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閑話 バレンタインデーに大量のチョコ菓子をもらいました

フェリシー先生のお叱りは本当にもう大変だった。

でも、後で調べたら、何でも装置のガスが漏れていたらしい。だから、爆発したそうだ。私じゃなかったら死人が出たかもしれなかったそうだ。

じゃあ、本来ならば私は褒められるべきじゃないかと思うんだけど……


でも、補講は無くならなかったのだ。本当に最悪だった。

メラニーもピンク頭も逃げてくれたし……最悪。


そして、今日は待ちに待ったバレンタインデーだ。


結局アドへのチョコはメラニーの家で作らせてもらった。私は火は絶対に触らせてもらえなかったけれど。私が悪くないのに。


「あんたは存在自体が危険なのよ」

メラニーは酷い事を言ってくれるんだけど


絶対に失礼だ。


その朝は食堂で始まったんだけど


「フラン先輩、おはようございます」

いきなり一年生のヴァネッサに声をかけられたのだ。


「あ、おはよう、ヴァネッサ!」

私は後輩から先輩と言われて喜んだ。


「はい、先輩、手作りのチョコレートです」

そして、箱を渡されたのだ。


「えっ、有難う!」

私は学園で後輩からプレゼント何てもらうのは初めてだ。

何か嬉しくて天にも登る気分なんだけど……


「先輩が、今日は好きな人に女の人からプレゼントする日にしようと皆に仰っていらっしゃるのを聞いたんです。私先輩に命を助けてもらったし、いつもお世話になっていますから。好きです。受け取ってください」

「えっ、ああ」

私はぽかんとしてチョコを受け取った。


「凄いわね。フラン。いきなり後輩からチョコ受け取るなんて」

「いや、でも、おかしくない? 今日は女から男に渡す日にしようって皆に言ったのよ」

「でも、前世にもいたわよ。男前の女の先輩が、女の子からたくさんチョコを受け取っていたわ」

「そうなの?」

その時はそんな事もあるのかと思ったのだ。


でもだ。


食堂に入った途端だ。


「フラン先輩」

「フラン様」

私はたちまち女の子たちに囲まれてしまったのだ。


「これ受け取ってください」

「これも」

「これもお願いします」

あっという間にチョコの山になってしまったんだけど。


なんかおかしい……絶対に変だ。


それになんか、その中は男もいたような気がしたんだけど……



クラスにいっても一緒で、クラスの女の子の大半からチョコもらったんだけど……


クラスの男どもよりも完全に私の方が多いのだ。



「おいおい、おかしくないか? なんでフランの方が圧倒的に俺よりも多いんだ?」

アルマンが文句を言って来たけれど、それは女の子らに言ってほしい。



そして、入って来た担任のベルタン先生も大きな袋を持ってきたんだけど。


「フラン、これ」

そう言って担任から渡されたんだけど。


「えっ、何ですか? これは」

私が聞くと


「このデカいのは学園長からだ。ひと言、学園長の定年までこれ以上問題は起こさないで欲しいとのことだ」

「はい? 私は問題なんて起こしていませんよ」

私がむっとして言うと


「お前どの口が言うんだ。この前も厨房のオーブンを壊したところだろうが! フェリシー先生が怒っていたぞ」


先生は痛い所を突っ込んでくれるんだけど、いや問題はそこではないだろう!


「先生、今日はチョコレートを女から男に贈る日なんですけど」

「えっ、そうなのか? 俺が聞いたのは何でも今日は貢物をする日で、今日だけは贈っても収賄罪が成立しないそうだぞ」

「そんな訳ないでしょう。誰がそんな事を言っていたんですか」

「さあ、それは知らんが違うのか?」


それからもどんどん贈り物は届いてルートンの泣き虫王女からは大きなハート形のチョコだったし、アルメリア王国の国王夫妻からは船の形をしたチョコレートだった。


ただ、その上に綱を握って飛んでいる女の子がいるんだけど……


「これ絶対にフランよね」

「本当だ。ターザンフランだ」

思い出したくもない事をアルマンが言ってくれるんだけど……


それからも贈り物はどんどん溜まっていって学園の私の部屋だけでは到底入りきらなくなったのだ。


そして、究極の贈り物が午後に届いたのだ。


巨大な馬車に乗せられてそれは届いた。


「フランソワーズ様。お初にお目にかかります。私、帝国で宰相を勤めております、ビスマルクでございます」

私はポカンとそのビスマルクと名乗る男を見つめたんだけど


帝国が私に何の用なんだろう?


