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【書籍化記念】王宮の晩餐会は私と王太后様しか話していませんでした

いつも皆様方には応援して頂いてありがとうございます。


本日、この本が、皆様方のお陰で、全国1200以上の書店様に並びました。


未だに現実だとは思え無かったのですが、実際に本屋さんで自分の本が山積みになっているのを見て、初めて感激しました。


本当にありがとうございました。


この3年、辛いときも苦しい時もありました。


でも、ここまで続けられたのは応援していたただいた皆様方のおかげです。


とても感謝しております!


これからも頑張って更新していくので、よろしくお願い致します。

やったー、最悪のフェリー先生の補講が無くなった!


さようなら補講、こんにちは私の夏休み!

諦めていた夏休みがやっと私の元に戻ってきたのだ。


それも王都から離れたところにある高原の離宮に行けるだなんてだなんて、夢みたいだ。

煩いフェリシー先生も王妃様もこの調子では絶対についてこないはずだった。私にとっては最高の環境だった。


先生らがいなかったら大喜びで、飛び跳ねているところだった。



「ありがとう、おばあちゃん」

私は飛び跳ねる代わりにおばあちゃんに抱き着いてほっぺにキスしていた。


「フラン、何もそこまで喜ばなくても」

おばあちゃんは口ではそう言っているが、目元がほころんでいた。

フェリシー先生も王妃様も普通ならば、「はしたない!」と言って注意したと思うけれど、おばあちゃんの前では何も言ってこなかった。


それに離宮に行くならば、皆との約束もある。

領地の魔の森に行くよりは離宮の方が絶対に良いところだろう。

私はおばあちゃんに頼んでみた。


「おばあちゃん、離宮には私のクラスの友達を呼んでもいいかな」

「ああ、いいよ。離宮は広いし、例え千人呼んだとしても入れるよ」

私が聞くとおばあちゃんは喜んで頷いてくれたのだ。


「本当に! ありがとう」

再度抱きつくと、私は直ちにクラスの皆に連絡したのだ。

大半のクラスメイトたちは喜んで参加してくれることになった。


そして、その日の夜はいつもは畏れ多いと出来る限り参加しない、王宮のディナーにも私は呼ばれたのだ。

というか、陛下も王妃様も私を呼ぶのに必死だったんだけど……


いつもはそこまで歓迎されないし、王妃様に礼儀作法でグチグチ注意されるので、私も参加するのを躊躇するのだ。


「フランソワーズ、今日は王宮で夕食を取ってから戻りなさい」

王妃様は決定事項のように言ってくるんだけど……


「うーん、でも、家には帰って食べるといっていますし、離宮に行く準備もありますから」

私が断ろうとすると、

「何を言っているのです。フランソワーズ。準備など、家の者にさせれば良いでしょう。公爵家には私からその旨伝えておきますから」

王妃様は私にそう言うと強引に私の参加が決まったのだ。


うーん、いつもと全然違う……


アドとヴァンは併合した公国に出張していて王宮にはいないし、まあ、おばあちゃんと話せるから私は良いけど。



王宮のディナーの参加者は陛下と王妃様とおばあちゃんと私の四人だけだった。陛下と王妃様は向い合わせなんだけどそこから大分離れて王大后様と私が座っているんだけど。


それも何故か上座なんだけど……


陛下と王妃様が必死に私を誘った理由が垣間見えた。


いつもは王宮のデイナーは憂鬱なのだ。やれ食べ方が優雅でないだの、食べながら話してはいけないだの、いつも注意受けまくりなのだ。だから私も憂鬱なのだが、今日はおばあちゃんがいるから、絶対に私は礼儀作法で注意されない。


