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【『つぎラノ』ノミネート記念】とある男爵令息の独り言 フラン様に助けを請いました

それからの一学期間は本当に大変だった。


俺達はクラス委員長のフラン様の指示の下、クラス対抗戦を勝ち抜いたのだ。

最後のクイズで、フラン様の活躍のお陰で我々は全クラスに勝つことが出来たのだった。

フラン様々だった。


そのフラン様は婚約している殿下ととても仲が良いというわけではなく、殿下にピンク頭の聖女がちょっかいを掛ける度にフラン様は切れていた。


その度に殿下が謝ってきてフラン様にお菓子を買ってくるので、俺達はそのお裾分けで、王都で有名な中々食べられないお菓子を食べられてラッキーだった。


そんな中、フラン様は学期末のテストでフラン様に勝てれば公爵邸に招待して頂けるというとてつもないご褒美を俺たちの目の前に示して頂けたのだ。

ルブラン公爵家はエルグランの武の名門、その館に招待されるなんて末代まで自慢できることだ。

俺は必死に勉強したのだ。

しかし、俺はそれだけ必死にやったのに、やっと真ん中の100位だった。

それに対してフラン様は魔術実技が100点満点とはいえ、トータルで10位に入られたのだ。

我がクラスで勝てたのは同じ男爵家のメラニーだけだった。

俺はクラスの中で成績が下の方だったのだ。二学期はもっと頑張ろうと反省したのだった。



そして、一学期が無事に終わった。俺はE組の平民の皆とも親しくなった。そして、何と未来の国王陛下の殿下からも名前を覚えてもらったのだ。殿下がフラン様の許しを請うために買ってきたお菓子を配られる時に

「はい、ジスラン」

と名前を呼んでお菓子を頂いたのだ。俺は感激した。未来の国王陛下に名前を覚えられるなんて……。

でも、感動している俺の横でクレマンも感激していたのだ。

平民のアルマンとかも名前を読んでもらえたと言って感動しているし、殿下はクラスの皆の顔と名前を覚えていただいたみたいだ。

どこの国の王族が平民クラスの顔と名前を覚えるのだ。普通はあり得ない事だ。

俺は感激した。


そんな中、夏休み中は俺はもう少し王都に残って皆との仲を深めようとしたのだ。何とフラン様はメラニーだけではなくて、クラス全員を屋敷に招待してくれたのだ。

それが今後の男爵家の為になるだろうと思ったのだが。


しかし、俺の意志とは違って、父からすぐに帰ってこいと連絡が入ったのだ。

「危急の用あり。すぐに帰ってこい」

手紙にはそうとしか書かれていなかった。


俺は折角フラン様のお屋敷に招待されていたのに、それに行けなかった。

我が家は専用の馬車をこちらには持って来ておらず、領地の近くの大都市まで駅馬車を乗り継いで走り、そこから馬車を雇って家に帰って来たのだ。


「何があったのですか? 父上」

俺は屋敷に帰ると慌てて父の執務室に行った。


「おお、ジスランか。実は我が領に疫病が流行りだしたのだが、それをたまたま我が領に滞在しておられた帝国教の司祭のオドラン殿と妻のアナイス殿が奇跡で治して頂けたのだ。今、そのお礼のお布施をかき集めているところでな。悪いがお前の学費もそれに当てたから、お前はしばらく休学してくれ」

「えっ?」

俺は父が何を言っているか良く判らなかった。


よく聞くと何でも領内で不治の病が流行り出したらしい。バタバタと人が倒れてどうしたらよいか判らなかったが、帝国教のその司祭が患者の前で祈ったらたちどころに治ったらしい。

父もそんな話は最初は信じられなかったが、母がその病にかかり必至に看病しているところにその司祭が訪ねてくれて、母の前で祈ってくれたところたちまち病は治ったらしい。

奇跡を目のあたりにして両親はその司祭夫妻に傾倒して、特に病気を治してもらった母の傾倒ぶりはすさまじくて、この地に立派な教会を作る費用がいると言うので、多くの金をつぎ込んでいるらしい。


俺はそんな胡散臭い話はおかしいと両親に言ったのだが、両親は特に母が全く聞く耳を持たなかった。

「ジスラン。あなたは司祭様になんてことを言うの? この母がここに元気にいるのはアナイス様のお陰よ。あなたはその母の恩人のいう事が信じられないと言うの?」

母は俺を悪魔でも見るような目で見てくれた。そんな母に俺は何も言えなかった。


両親はどちらかと言うと温和で、宗教にそこまで凝ってはいなかったのに!

今まで思慮深かった両親はどこかに行ってしまい、あたかも魅了されたかのように宗教に凝り固まった両親がそこにいたのだ。


でも絶対にこんなことはおかしい。


俺は途方に暮れた。


こういう時は誰かに相談した方が良い。出来たらフラン様に頼みたかったが、さすがの俺では身分が違いすぎる。そうだ。同じ男爵家でフラン様と仲の良いメラニーに頼もう。俺は藁にでもすがる思いでメラニーに何とかフラン様に取り次いで頂くように必至に手紙を書いたのだった。


ここまで読んで頂いて有難うございます。

続きは今夜記載予定です。


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