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【つぎラノ2023投票御礼閑話】アルマン視点 女と男はどちらが強い

【つぎラノ】投票有難うございました。この話の書籍がつぎラノにノミネートされたのも皆様が応援して頂けたお陰です。本当にありがとうございました!

「男と女はどちらが強いか」

世界史の先生が、残していった宿題だ。何故世界史の宿題がそれなのかはわからないが。


「そんなの女に決まっているよな」

俺が言い切った。



俺の名はアルマン・ルール、父は近衛騎士で俺も将来は騎士を目指している。

俺は今は二年E組で、この学園ではおそらく一番有名なクラスだ。名実とともに。

何しろ未来の王妃様がいらっしゃるのだから。


フランソワーズ・ルブラン公爵令嬢。別名破壊女。帝国に唆された侯爵の反乱を阻止したのに始まって、帝国教の教皇の陰謀を叩き潰し、ルートン王国に進行してきたアルメリア王国を粉砕。旧帝国のシュタイン公国と組んだ王弟の反逆も叩き潰して、フィアーネン王国に侵攻してきたバイエフェルト王国を剣を呼ぶだけで叩き潰した最強の戦士だ。

こいつがいる限り、帝国もその他の王国も我がエルグラン王国には手も足も出ないだろうとは思う。王国の誇る最終兵器だ。


その母親のほうが更に強いみたいだけど、もう化け物の領域だ。


我が国には剣聖とそれと並び立つフランの父の剣豪がいるけれど、剣聖は何回かマジギレしたフランに叩きのめされていたし、フランの両親は母親のほうが圧倒的に強いらしい。

力で言ったら我が国は圧倒的に女性優位なのだ。


当然我がクラスで一番強いのはフランだ。


俺たちは口には出さないけれど、そう思っているし、信頼もしている。

本人は一見普通の女の子と変わらない。少し抜けていて、とても良いやつなのは事実だ。


でも、怒ると怖いのだ。


バシンッ


今日も俺達の目の前を張り倒されたアドルフ第一王子殿下が飛んでいったんだけど……


はっきり言って我が未来の国王夫妻は絶対にフランのほうが強い。


殿下はいつもフランに謝っているし、その度に珍しいお菓子が食べられると女どもが喜んでいるが……


「まあ、あの二人を見たらそうだと思うけれど」

オーレリアンが頷いた。


「いやいや、フランだけじゃないよ。強いのは」

俺はそういうとフランの後ろの席のメラニーを見た。


こいつはフランとは別の意味で怖れられていた。未来の女官長だ。

今もフランの秘書的なことをやっていて、影の支配者とか言われている。

メラニーに逆らうと碌なことがないのだ。


この前もA組のホームズ伯爵家の嫡男がメラニーに難癖を付けていたのだ。

お前の所の商会はもう使ってやらないとか何とか言っていた。


その翌週だ。ホームズは真っ青になっていた。

何でも伯爵家の不正が見つかったみたいで、下手したら降爵かもしれないと。


俺はメラニーが誰かにリークしたんじゃないかと思う。

第二王子あたりが怪しい。

そう、メラニーだけには絶対に逆らってはいけないのだ。


他の女どもも結構気が強くて、クラスの4分の一しか女はいないが、このクラスで女どもに逆らったら生きていけないので、誰も逆らわない。基本的に女のほうが強いのだ。


「でも、俺の家は父親の方が強いぜ。アルマンのところもそうだよな」

男爵家のジスランが言ってくれた。


「まあ、外目はそう見えるかもしれないけれど、小遣いの決定権とかは母親が握っているからな。最後は母のほうが強いんじゃないかな。この前も俺のいない所で母親に頼んでいたからな」

俺は答えていた。


「うーん、それは確かに。そう言えば、我が家も、この前母親に父が陰で頭を下げていたな」ジスランは首を振っていた。



「どうしたの? みんな、難しい顔をして」

そこへフランがやってきた。


「いや、夫婦や恋人の間でどちらが強いかって話をしていたんだ」

俺が言うと

「フラン様のところは圧倒的にフラン様ですよね」

ジスランが聞くと


「何言っているのよ。私のところはアドよ」

「「「えっ?」」」

クラス全員が唖然としてフランを見た。

そんな訳はないと全員が思っているはずだ。


「だって、あなた達の話聞いていたら、最終的に財布を握っているのはどっちだって話でしょ。そんなのアドが握っている方が安心じゃない」

「いや、でも、フラン様が一言言われれば絶対にそうなるでしょ?」

「まあ、戦闘ならば私が得意だけれども、頭はアドの方が賢いから、それ以外のことは圧倒的にアドの方が優秀だし、アドに任せてるわ」

フランが言い切った。それはそうかも知れないけれど。この二人の場合はどちらが強いかと言うと絶対にフランだと思う。


「でも、お二人で歩かれる時は大体フラン様が前を歩かれて、殿下は後ろを下僕のように付き従われていますよね」

ジスランが思わず言っていた。


「ちょっとジスラン、下僕はないんじゃない」

流石の傍若無人のフランも窘めた。そうだ。ジスラン、確かに下僕のように見えるけれど、それを男爵家のお前が言うと不敬になるのではないのかと思わずにはいられなかった。


「私は王子様を守る騎士のつもりよ」

フランが言うんだけど、絶対に違う。

「あの位置にいたら絶対にアドを攻撃は出来ないのよね。たとえお母様が攻撃してきても、私が庇ってアドを逃がすからあの位置なのよ」

フランの言う事はツッコミどころが満載なのだが……そもそも仮想敵がフランの母親の破壊の魔女ってのはどうかと思う。確かにこの前は殿下に魔の森の試練を与えていたけれど、実の母親が仮想敵なのか? まあ、フランより強い者は破壊の魔女以外は知らないけれど……

それに男を守っているというところからして普通は逆ではないのかとも思う。

もつともこの国でフランとまともにやり合える男は知らないけれど……


まあ、フランが先頭で歩く意味はわかったけれど、それで外面上良いのかと思わないでもないが……

「役に立たない形式より現実よ」

フランは一言で言いきったが、何か違うような気がするのは俺だけか?



どう見ても俺たちには王子様を従えて歩く魔王に見えるんだけど……


それを言うとまずいような気がしたので、何も言わずに俺たちはお互いに頷きあったんだけど……


そう、我が国では圧倒的に女が強いと俺達は再度認識したのだ。



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