バイエフエルト国王視点 ついにフィーアネンの女王を自分のものにする時が来ました
今は槍ヶ岳の北鎌尾根 北鎌平まであと少しのところに来てます
電波悪くて
俺の名は旧帝国各国に知れ渡った大国バイエフエルト国王カスペルだ。
旧帝国国家最大の版図を持ち人口は300万を超えていた。
当然このあたりで最大国家だ。
そんな俺が若い頃目をつけたのが隣の小国フイーアネン王国の王女だったラウラだ。
俺は大国の王太子で当然俺から申し込めば二つ返事で頷いてくれると思っていたのだ。
それを何をトチ狂ったかフイーアネン王国はこの縁談を断って来たのだ。
世論は沸騰した。王太子の思いを踏みにじるとは小国のくせに何たることかと。
俺は一個師団を率いて、そのフィーアネン王国に攻め込んだのだ。
なあに、形だけだ。すぐにフイーアネンの連中は降伏してくるだろうと。
そうなったらラウラを強引にものにするだけだ。
俺は舌なめずりをしたのだ。
しかしだ。フイーアネンは最終兵器を隠し持っていたのだ。
我々の大軍の目の前で、見目麗しい女が真ん中に出てきたのだ。
俺は俺の許しを得るために献上される奴隷女が出てきたのかと見間違うほどその女は美しかったのだ。
そして妖艶だった。
その女がにこりと笑ってくれたのだ。
皆ボケッとその笑顔に見惚れていた。
それが罠だったのだ。
その美しい女に皆が見とれている時だ。
女の手からいきなり閃光が走ったのだ。
それは一瞬だった。
次の瞬間、我々の師団の中央に巨大な爆発が起こり、我が師団は一瞬で殲滅されたのだ。
周辺諸国最強の我が第一師団が何も出来ずに地上から消滅した瞬間だった。
俺はその時の屈辱を未だに忘れていない。
帰った後父にどれほど怒られたことか。
破壊の魔女の相手をするなど何たる事だと。
我が軍の半数が失われたのだ。
それから20年。やっと失われた師団の育成が終わったのだ。
フイーアネンはいい気になって今まで威張っていたが、我軍が圧力を周辺諸国にかけると皆右に習えで我が国の方を向いてくれたのだ。
これで完全にフイーアネンは孤立する。後はどう料理するかだ。
流石二個師団の力は違う。
更に我が国には破壊の魔女に対抗するために魔術師団まで作り、日々訓練に継ぐ訓練をさせていたのだ。
今度は破壊の魔女とやらがいても絶対に勝てるはずだ。
そんな時だ。商人のブルーセマが話を持ってきたのだ。
自分を子爵位にしてくれたら、ラウラ女王を愛人に進呈すると。
俺は狂喜乱舞したのだ。
あの女さえ、素直に言うことを聞いていればこんな苦労をする必要はなかったのだ。
あの女のせいで俺はどけだけ苦労したことか。
今更俺の所に謝りに来ても俺としては許せなかった。
もう愛人は足りているのだ。
何なら兵士共に犯させて泣き叫ぶさまをさかなに楽しむのも一興かもしれない。
俺はその時の女王の泣き叫ぶさまを想像して一人ニヤニヤと笑っていたのだ。
「申し上げます」
そこにフィーアネン王国に派遣していた伝令が帰ってきた。
その伝令の持ってきた情報は由々しきものであった。
なんでも、あの破壊の魔女の娘が女王の味方についてフイーアネン王国の此方側の人間全てを一掃したというのだ。せっかく手なずけた憎き女王の王配でさえ、一撃の元やられたそうだ。
何ということだ。またしても破壊の魔女か。
俺は完全に頭に来た。
しかし、今度は我軍が勝てる。
なんでもその破壊の魔女の娘は魔術はからきし使えないそうなのだ。
そして、今回は我が全軍2個師団と対破壊の魔女用の魔術師団がある。
対してフイーアネン側は騎士団が壊滅して近衛騎士団しかいないそうなのだ。
どう考えてもこれは楽勝だった。
それにプラスしてブルーセマがやられたのであれば、ブルーセマが自分のものにしようとしていた侯爵令嬢を自分の後宮に入れるのも容易かろう。
何ならフイーアネン王国を併合した後にその二人をじっくりと寝台でいたぶるのも乙なものだ。
俺は直ちに全軍に招集を駆けたのだった。
この周辺国などフイーアネン王国並みに小国ばかりだ。
次々に併合できるだろう。
擦れば古の旧帝国を復活させることが出来るかもしれなかった。
俺は、ここからはじまる旧帝国への道への道筋を思い描き、笑いが止まらなくななったのだった。