叛逆者たちをやっつけましたが、怒った王妃様の顔を思い出してしまいました
すみません。今、上高地です。今日は凄い人です。この三連休、ちょっと修行????してくるので、更新が不定期になります。お許しください!
皆はギョッとして私を見ていた。
王太子なんてガクガクふるえている。
ついでに殴りつけようとして、私はガクッと膝をついたのだ。
なんか変だ。
慌ててアドが飛んで来た。
ちょっと陛下は誰が守るのよ、と思ったが、近衛達が守っている。
「ほっ、やっと効いてきましたな」
ガマガエルが笑った。
「何をしたのだ!」
王配が私に殴られて建物の外に飛んで行ったのを見て正気に返った女王が聞く。
「ふんっ、狂犬女は面倒ですからな。毒を盛ってやったのですよ」
ガマガエルは言ってくれた。
「な、何ですって、あなた達、私の客にそんな事をしたの!」
女王が憤って言ってくれた。
「まあ、我々は陛下の為にやっておるのです」
「そうです。叔母上。我らが逆らったところで、バイエフエルトに蹂躙されるだけです」
王太子のとっちゃん坊やが言ってくれるんだけど。
「ここは素直にバイエフエルトに我らのためにその身を差し出して頂ければ」
「何と言うことを。あなた達は反逆すると言うのですね」
「何をおっしゃるのやら。陛下のご乱心と言うことで」
ゲス共が女王に何か言っている。でも、私はそれどころではなかったのだ。
「アド、お腹が減った」
そう、私はしばらく大したものを口にしていなかったから急に動いて、エネルギー不足に陥ってしまったのだ。
「あのな……フラン。心配させるなよ」
アドは心底安心した声で、腰からお菓子を取り出してくれた。
「今頃、解毒剤を飲ませても無駄……何をしているのだ、お前達は?」
ガマガエルは私がお菓子をむさぼり食べているのを見て唖然としていた。
「へいは、ちょっろまっへくらはい」
私が食べながら陛下に叫ぶ。
「何を言っているのだ! あれだけ毒入りの食事をパクパク食べておったのだ。効いていないはずが……」
私はそのガマガエルを見て、ゆっくりと立ち上がったのだ。
みんな唖然として私を見ている。
「そんな馬鹿な。そろそろ利いてくるころだ……ギャーーーー」
私は減らず口を叩く、悪徳商人を思いっきり剣の横っ面で張り倒してやったのだ。
商人も壁を突き破って場外に飛んでいったのだ。
全員呆然とほうけたように私を見てくれるんだけど。
「な、何故だ? 何故、毒が利いていない?」
騎士団長が叫んでいる。
「ふんっ、あなた達とは鍛え方が違うのよ!」
私は大見得を切ってやったのだ。
「嘘だ。あり得ない」
騎士団長は必死に叫んでいる。
「さあて、女王陛下、反逆者どもを成敗しますのでそこで見学してて下さいね」
私は上段に剣を構えたのだ。
「ええい、何をしている。やってしまえ」
恐怖に駆られた王太子が叫んでいた。
私はそのまま、騎士団長に剣を叩きつけたのだ。
騎士団長は剣を構えて私の剣を受けようとしたが、そんなの受けられるわけはないのだ。
私の剣を受けられるのは剣聖とかお父様とか本当に限られるのだ。
食い物をくれなかった恨みは溜まりに溜まっていた。その恨みを怒りに変えて叩き斬ったのだ。
騎士団長は剣もろとも吹っ飛んで壁を突き破っていた。
アドが後ろの騎士に斬りかかる。
私は前の騎士に更に一振りで2人の棋士を壁に叩きつけた。
騎士達は本当に弱かった。
「待て、化け物、待ってくれ」
そう叫ぶ王太子が必至に後ろに下がるが壁にぶつかったのだ。
「待て、お前が私に酷いことをして許されると思うのか。バイエフェルトの陛下が貴様を許さないぞ」
「あっそう。バイエフエルト、バイエフエルトって煩いのね。所詮旧帝国の残滓として生き残っているだけの三流国じゃない。私は全然怖くないんだけど」
そう言うと私は王太子の胸ぐらを掴んで持ち上げたのだ。
さすがに帝国と問題起こすと陛下に怒られるけど、別にバイエフェルトくらい問題ないよね!?
「いや、待ってくれ。俺が悪かった。反省する。だから……」
「わびは閻魔大王様の前でするのね」
そう言ってにこりと笑うと思いっきり殴ってやったのだ。
王太子は窓ガラスに頭から突っ込んで中庭に飛んで行った。
その頃にはアドと残りの近衛騎士達が、騎士の残党を一掃していた。
女王に反逆を起こした騎士たちを完全に制圧したのだ。
後の細かいことはアドらに任せておけばいいだろう……
でも、人数が少ないから私も働かなくてはいけないみたい。今日は後始末してくれるジェドやヴァンもいないし……便利なメラニーもいないし……
うーんがっかりだ。
暴れるのは憂さ晴らしに良いんだけど、後片付けが大変なのよね!
でも、こんなことやったのが知れたらまた、王妃様やフェリシー先生に怒られるかな?
私は不吉な事に思い至ったのだ。
お腹が一杯になったフランの前に敵なしです。
でも、心配事が……
この続きは今夜
王宮編です。