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アド視点9 飛んできた婚約者を助けようと手を伸ばしたら飛び蹴りを受けました

そう、俺はフランが反省房なんて処に閉じ込められているなんて思ってもいなかったのだ。そんな前時代的な施設に閉じ込めるなんて、俺が知っていたら絶対に許さなかった。

こんな悪だくみをした王弟と公国のボケ共は絶対に許さなかい!


しかし、弟たちも何をしていたのだ?


後で聞いたところによるとフェリシーの怒りが激しすぎて防げなかったとか。


フランもフェリシー相手に、いないのに夫がどうのと言ってしまったらしい。フェリシーの気にしている地雷をものの見事に踏んでしまったのだ。

まあ、フラン自体は結婚しているしていないということは全く気にしていないし、それで差別するなんてことはありえないのだが……


しかし、俺と人前でキスしてしまったフランをフェリシーは許せなかったみたいだ。


厳しいフェリシーにとっては婚姻前の男女が人前でキスするなんてことは許すべからざる行動だったのだろう。


もっともそうなると三年生の過半は反省房行きになってしまうのだが……


しかし、反省房は俺らが生徒会にいないのを良いことにカミーユがうまい具合に誘導して、警備の騎士たちをカミーユ配下の騎士にしたのだ。


そして、奴らはあろうことかフランを毒殺しようとしたのだ。本当に許せない!


その毒はシルヴァンの配下の王家の影がうまい具合にすり替えたそうだが。


「兄上、もう少しきちんとして頂けないと困ります」

「何を言う。そもそも、お前らは学園にいたんだろうが。フランを反省房に入れるのを阻止すれば済んだ話だろうが」

シルヴァンに文句を言うと、


「あの怒り狂ったフェリシーに言えるわけ無いでしょう。そもそもやらなくてもいいのに義姉上にキスしたのは兄上でしょうが」

そう言われると俺もそれ以上に言い返せなかった。


そもそも俺は何も知らされていなかったのだ。

ここも今後は改善せねば!



まあ、俺が公国の訪問に対して忙殺されていたというのもあるが。


最初に公国は千人もの兵士を連れてくると言っていたのだ。


それをなんとか二百人にまで減らさせるのが大変だったのだ。


父も騎士団長も奴らが行動を起こすのはサマーパーティーの終わった夜、王宮で事を起こすはずだというので、それに対する準備も大変だった。


何しろ連れてきた大半の騎士を公国の連中は王宮に残していったのだ。


それが急遽募兵したハリボテの騎士団だとはすぐには判らなかった。


ギリギリまで、王宮で対応した俺達は父よりも遅れてギリギリに学園に着いたのだ。


その時になって初めて俺はフランが反省房に捕まっているのを知ったのだ。


慌てて解き放つように俺は言ったが、なかなかフェリシーは頷かなかった。


その時間稼ぎの間にまさか、フランが助けた後輩によって殺されようとしているなんて思ってもいなかったのだ。


そして、俺が焦っているうちに、フランが盛大な火まつりを始めてしまったのだ。


もっとも、それを手配したのは3代目だということだったが、大半のものは信じていなかったが。

俺も最初はフランの言い逃れの下手な冗談だと思ったくらいだった。


その見ているだけならきれいな火の玉は、あろうことか学園中で次々に爆発をはじめたのだ。


そして、最後は初代国王の銅像を倒して、ドミノ倒しの要領で大半の校舎を壊していったのだ。


だが、俺達は知らなかったが、その校舎には王弟派と公国の決起するための兵士たちが潜り込んでいたのだ。


その野望をフランは知らぬ間に叩き潰していたのだ。


「…………」


そして、終わった後、はるか先の塔の上には困惑したフランがいた。


「ちょっと、フラン、いくら私たちが憎いからって、私達の校舎を壊すことはないんでないの」

グレースが叫ぶが、騎士たちが校舎に潜んでいたのを知らなかった俺達もそう思ってしまったのだ。


「ちょっと、フランソワーズさん、これはどういう事ですか?」

俺と話していたフェリシーが後ろを振り返って叫びだした。


これはフランは完全に詰んだか?


「ちょっと、フラン、何しているのよ。今はそれどこではないでしょ」

「姉上、緊急事態です」

「そうだったわ」

横からメラニーとフランの弟が何か叫んでいる。


「ちょっと、フランソワーズさん、何とか答えなさい!」

でも、つぎの瞬間、フェリシーの怒り声にフランはビクッとした。



「ちょっとフラン、しっかりしなさいよ」

「姉上、今はフェリシー先生なんてどうでもいいから」

「だって、私の楽しみにしている夏休みが補講でつぶれるじゃない」

何か彼方で三人が言い争っている。


「何言っているのよ。先生にはうまいこと言ってあげるからさっさとやりなさい」

「そうだよ、姉上。僕からも言ってあげるから」


「フランソワーズさん。あなた自分のやったことが判っているのですか?」

「先生、ちょっと黙っていてください」

俺はフランの声に驚いた。


ええええ! あのフランがフェリシーに言い返していた。

これは地震の前触れか?


「だ、黙れですって!」

「いっけーーーーー」

キイキイ声を上げるフェリシー先生を無視して叫ぶと、フランがなんとフェリシーに向けて魔道剣を伸ばしたのだ。


「ギャッ」

フェリシーが、のけぞって避けてくれた。


うそっ、フランはどうしたんだろう?

あのフェリシーに逆らうなんて! それも今は攻撃したぞ。俺は目が点になった。



「良かった。当たらなくて。フェリシー先生がぎゃあぎゃあ言うから思わず手元が狂ってしまったじゃない」

「そんなこと言って、本当は日頃の恨みを晴らすためにわざとされた可能性も」

「なんか言った?」

彼方で何か言い合っている。


「フラン、いくら日頃からフェリシー先生を恨んでいるからって、何も剣を向ける必要はないだろうが」

俺は思わずフランを注意したのだ。


「な、何ですって!」

フランが俺に対して叫んだ。


そして、フランは彼方から俺めがけて飛んできたのだ。


「えっ、ちょっと、フラン、いきなり飛んで来るのは良くないぞ、いくらしばらく会えなかったからって」

俺はフランが怒り狂っているのが判らなかったのだ。


俺がフランが地面に激突しないように抱きしめようとしたときだ。


何故か俺の目前にフランの足があった。


そう、俺は怒り食らったフランの飛び蹴りを顔面に受けてしまったのだ。

いつもお忙しい中、読んでいただいてありがとうございます。

誤字脱字報告、感想、良いね本当にありがとうございます!

ブックマーク評価等して頂けた皆様方には感謝の言葉もございません!


本の発売まで後一週間切りました。

初めての本どうなるんだろうと不安と期待でいっぱいです!

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