表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

299/319

アドに抱きつかれて茹で上がってしまいました

エクちゃんは自らの飛んでくる時に出来るソニックブレードでバイエフエルト軍を殲滅してくれた。


私はエクちゃんを地面に叩きつけて、怒りのあまり足蹴にしたかった。


今まで、魔力を封じてくれた糞ばばあへの恨み辛みや、これから折角暴れられると思って期待してたのに、出来なかった怒りをぶつけたかった。


でもルブランにとっては剣は命なのだ。

更に宝剣エクスかリバーは国の宝だ。我が先祖が、この国を興す時に使った宝剣なのだ。

これを足蹴にしたなんて歴史の先生に知られたらどれだけ怒られることか……


そんなことを考えると、粗末にすることなど、出来なかった。


でも、この怒りをどうしたら良いのよ!

私が怒りにぶるぶる震えていた。


メラニーに言ったら絶対にそりゃあ、エクスカリバーを手元に呼んだあんたが全部悪いんじゃない!

って馬鹿にされるのは確実だった。

でも、こんなに遅くに、私がこれからやろうって時にやってきて、私の邪魔をするなんて呼んだ時は全く思ってもいなかったわよ。

私は忸怩たる思いだった。


さすがのエクちゃんも私の怒りを感じたみたいだ。

さっきまで偉そうに輝いていたのに、なんか心持ち青くなっている。

そんな事されてももう遅いのだ。


怒りに震える私を見て、さすがに誰も近寄って来なかった。


君子危うきに近寄らずなのだ? 自分で言ってどうするのよ!


私が切れかけた時だ。


後ろからアドがそっと抱きついてくれた。


「えっ?」

私は驚いた。

というか、この怒りをどうしようかと思ったときに抱きついてこられたのだ。私の頭がとっさの事に真っ白になった。


「フラン、大丈夫だよ。たまにはこういうこともあるさ」

そう言うと私のほっぺにキスしてきたのだ。


ええええ!

ここでキスする?


私は真っ赤になった。


久しぶりのキスのような気もする。


最近はいろんな事がありすぎて、余り、アドと一緒にいられなかった。


「フラン」

アドがさらにぎゅっと抱きついてきた。


「アド、皆が見て」るわよと私がアドの方を向いて注意しようとした時だ。


私の唇をアドの唇が塞いだのだ。


ええええ!


余りの事に私はエクちゃんを思わず落としてしまった。決してわざとじゃない。


皆が見てるからダメだって!


私がアドを引きはなそうとするが、アドの舌が強引に私の唇を割って入ってくる。私の頭がぼうっとして、手に力が入らない。こんなキスは生まれて初めてだった。

今まで舌を差し入れられたことなんてなかったのに!


私の舌をアドが絡め取ろうとしているんだけど……


もう私はゆでダコのようになって限界だった。



「兄上、何してるんですか!」

「姉上、そんな不埒な奴、引き離して!」

ヴァンとジェドの叫び声が聞こえるが、私の体は熱くなって言うことを効かずに、アドに身を任せてしまったんだけど……


しかし、次の瞬間、バシンッと言う大きな音ともに、エクちゃんが思いっきり、アドの後頭部に激突していたんだけど……


私が落としてしまったから怒ってしまったんだろうか?


「良くやった。エクスカリバー」

「もっとやれ!」

ヴァンらの声が聞こえる。


でも、私はそれどころではなかった。アドの力が抜けて、こちらに倒れてきたのだ。


「えっ? アド! ちょっと!」

私が慌てて支えようとするが、そのまま、気絶したアドが私にのし掛かってくるんだけど。

それも何故か気絶しているのに、私をギュッと抱きしめてくれる。

もうだめだ。私はゆでダコみたいに茹で上がってしまったのだ。

そのままアドに押し倒されてしまった。


「ちょっと、兄上」

「どさくさに紛れて何しているんですか?」

弟たちが、慌てて駆け寄ってきたがアドは力いっぱい私を抱きしめていて、私は恥ずかしくて真っ赤になって意識を飛ばしていたのだった。




ここまで読んで頂いてありがとうございます。

次回最終回です。

明朝更新予定です。

ブックマーク、評価まだの方はしていただいたら嬉しいです。

この第一巻がレジーナブックスから全国の書店で絶賛発売中です。

詳しくはここから10センチ下を御覧下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