「帝国の宰相が何をしに来た?」

私の横には今にも抜剣しそうな勢いのアドがいるんだけど……


馬車の中には帝国の新兵器でも入っているのか?


私も思わず攻撃魔術を発動しようとした。


「はっ、フランソワーズ様に我が皇帝よりプレゼントをお持ちしました」

「えっ?」

私は宰相が何を言っているか判らなかった。


「そんな事言いつつ、中には兵器か何かが入っているんだろう!」

アドが言うのだが。


「ご心配ならどうぞ、中を御覧ください」

宰相は頭を下げて言ってくれるんだけど……


「調べろ!」

アドが周りの騎士たちに合図する。


騎士たちが巨大な馬車の囲いを解くと中には巨大な龍のチョコレートが入っていたのだ。


「えっ」

「どう見ても巨大なチョコレート菓子のようですが」

騎士たちが言う。


私も生物の気配は感じなかった。


それにこの龍ってひょっとして帝国の王宮を破壊したギャオちゃんだろうか?


「皇帝いわく。何卒、我が国を攻撃するのだけはおやめくださいとの事でした」

宰相は頭を下げていってくれるんだけど。


「それは母に言ってよね」

「そう言われるのはごもっともでございます。ただ受取を拒否されまして」

ビスマルクは苦渋の表情をした。


「それじゃ、私が受け取るわけにいかないでしょう」

私が言うと


「そんなこれを破棄せよというのですか? もったいない」

「えっ、それはそうだけど」

そう言われると食べ物を粗末にしてはいけないとも思うんだけど。


「じゃあ孤児院にでも寄付したら良いんじゃないか」

アドが言ってくれた。


「ああそうね。そうしてくれる?」

私がそう言うと、


「なるほど、ただいきなり帝国からのプレゼントだと困惑されると思うので、フランソワーズ様にお話したら、こちらに寄付して欲しいと言われたと申してもよいでしょうか」

ビスマルクが言うので


「それだったら良いわよ」

私は頷いたのだ。


えらくあっさりと帝国が引いたなと私は少し不審に思ったのだが、深く考えなかったのだ。




この件で私は後で母から散々怒られたのだ。


何でも帝国は「フランソワーズ様から言われてお持ちしました」

と孤児院で話したそうだ。


子供たちの喜びようと言ったら無かったとオリーブにはとても感謝されたのだ。

何しろお菓子の城ならぬお菓子の龍なのだから。


ただ、巷では私が帝国からチョコの龍をもらったが、食べきれないので孤児院に寄付したと取ったのだ。本来は帝国からのプレゼントを受け取らずに破棄するのはまずいから孤児院を紹介しただけなのに!


「あなた、本当に駄目ね。そんなのも判らないでこの国の王妃になれるの?」

母に散々馬鹿にされたんだけど、何も考えていない母に言われたくない!


「まあ、良いじゃないか。フラン。帝国の皇帝までもが未来の王国の王妃に気を使うということで」

アドはわ笑って言ってくれたが、こいつは絶対にこうなるのが判っていたのだ!


母に怒られた私の身にもなって欲しい!

私はムッとしてアドを睨みつけると


「まあ、フラン、これで気分を直して」

そう言って口の中にハッピ堂の新作チョコレートケーキを一切れ口の中に放り込まれたのだ。


「美味しい」

私は思わず微笑んでしまったのだ。


ケーキで機嫌を取られる私は何なの? と思わないでもなかったが、その私の目の前にケーキを差し出されるとまたぱくりと食べてしまった。


周りからは生暖かい視線で見られてとても恥ずかしいんだけどとても幸せな気分になっていた。


ここまで読んで頂いて有難うございました。

結局フランの作ったお菓子の行方は……

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