表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

294/319

バイエフエルト王国の出撃の報が入ってきて、私が対処することにしました

「どうしたんだ? フラン?」

アドが声かけてくれたんだけど、


「あんたが王妃様にフォローしてくれないからでしょ。お願いしたのに!」

私がムッとして言うと、


「ああ、母の事か。気にしなくてもちゃんとフォローはしてやるから」

アドが言ってくれた。


しかしだ!

「本当に? いつも裏切られているから、信用出来ない」

「いや、フラン、今度はちゃんとやるから」

「そうですよ。兄上は信用できませんよね!」

アドの横からヴァンが言ってくれるが、

「ヴァン、何を言ってるのよ。元々、王妃様に繋いだのヴァンでしょ!」

私が白い目で見る。


「そんな、義姉上! これは仕方がなかったんだよ。兄上と違って腹違いの僕には断るすべがなくて」

「そこは色々やりようがあるんじゃなの。何もいきなり繋がなくてもいいじゃない!」

「そうだよ。姉上の味方は俺だけだよ」

横から弟のジェドまで出てくるんだけど、

「うーん、あんたも、母から、助けてくれなかったのは同じだし」

「そんな! あんな母上に対抗できるのは、父上と姉上だけだよ。いつも二人とも母上にコテンパンにやられているけど」

「余計な一言を言わない」

私はムッとして、ジェドをしばいていた。


「痛い! 死ぬじゃないか! 姉上は本当に手加減してよね」

「なに言っているのよ。私が手加減しなかったら、あんたなんて、城門の外まで吹っ飛ばしているわよ」

私の一言に皆黙るんだけど、


「ちょっと何真剣な顔しているのよ。冗談よ」

私が慌てて言うと、


「冗談になってないわよ」

気絶していたはずのピンク頭が起き上がって、言ってくれた。

こいついつも最悪の時に目覚めやがって!

私がむっとすると、


「あーん、アドルフ殿下、竜の上は怖かったです」

ピンク頭の奴、いきなりアドにすがり付こうとして、避けられて、そのまま横にいたギャオギャオの顔に抱きついていた。


「きゃっ」

思わずピンク頭が悲鳴を上げた。


ギャオギャオが怒ったら不味いと私は慌てたんだけど、ギャオギャオは顔にピンク頭の放漫な胸を押し付けられて、反対に喜んでいるんだけど……


「あれ、こうしてみると古代竜もかわいいわね」

何か、ピンク頭が喜んでいる。


な、何よこれは! 私がムッとしてギャオギャオを睨み付けると、


「ギャッ」

とかわいく悲鳴を上げるが、プッツン切れた私は思わず横を向いていた。

どいつもこいつも、本当にろくな奴はいない!


私は完全に切れていたのだ。




そこへ慌てて、近衛騎士が駆け込んできた。

「陛下、大変です! バイエフエルトの王都から緊急の連絡です。バイエフエルトの全軍が王都を出たとの報告がありました」

「何だと! こちらに向かっているのか?」

近衛の隊長が蒼白になって、騎士に確認する。

「詳しくは未定ですが、こちらの国境方面に向かっているのは確実だそうです」


「ふんっ、そら見たことか。これで貴様らも終わりだ」

半死半生の王太子が起き上がって叫んでくれた。


「兄上、この生意気な奴、誰なの?」

「ああ、この国の元王太子だ」

「元ということは何しても良いんだよね」

嬉々としてヴァンが言うんだけど。


「な、何、貴様変なことしたらバイエフエルト王が黙っていないぞ」

王太子が粋がって言うが


「お前馬鹿なの? バイエフエルトの傲慢王が、失敗したお前らを許すと思うの? 真っ先に始末されて終わりだよ」

「な、何を、そんな事は……」

王太子のトーンが小さくなった。


「おいおい、そんな事も知らないのかよ。傲慢王の噂を聞いたこと無いのか? この前一揆を起こされた領主は一揆を起こした領民もろとも焼き殺されたんだぞ。失敗したお前らが許されるわけ無いだろう。まあ、どのみち反逆罪は死刑だからな。変わらないと言えば変わらないが」

ジェドまでが言ってくれた。


「いや、そんな」

「まあ、どのみち殺されるなら、城壁の上に縛って晒したほうが良いんじゃないか」

アドまでが言うんだけど。


「いいや、それよりもギャオギャオの餌にしたほうが」

ジェドの声にギャオギャオがギロリと王太子を睨んでくれた。


「ヒィィィィ、それは止めてくれ。」

「ちょっとジェド、ギャオギャオに変なもの食べさせないでよね」

私が怒って言った。

変なもの食べさせてギャオギャオがお腹壊したら大変じゃない!


「それはないと思うけど」

ピンク頭がなんか言ったけれど、私は無視したのだ。


「で、フラン。ギャオギャオに攻撃させるのか」

アドが聞いてきた。


「えっ、そんなの可哀想じゃない。怪我するかもしれないし」

私がむっとして言った。


「えっ、いや、同種のギャオちゃんは帝国の第二師団を殲滅できたんだろう。バイエフエルトのへなちょこ軍なんて一撃だと思うけれど」

アドが言うが、私はギャオギャオにそんな酷いことをさせたくない。


「私がエクちゃんでやるわ。恐らくエクちゃんなら大丈夫だと思うから」

私が自信を持っていった。


「それって単に姉上が暴れたいだけだよね」

ジェドがボソリと何か言ってくれた。


「ジェド、何か文句あるの」

「そんな、姉上に逆らえる奴がいる訳無いよ」

ジェドは私から一気に半径10メートルほど離れたんだけど。


なんかちょっとムカつく!


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

ついに武のルブランの真骨頂の登場です!

宝剣エクスカリバーが炸裂するか?


次は明朝です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