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魔人の前に愛剣エクちゃんを出しました。

黒い怨みつらみが束になって私達に襲いかかってきたのだ。


凄まじい勢いだった。


私達は弾き飛ばされた。


「ギャッ!」

地面に叩きつけられる。


さすがの私も堪えた。とっさに目の前に障壁を張ったが、それでもすべてを吸収できなかった。


衝撃が体中を走る。下手したらあばらの一本や二本折ったかもしれない。


こんな目に合うのは剣聖にボコボコにされて以来だ。


なんでだろう? いつもに比べて体の動きが悪い。


魔人はそんな私を見てニヤリと笑ったのだ。


私に向かって拳を振り下ろしてきたのだ。


私が避ける。


その避けたところにまた。


避ける私。


更に避けたところに。


しつこい!


私は魔人の拳の前に障壁を張ったのだ。


しかし、


パリンッ


あっさりと障壁は割られてしまったのだ。


「えっ」

私の障壁が簡単に割られてしまうなんて、私は驚いて反応が鈍った。


そこを魔人の拳が襲い掛かってきたのだ。


避けきれずに魔人の拳が私をかすった。


その勢いで、私は弾き飛ばされてしまったのだ。


なんか、いつもと反応が違う。やっぱり変なものを食べたんだろうか?

私はヴァネッサに給仕された食事の中に人の致死量の10倍もの毒が仕込まれていたことを知らなかったのだ。

それで調子が出なかったのだ。


後でそのことを知って「だから調子が悪かったんだ」

ぼそりと言ったら、

「生きているあんたがおかしいのよ」

メラニーに思いっきり言われてしまった。

「普通は少しは警戒しなさいよ。あんたの事だから山で遭難して久々にありついた食事みたいに、何も考えずにがっついて食べたんでしょうけど」

「……」

メラニーの言葉に私は何一つ返せなかったけれど。


そして、そのまま思いっきり地面に叩きつけられたのだ。


ただし、今度はちゃんと障壁で吸収して体へのショックを和らげた。

「ようし、やっと調子が戻ってきた」

私はそう感じた。やはり準備運動が足りなかったんだろうか? これからは戦う前に準備運動をしなければ。私は全く頓珍漢な事を考えていたのだ。

体を動かすことによって毒を中和していたのを知らなかった。



「はああああ? ふつうそんな訳ないでしょ。毒を盛られたら絶対安静よ」

後で話したらメラニーに完全に馬鹿にされた。


「その前に死んでいるって」

「やっぱりフランは化け物だったんだ」

「というか、普通毒で死ぬだろう!」

「だからフランの胃袋は銅でも鉄でも消化できるんだって」

「案外フランって毒も栄養源にしているんじゃないか」

「本当にあり得ないわよね」

後で散々馬鹿にされた。最も馬鹿にしたやつらの頭は叩いたけれど。

さすがにメラニーだけは怖くて叩けなかったけれど。


「やっぱり姉上の胃袋は鋼鉄製だったんだ」

納得顔で言うジェドの頭も叩いていた。



やっと体の動きが普通に少し戻ってきた。

私は嬉しくなった。



でも、魔人は私にダメージを与えたと誤解したみたいで、


「ガォーーーー」

勝利の雄叫びを上げたみたいだ。

さすが単細胞。こんなので私がやられるわけは無い。

私は立ち上がった。


それを見て魔人はむっとした。


両手を広げて

「グォーーーー」

咆哮を上げるや、また闇の一撃をお見舞いしてきたのだ


なんか、凄まじい怨念だ。クラリスの私に対する怨念を100倍くらい膨らませたみたいだ。


この闇に囚われたら私も魔人になるかもしれない。そうなったらエルグランは終わりだ!


でも、体の動きは良くなってきたと言ってもまだ少し硬い。

このままではやばい。魔力のリミッターを外すべきか? でも、下手したら学園だけでなくて王都も壊滅してしまうかもしれない。

それは良くない。

私は太ももに硬いものを感じた。そういえば愛剣を持っていたのだ。

「これだけは絶対に壊すなよ」

父からは念を押されていたから最近は使っていなかったけれど、この剣なら何とかなるだろう。


「させるか!」

私は叫ぶや愛剣エクちゃんを抜き去ったのだ。


エクちゃんは金色に光るや黒いもやもやを一瞬で弾き飛ばしてくれたのだ。


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