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【3万ポイント達成記念】アド視点12 作戦考えて古代竜を出し抜いて婚約者に会いに行きましたが失敗しました

皆々様のおかげて初めて3万ポイント獲得してました。

これも応援して頂いた皆様のおかげです。

ここに感謝を込めて閑話を上げます。

俺はギャオギャオとか言う馬鹿竜にコケにされて切れていた。


せっかくハッピ堂の新作ケーキをフランのために持っていったのに、ボケ竜に取り上げられてしまったのだ。

その上、前足で叩かれてため池に突き落とされたのだ。これほどの屈辱はかつてなかった。


せっかくの俺の努力がパーだ。


しかし、やつは所詮爬虫類、人間様には勝てないのだ。


俺は作戦を考えることにしたのだ。




「うーむ」

俺は仕事そっちのけで考え込んだ。


「おい、アドルフ、いい加減に仕事してくれよ」

「そうですよ。殿下。さっさと仕事してください」

側近共が言い立てるんだが、


「何を言っている。フランの関心をこちらに向けるのが一番の国益だろうが」

俺が言うと


「まあ、確かに。帝国の第一皇子が興味を持っているそうですし」

「旧帝国の今度は皇帝の遠縁の者が求婚したとか」

「ホルム王国のこの前留学してきた王子も婚約を申し込んできたと言う情報も」

側近たちが話し出すんだけど、


「おい、待て、それはどういう事だ! フランには俺という婚約者がいるんだぞ」

俺は慌てた。


「殿下はフラン様に振られたと思われているのでは」

「この前も護衛の古代竜に足蹴にされたとか」

「それを各国の諜報網が掴んだのでは」

「な、何だと。こうしてはおられん。すぐにフランに会いに行かなくては」

俺が慌てて立ち上がろうとした時だ。


「でも、殿下、フラン様と会えるんですか?」

「この前のことまだ怒っていらっしゃるとか」

「俺はフランが反省房に閉じ込められたのを知らなかったんだよ。そもそも、お前らも掴んでいなかっただろうが」

「まあ、あの時は公国の出方が判りませんでしたから」

「そちらに全ての力を傾けてしまいました」

「弟君からは知らせはなかったですし」

側近たちが言うんだけど。


弟はフランに傾注していて、俺とフランならばフランを取るのだ。

下手しなくても婚約者の座を狙っているのは確実だ。


また、帝国の第一皇子は親に似ずイケメンだ。親はフランの両親に少なくなった髪を燃やされて今はスキンヘッドだ。スキンヘッドが格好いいとか言う愚かな奴らもいるが、単に髪の毛が無くなったのを隠す照れ隠しでしか無い。

その見るも無惨な皇帝も昔はイケメンだったそうだ。

だからフランには第一皇子はいずれはハゲると散々コケ降ろしておいたのだ。


「殿下、流石にされは可愛そうでは」

親の髪が薄くなり始めているオーレリアンがいたたまれない顔をしている。そう言えばハゲは親からの遺伝するみたいだ。まあ、俺は大丈夫だが。


「まあ、ノエルに酷いことしたから当然よね」

フランはその事を聞いても怒っていた。そうだ。元々フランを付け狙ってきたのは帝国だった。

「まあ、フラン様が帝国に嫁に行くことは無いですよね」

ジルベールが言ってくれるが、


「何言っている。フランは俺の婚約者だ! 俺のところに嫁に来るに決まっているだろう!」

俺はそう叫ぶが、側近たちはすぐに頷いてくれなかった。


「まあ、でも、殿下はいつもフラン様を怒らせていますから」

「いつ、フラン様に振られるか判りませんよね」

リシャールに、オーレリアンが髪の恨みとばかりに言ってくれた。


「それじゃまずいんだよ。すぐにフランのところに行くぞ」

俺はオーレリアンを引き連れて執務室を飛び出したのだ。

「えっ殿下ちょっと」

「仕事どうするんですか?」

「今は仕事よりもこちらの方が大切なんだよ」

側近たちに言い切ると俺はオーレリアンを連れてドットケーキに行ったのだ。



俺たちが行くとオーナーが、

「殿下、この特大のケーキとミニケーキ作りましたけど、この特大ケーキをフラン様が食べられるんですか?」

俺でも一抱えもありそうな巨大ケーキを前にオーナーが言うんだけど。


「違う、そんなわけ無いだろう! これはフランのペット用だ」

「ああ、あの捕まえられた古代竜ですか! それなら納得しました。私も流石にフラン様はこれだけの量は召し上がらないだろうと申したのですが、店のものがフラン様なら食べられるって皆で申すもので」

オーナーが何か言っている。それをフランが聞いたらまずいだろう。


「何言っているんですか? 一番強く言っていたのが,オーナーじゃないですか」

店の者が言うので俺は白い目でオーナーを見ると、

「いやあ、何しろフラン様はケーキの大食い記録保持者ですから」

オーナーは頭をかいて言ってくれるた。


「まあ、フラン様なら食べようと思えば食べられると思いますけど」

余計な事を言うオーレリアンを睨みつけていた。


「今の言葉フランに伝えておいてやるよ」

「いや、嘘ですから、ちょっと殿下、待ってくださいよ。流石に俺も命無くなりますから」

俺の言葉に慌ててオーレリアンが否定するが、もう遅いのだ。



そして、俺たちは公爵のタウンハウスに来たのだ。


「本当にやるんですか?」

「嫌なら、さっきの言葉をフランに言って」

「判った、やりますから、やれば良いんでしょ」

オーレリアンは巨大なケーキを箱から出すとそれをもってえっちらおっちら本邸に向かった。


それを途中で寝そべっていた古代竜がのそりと頭を上げてみた。


「逃げるんだ」

俺の叫び声と同時にオーレリアンが反対側にケーキとともに駆け出して


「ギャオ」

ボケ古代竜がそれを追いかけだしたのだ。


正面玄関には誰もいなくなった。

次の瞬間俺はミニケーキを抱えてダッシュしたのだ。


「ギャッ、止めろ。俺の髪を咥えるな。ギャーーーー」

オーレリアンの悲鳴が聞こえたが、フランのペットだ。まさかオーレリアンごと食べることは無いだろう。


そう思いつつ「安らかに眠れ」

と合掌した時だ。


俺の手からいきなりケーキが箱ごと消えたのだ。

「えっ?」


そして、俺の視界が暗くなった。


ダン!


次の瞬間俺は地面に押し倒されて、身動きできなくなったのだ。


「えっ?」

動こうにも俺の上には巨大な古代竜の足があったのだ。


「どうしたのギャオギャオ」

フランの声が遠くからした。


「えっ、それってドットコムのケーキじゃない? どうしたの?」

「ギャオーーー」

「えっーー、ギャオギャオがもらってくれたの? オーナーは? えっ、帰ったの?」

違うぞ、フラン、それは俺が持ってきたのだ。


俺は心のなかで叫んでいたが全然動けなかったのだ。


10分後にオーレリアンに助け出された俺はしばらくは話すことも動くことも出来なかったのだ……


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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