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【書籍発売記念】野宿して古代竜を警戒しました。

「「「えっ!」」」

騎士や侍女たち、クラスの面々も、基本的に地上最強の古代竜が、普通は一個師団でも殲滅されてしまう古代竜が、私とおばあちゃんに横っ面を張られた形で吹っ飛んで行ったのに唖然としてていた。


古代竜は


ギャオオオオーー


と泣きながら何処かに飛んでいった……


「凄いじゃない、フラン。古代竜よりもあなたって強かったのね」

「流石に破壊……」

私はノエルの次に余計な事を言おうとしたアルマンを睨んで黙らせたんだけど。


「凄いです。フラン様」

「さすがフラン」

「まさか、史上最強の古代竜を弾き飛ばすなんて思っていなかったわ」

ジャッキーたちが私に駆け寄ってきてくれた。


「いや、私は当然だけど、おばあちゃんも凄いのね」

私は雷撃を食らわせたおばあちゃんに驚いていた。

私の婚約者のアドは魔術自体は大したことはないし、まさか、王族のおばあちゃんが古代竜に通用する魔術を使えるなんて思ってもいなかったのだ。


「どうだい、見直したかい。私も前国王陛下に嫁ぐ前は魔術師として結構鳴らしていたんだよ」

おばあちゃんが胸を張って自慢した。


「本当に凄いじゃない」

「素晴らしいですわ。王太后様」

「本当に」

私の言葉についでジャッキー達もはしゃいで言ってきた。


「そうだろう」

おばあちゃんが自慢げに言うのに


「王太后様。お言葉が乱れております」

執事さんが注意してきた。


「もう、アランも煩いね。煩い王妃がいないんだから良いじゃないか」

おばあちゃんが言うんだけど。


「?」

ジャッキーらはキョトンとしている。


「礼儀作法に厳しいのは王太后様だろ?」

アルマンなんか隣のバンジャマンに確認していた。

「俺はそう聞いているけど」

バンジャマンも不思議そうにしていた。


「そこ、なんか言ったかい?」

おばあちゃんが睨むと


「いえ、何でも無いです」

慌ててアルマンとバンジャマンが直立不動で突っ立っているんだけど。


「まあ、昔は息子らの嫁の手前もあって厳しくしていたけれど、最近は離宮住まいだからね。言葉も昔に戻ったのさ」

おばあちゃんはあっけらかんと言ってくれるんだけど。


皆驚いて見ていた。


「まあ、私は思ったこと無いけど、おばあちゃんは礼儀作法が厳しいって貴族社会では有名だからね」

私が言うと、


「あんたがよく言うね。礼儀作法を注意する前にお菓子を見つけたフランが私の膝の上によじ登って食べだしたんじゃないか」

おばあちゃんが余計な事をバラしてくれた。


「えっ」

「フラン様があの厳しいと有名な王太后様の膝の上に乗られたなんて」

「流石、フラン」

「あの厳しい王太后様の膝の上に乗ってお菓子を食べだすなんて」

「さすが食い意地が張っている……」

「食べ物の前では無敵だな」

みんな、好き勝手に言ってくれるんだけど。


「えっ、そうだっけ? おばあちゃんこそ、唖然とする侍女さんたちの前で私にお菓子を食べさせてくれていたじゃない」

私が慌てて言うと、


「そうだったかね。昔のことで忘れてしまったよ」

おばあちゃんは誤魔化してくれたけど、絶対にうそだ。


私は声を大にして言いたい。


「やっぱり、フランがあまりにも図々しすぎるから逆に王太后様に気に入られたのね」

メラニーが言うんだけど。

メラニーだけには聞かれたくなかった……。



結局その日は暗くなってしまって、途中の集落の傍で野宿することになったのだ。


おばあちゃんらと侍女たちは村長の家に厄介になって、後の私達は村長の家の庭に非常用のテントを張ってもらって、そこで泊まることにしたのだ。


私達は篝火で肉を焼いたりして結構楽しんだのだ。


村長らは魔物らが寄ってきたら大変だからと言って躊躇しているんだけど。


「その時は騎士さんたちがやっつけてくれますから」

私は平然と騎士らに言い切ったのだ。


小物くらいは退治してくれないと騎士としての矜持もあるだろう。


「さすがフラン、護衛騎士さんらに容赦がない」

アルマンが言うと


「何他人事に言っているのよ。あんたらもよ。後一年したら騎士として配属されるんでしょ」

私がアルマンらに言う。


「えっ、いやそうだけど」

「まだ一年以上あるかなと」

アルマンらが言うんだけど。それは甘えだ。


「何言っているのよ。私なんか母に5歳の時に一人で魔の森に放り出されたんだから。それに比べればよほどマシでしょ」

「破壊女のフランと比べられても」


アルマンが余計なことを言うので、

「何なら皆、我が領地に招待してあげようか」

「いや、ちょっと待って」

「それはちょっと」

「じゃあ、歩哨くらい交代でやってよね。小物くらいは皆で協力して倒すのよ。大物が出て来たら呼んで。今度は手加減せずにやるから」

私が言うと


「ちょっとフラン、そんな事したらこの村が廃墟になるから。絶対に手加減するのよ」

「ええええ! 手加減するの難しいんだけど」

私の文句はメラニーの人睨みで黙らされてしまった。


うーん、本当に面倒くさいんだから。


でも、私もやられたその日に古代竜がもう一度襲ってくるとは思ってもいなかったのだ。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。


このフランと王太后様の出会いを書いた閑話が、書籍のおまけでレジーナブックスのホームページに載っています。


よろしければ読んで下さい。


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