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プロローグ1 帝国皇帝視点 破壊の魔女に宮殿を燃やされてハゲにされてしまいました。絶対に復讐してやると心に誓いました


俺はこの帝国の皇帝、ドルムント・ズンドだ。帝国はこの大陸で最大の版図を持ち、最強の軍隊を有している。


我が帝国の前に敗北の二文字はないのだ。


先日も何をとち狂ったのか、属国となるのを逆らった小国ギズミック王国を一撃で粉砕したのだ。略奪の限りを尽くした小国はこの世から消滅したのだ。


フンッ力もないくせに我が国に逆らうからだ。


付近の小国も、我が国に逆らえばどうなるかは思い知った事であろう。



本来ならは上機嫌になっているはずの俺様だが、今はすこぶる機嫌が悪かった。


せっかくエルグラン王国にて、叛逆をお膳立てしてやったのに、グロヴレの愚か者が失敗してくれたのだ。


憎きルブラン公爵家の娘を拘束してルブラン公爵に目にもの見せてやろうという俺の案も、またしてもうまくいかなかった。



ルブラン公爵とその妻アンナは本当に憎たらしい。



俺は言っては何だが、よくもてるのだ。最近も若い側室を入れたところだ。



エルグラン王国留学時代も声をかければ女共は皆ついてきたのだが、唯一、そのアンナだけは手に入らなかったのだ。


無理やり襲おうとして手酷い目に合わされたのは、未だに思い返しても屈辱の思い出だ。



愚かなグログレは、せっかく帝国最強魔導師までつけてやったのに、あっさりとやられるとはどういうことなのだ。


他の方面はうまく行っているのに、エルグラン方面だけは全くうまく行っていない。


しかし、何としてもエルグラン王国を手に入れて、あのアンナを恥辱まみれにしてやるのだ。


あいつにされたことは絶対に晴らさずば置けるものか。



「ビスマーク。魔の森に逆からちょっかいを掛ける案はどうなっておるか」

「は、色々とやっておりますが、なかなか隣国が動きません」


ビスマーク、平民から引き上げた私の側近の一人だ。帝国がここまで力を持つようになったのは、愚かな貴族共を政策の場から外し、有能な平民を採用しだしてからだ。ショオーなる異国人を父が登用してからだ。最もショオーは父の死とともに怒り狂った貴族たちになぶり殺しにされたが。


しかし、ショオーは殺される前に父の遺体に縋り付いたのだ。そのショオーに矢を射た大半の貴族共を前国王に矢を射た不敬罪で処刑できたのだ。


旧守派の煩い貴族の大半を処分できて我が国の基礎が出来上がったのだ。




「隣国と申すとホルム王国か。奴らもう一度痛い目にあいたいらしい」

「第二師団を帝都から派遣いたしますか」

私が言うと、ビスマークも嬉々として、言ってくれた。


第2師団は第二王子を師団長にしているのだが、その残虐性で諸外国からは怖れられていたのだ。今回のギズミック王国を殲滅したのも第2師団だった。


第二師団ならば、魔物にも、アンナにも対抗できるだろう。



俺は嬉々として頷いたのだ。



「ほう、また寸胴は良からぬことを企んでいるのだな」

「本当に寸胴だけに頭はないのね」

俺の耳に大きな嫌な声が聞こえた。寸胴・・・・とある奴らが俺につけたあだ名だ。上から下まで同じように太いことだ。特に、ウエストのくびれがなくって・・・・男にウエストも糞もあるか!