そう言う事で、私は大手を振ってシェフの腕によりをかけたディナーを堪能したのだった。



陛下と王妃様はとても静かだった。

時たま王妃様の目が光るが、おばあちゃんを見ると慌てて目をそらすんだけど。



私とおばあちゃんの声だけがやたら響いていた……


「そうなのね。フランにはバスティアンが迷惑をかけたわね」

私がサマーパーティーの時の話をするとおばあちゃんが謝ってくれた。


「ううん、殿下も絶対におばあちゃんの事を誤解していたと思うの。おばあちゃんが厳しいのは王弟殿下だけではないって。陛下にも厳しく当たっていらっしゃったのに!」

「フラン、お前だけだよ、そんな事を言ってくれるのは」

「ううん、私の方こそ、おばあちゃんには感謝の言葉もないわ。今回の件で私のことを褒めてくれるのはおばあちゃんだけよ」

私はちらちらと陛下たちを見ながら言った。


「そんな事は無いでしょう、フラン。今回の反逆を防いでくれたのは、全てフランの活躍のおかげじゃない!」

「でも、学園を壊してしまったし」

私が気まずそうに言うと、


「何を言っているのよ。壊れた学園は直せば済む話でしょう。それよりも、人の命のほうがよほど大切ですよ。皆の命もお前が守ってくれたんでしょう」

「まあ、私の目の前で人が死ぬのは嫌だから」

前世では病院で親しくなった人たちが次々に亡くなったから、人が死ぬのは嫌だ。

「魔人になったトラクレール公爵家の娘まで助けてくれたそうじゃない」

「クラリスには私も今まで散々迷惑をかけたし、トルクレール公爵家は国にとってとても大切な家だから」

私はもっともらしくうなずいた。


何しろ我が家とラクロワ公爵家が喧嘩した時に間に入ってくれるのは公爵しかいないし。


「でも、その娘のせいで反省房なんて処に閉じ込められて毒殺されそうになったんでしょう?」

「まあ、クラリスは旧帝国の魔道具で変になっていたから仕方がないのよね。それよりも反省房の食事は悲惨だったけど」

あれは絶対に食事ではなかった。


「なんですって。私の可愛いフランがひもじい思いをしていたなんて、アロイス、どういう事なの?」

おばあちゃんはきっとして陛下を睨みつけたんだけど、

「いや、母上。学園の教育方針には王家は何も言えませんから」

必至に陛下が言い訳しているんだけど。


「そうなの。学園長はブロワよね?」

考える様におばあちゃんが言うんだけど。これは学園長も大変なような気がする。

その事を聞いた学園長が顔面蒼白になって離宮に謝りに来るのは後の話だ。


「でもフランは偉いわ! バスティアンの助命を嘆願してくれたんですって!」

「皆には甘いって言われているんだけど」

これも隣のお二人を見ながら言う。


「そんなこと無いわ! 王族の大切なことは皆に慈愛をもって接することなのよ! バスティアンには私が誤解させてすれてしまったというのもあるから。フランがフォローしてくれて本当に感謝しているのよ」

おばあちゃんはしみじみ言ってくれるけど、周りの皆にはあんたは甘いと散々言われているのだ。寝首をかかれても知らないと。陛下も今一つの顔をしていたし、露骨に王妃様には注意されたんだけど。


私は前世日本の記憶があるし、人にはやり直しの機会を与えるのも大切な事なのだ。


それに寝首をかかれたら、やり返すからいいんだけど。


「まあ、そうなんだけど、皆にはあんたのせいで校舎が壊れたとか散々言われているのよね」

「とんでもないことね。あれだけフランが頑張ってくれたのに。誰がそんなことを言っているの?」

おばあちゃんの言葉に陛下と王妃様が固まった。


「さあ、私も良く覚えていないから」

私は陛下と王妃様をかばってあげたのだ。まあ、おばあちゃんが怒るとその後が大変なのだ。

長いというのもあるし。


「そんな事よりも、おばあちゃん、離宮ってどんなところなの?」

「フランは来たことが無かったかしら?」

「おそらく小さい時に行ったことはあると思うけれど、あまり覚えていなくて」

「そうだったかしら」

私は話題を逸らせてあげたのだ。お二人のために。

これで少しは点数を稼いでいるつもりだった。


しかしだ。新学期になってから、あの時の話し方が成っていなかったとか、王妃様とフェリシー先生から散々怒られたんだけど、注意するなら、その時に言ってよね!

二人の前では怖くて言えなかったけど……



相変わらずマイペースなフランでした

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