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悪徳商人の視点3 狂犬女を今度こそ泣き喚かせることにしました

俺はあのクソガキの蹴りで鼻が陥没し全治1ヶ月の重傷を負ってしまったのだ。


もう赦せなかった。


絶対にあのガキは俺に逆らったことを後悔させてやる。


俺はサンデルから、あの女がどこで拾ったのか病人の男をハルスカンプ侯爵家の離れに匿っているのを掴んだ。男はどうやら、その女の恋人みたいだ。こうなったら、その男共々処刑してやる。



俺は直ちに、騎士団長にケルクドール伯爵とサンデルと一緒に会いに行ったのだ。


「これはブルーセマ殿。この度は申し訳ありませんでしたな」

騎士団長が謝ってくれた。


元々騎士団管轄の獄中での出来事なのだ。騎士団長の責任であると言えば言えたが、


「まあ、あの狂犬に対して、私も油断したのもありましょう」

「そう言っていただくと、こちらとしても胸のつかえが取れます」

ホッとしたように騎士団長が言った。


「で、今日はどのようなご要件ですか。法務大臣殿とご一緒にいらっしゃるとは」

「実はハルスカンプ侯爵家のことですが、あの狂犬女がご令嬢のカトリーナ嬢を焚き付けて叔父のサンデル様一行を追い出されたのはご存知ですな」

「それは聞いておりますが」

「私としてもあの口のでかい詐称女がいなくなれば、カトリーナも態度を変えると思ったのだが、中々頑ななのだ。それで、カトリーナがどうしても反省しないということならば、反省房に入ってもらおうと思っての」

サンデルが私の後を継いで言った。

「こ、侯爵令嬢をですか」

サンデルの声に騎士団長が驚いて聞いていた。


「侯爵家の継承の件だが、ブルーセマ殿のご尽力によって、叔父のサンデル殿で行くという方向で王配殿下の了解まではもらえたのじゃ」

法務大臣のケルクドリール伯爵がにこやかに言った。


「左様でございますか。王配殿下も了承されたと」

騎士団長が安心したように頷いた。

「そうなのじゃ。基本的に女王陛下が王配殿下の意見に反対されることはないしな」

ケルクドリールはにこやかに言う。


金の力は偉大なのだ。あのこしゃくな狂犬が盾に取った貴族年鑑など、国の中枢が認めさえすればなんとでもなる。


王配殿下さえ認めて頂ければ、後は女王陛下の裁可さえ取れれば決まる。

基本的にこのようなことに女王陛下が反対されることはないのだ。


サンデルが侯爵家の後を継げば、カトリーナを俺の後妻にするなど、容易い。サンデルが命じればお終わりだ。俺はそれを思うとほくそ笑んだ。


「サンデル殿の配下が掴んできたのだが、なんでも、あの狂犬女は恋人を侯爵邸に匿っていたのだそうですぞ。今回の詐称事件にも重大な役割を果たしているに違いないと思いましてな。閣下の麾下の騎士団にご足労賜ればと思って参った次第です」

「なるほど、では早速に騎士団を向かわせましょう。サンデル様も一緒に参られますか」

「そうですな。我が屋敷ですからな」

サンデルはもはや侯爵気取りだった。まあ、それだけ金を使ったのだ。今後も俺のために働いてくれれば良いと思っていたのだが……



しかし、喜び勇んで出て行ったサンデルは、その男たちを捕まえるのを失敗したのだ。

騎士団も騎士団だ。何をしているのだ。


カトリーナとその男達は騎士団の襲撃の中、逃げ出したのだ。

騎士団で数名の負傷者が出た模様だ。

また見舞いの付け届けをしなければいけないのかとうんざりした。


なんでも、その狂犬女の恋人の剣技が予想以上に凄まじかったらしい。

百戦錬磨の騎士団の連中が圧倒されたのだとか。


こうなれば逆だ。狂犬女を詐称罪と騎士に対する暴行罪、隣国の大使館員に対する暴行罪。俺に対する暴行罪で本来は処刑したかったが、すぐには難しかろう。


だが、娼館送りくらいにはすぐに出来るはずだ。


娼館に送って部下の破落戸共に襲わせて、そこへ助けに来た男共々始末することにしたのだ。


恋人の前で泣き叫ぶ狂犬女をいたぶるのも一興だ。


「ふん、あの狂犬女め。今度こそ目にもの見せてくれるわ」

俺は高らかに笑ってやったのだった。


フランに対して陰謀を企む悪徳商人。

次はやっとフランの登場です。

そろそろ山場です。

明朝をお楽しみに

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