「こ、この声は」

俺は不吉な予感しかしなかった。


「出会え、曲者ぞ」

ビスマークが叫ぶ中、周りにいた近衛兵は剣を抜き放った。




「ギャオーーーーーーーーーーーーーーーー」

その時だ、外から凄まじい雄たけびが聞こえたのだ。

「きゃーーー」

「助けて」


なにか巨大なものが暴れている音がする。


「陛下」

俺の前に立った近衛師団長が一刀のもと切り下げられた。



そこには会いたくないテオドール・ルブラン公爵が長剣を抜いて立っていた。


「本当にこれで警備しているつもりなのかしら」

そして、その後ろには妻のアンナ、破壊の魔女が立っていたのだ。


「き、貴様ら、どこから入ってきたのだ」

俺は叫んでいた。


「面倒くさいから、ここに転移してきたのよ」

面倒くさそうにアンナが言った。



「ズンドー、お前良くも私の可愛い娘に手を出そうとしてくれたわね」

アンナは怒り狂っていた。

これはまずい。


「責任を取るのは何が良い? このまま火の海の中で死にたいならそうしてあげるけど」


「いや、少し、待て、話し合おうではないか」

俺は慌てた。少しでも時間稼ぎができれば、援軍が来るはずだ。、特に今は王宮に第二師団がいるのだ。


「許してほしければ、ここで土下座して謝れば。そうすれば少しは考えてやっても良いけれど。でも、世界のためにはあなたが死んだほうが良いという意見も多いのだけど」

破壊の魔女はニヤリと笑いやがった。

こいつはいつもそうだ。

くっそう、次こそ必ず、娘諸共なぶり殺しにしてやる。覚えておけよ!


俺は仕方なしに、頭を下げることにしたのだ。


まず、破壊の魔女の前に、跪いたのだ。


「へ、陛下」

ビスマークが唖然と私を見ていた。



こ、こいつだけは逆らってはいけないのだ。昔襲いかかって半死半生の目にあってその事はよく判っている。



「うん、早くしないと。でないと王宮が壊滅してしまうけれど」


「ギャオーーーー」

また凄まじい大音声が響いた。


そして、凄まじい破壊音がしている。何を連れてきたのだ? 何故第2師団は入ってこない?



「お、お前は何を連れてきたのだ」


俺は思わず言ってしまった。


「お前とは誰に向かっていっているの?」

破壊の魔女の一撃が私の顔をかすって壁に巨大な穴を開けた。


そして、その先には王宮の兵士や建物を踏み潰している巨大龍が見えたのだ。第2師団が入ってこれないはずだ。下手したら第2師団はこの龍に既に踏み潰されたかも知れなかった。




私は顔に傷が付き血がほとばしっていた。


こ、こいつはやばい。



「アンナ様。も、申し訳ありませんでした」

俺は止むを得ず頭を下げた。


生き残った臣下共が唖然として俺を見ていた。




「二度と我が国に手を出さないと誓いなさい。それと隣のホルムにも」

「えっ」

ホルムにもか


「死にたいの?」

「いえ、判りました。今後一切エルグラン王国とホルム王国には手を出しません」


「寸胴も言おうと思えばちゃんとできるのね」

馬鹿にしたようにアンナが言った。


「アンナ、嘘つきの寸胴が約束を守るわけはなかろう」

アンナの声にテオドールの余計な声が重なる。


「そのようなことは」

「本当に?」

「当然です」

「その言葉信用してあげるわ」

俺はホッとした。さすがにアンナは甘い。この恨み絶対に晴らしてやる!


俺がそう決意した時だ。


何故かアンナがニヤリと笑いやがったのだ。


「もし、今度嘘をついたらお前の命はないわよ」

俺はコクコクと頷いたのだ。


「じゃあ、私達の娘に手を出した分を償って貰うわ」

「えっ、許してくれるんじゃ」

「何を甘えたことを言ってくれるの。悪いことをしたら当然、償わないと。命を奪うのは止めてあげただけよ。感謝しなさい」

「いや、ちょっと待て」

俺は必死に逃げようとした。


しかし、そんな俺を破壊の魔女が許すわけはなかった。


「紅蓮の炎よ。焼き尽くせ」

アンネの言葉と同時に、一瞬で周りは火の海になったのだ。


「ギヤーーー」

俺は残り少なくなった頭髪が一瞬で焼やされたのだ。


宮殿は一瞬で炎が回り、俺の自慢だった宮殿は一瞬で燃え尽くされたのだった。



気を失った俺は残り少なかった頭髪が完全に無くなってしまったのだった。



「お、おのれ、アンナめ! もう絶対に許さん。地獄の果までも追い詰めてやるわ」

気付いた私は心に誓ったのだ。絶対にアンナとその一族は許さんと。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

この話の第二部書くことに決めました。

ブックマーク、評価宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いです。 良い物語をありがとうございます。
[一言] 帝国の逆襲…楽しみにしております!
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