつたのだ。
普通の人間はこれで恐れを抱いて逃げ出すのだ。
でもこの女はびくともしなかった。
ムカついた俺は火炎を女に叩きつけてやったのだ。
しかし、女はその火炎をあっさりと避けやがったのだ。
ドカーンと巨大な火の粉が上がり、森の一部が爆発した。
「私に逆らおうというのね。良い度胸だわ」
女はそう言うと俺を殴りつけてきたのだ。
一瞬だった。
魔力を持った拳で殴られた俺は吹っ飛んでいたのだ。
そう本当に一瞬の事だった。
一撃で俺はノックダウンされていたのだ。
俺がアンナ様の配下に落ちた瞬間だった。
それ以来、俺はアンナ様の部下、いや、ペットになってしまったのだ。
史上最強の巨大龍の俺が人間の女のペットに成り下がるとは・・・・
「なにか言った、ギャオちゃん」
アンナ様は鋭い。俺はギロリと睨みつけられて、震え上がった。
そのアンナ様が怒り狂っていた。
地面を思いっきり叩きつけたのた。
俺はぎょっとした。
地面に亀裂が走る。俺は下手したら火山が爆発するのではないかと恐れたくらいだ。
俺の顔を見て、アンナ様は微笑まれた。
いや、待て、この笑みは碌なことがない。経験上俺は逃げようとした。
「ギャオちゃん、どこに行くのかな」
俺の背を冷や汗が走る。
俺はどこにも行くつもりがないと思いっきり首を振った。
「これからちょっとお悪戯をした奴をお仕置きにしに行くの。当然ギャオちゃんも来るわよね」
その声に俺は盛大に頷くしか無かった。
どこのボケナスだ。アンナ様を怒らせた馬鹿は。
それは帝国の皇帝だそうだ。
何か良く判らないけれど、アンナ様を怒らせただけで、そいつの運命はもう終わっただろう。何しろ魔物の王の俺がそう思ったのだから。
「ギャオちゃん。このボケナス皇帝はあなたの魔の森を侵略もしようとしているのよ。そんな事になったらあなたの多くのお友達が殺されるわ。そんな事が許せるの?」
俺は大きく首を振った。俺の魔の森を侵略しようなんて奴は許せない。
「今回は思いっきり暴れていいわ。あなたの力を見せつけてあげなさい」
ギャオーーーーー
俺は雄叫びを上げたのだ。
俺はそのまま帝国の帝都にアンナ様とそのご主人を乗せて飛んだ。
まあ、俺にかかればそんな距離もすぐだ。
俺は御主人様達を宮殿に下ろすと
ギャオーーーーー
雄叫びを上げた。
なんか小さい奴らが俺にかかってくるが、そんなの踏み潰したら終わりだ。
ついでに火炎を浴びせてやる。
城壁にもキックを浴びせてやった。
一瞬で城壁が倒れる。
多くの兵士たちが下敷きになったようだが、俺様の魔の森に手を出そうなんてする奴らは許せない。
俺は暴れに暴れまわった。
どれくらい経ったろうか。俺様の周りに立つものは一人もいなくなっていた。
「ギャオちゃん」
アンナ様に呼ばれて慌てて、宮殿の中を見る。
宮殿の中も真っ黒焦げに燃えていた。
そして、頭の燃えて泣き叫んでいる男がいた。
「この男を池まで投げ捨てて頂戴」
「ギャオーーー」
俺は頷くと男を咥えこんだ。
「や、止めろ、俺は皇帝だぞ」
そうか、この寸胴が俺らの敵の皇帝か。
俺はアンナ様を見た。
でも、アンナ様は首を振った。
そうか、殺してはいけないのか。何か残念。
俺は首を振るとそのこうていとかいうやつを目の前の池に投げ込んでいた。
ジュッという音とともに、男の頭の炎が消えたのを確認した。
そいつがなんとか岸に上がったのを確認した後に俺様はアンナ様らを乗せて帰還の途についたのだ。
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明日の朝完結です。ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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この話の次話は明日の夜の予定です。