表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

231/319

最後の決戦を始める前に婚約者に飛び蹴りしました

「…………」


私は目の前の校舎が全て全壊してしまって、唖然としてしまった。


「ちょっと、フラン、いくら私たちが憎いからって、私達の校舎を壊すことはないんでないの」

遠くからグレースの叫び声がするが、全く無視だ。


私は壊すつもりはなかったのだ。

文句はうちの三代目に言ってほしい!

目の前の校舎が全部潰れたので、邪魔するものが無くなって、目の前にパーティーの衣装を着た、生徒らが見えた。皆精一杯着飾っている。


取り敢えず陛下とアドは無事みたいだ。

でもその傍に、大公と王弟殿下がいた。今のままでは何をするかわからない。


「ちょっと、フランソワーズさん、これはどういう事ですか?」

私はその声を聞いて唖然とした。

そこには怒り狂ったフェリシー先生が怒髪天で立っていたのだ。


ど、どうしよう。


よく見るとその傍にはこれまた怒り狂った王妃様がいる。

こ、これは最悪だ。


私の天敵の二人が立っている。


それだけでやる気が失せてしまったんだけど……


「ちょっと、フラン、何しているのよ。今はそれどこではないでしょ」

「姉上、緊急事態です」

「そうだったわ」

横からメラニーとジェドに言われて私は我に返った。


「ちょっと、フランソワーズさん、何とか答えなさい!」

でも、つぎの瞬間、フェリシー先生の怒り声に私はびくっとする。


私の頭の中では夏休みが無くなり補講三昧になる未来しか見えない。

もう終わりだ……


私は思わず膝をついてしまった。


「ちょっとフラン、しっかりしなさいよ」

「姉上、今はフェリシー先生なんてどうでもいいから」

「だって、私の楽しみにしている夏休みが補講でつぶれるじゃない」

二人の声に私が言うと


「何言っているのよ。先生にはうまいこと言ってあげるからさっさとやりなさい」

「そうだよ、姉上。僕からも言ってあげるから」

二人の言葉に私は一瞬でやる気に戻るが、しかし、こいつら本当に味方してくれるんだろうか? いつもこいつらには騙されているのではないかと思いだしてしまった。


「姉上がちゃんとしないと。ほら、あの女狐の動きが怪しいよ」

ジェドの言葉に王妃様の傍にいて何やら怪しい動きをしている公国のセシール妃をみた。


王妃様に何か呪文を唱えようとしてる。これはやばい。


「フランソワーズさん。あなた自分のやったことが判っているのですか?」

「先生、ちょっと黙っていてください」

私はやむを得ずそう言うと昨年度にガスペルからもらった魔道剣を取り出した。


「だ、黙れですって!」

「いっけーーーーー」

キイキイ声を上げるフェリシー先生を無視して叫ぶと、如意棒の如く魔道剣が伸びて、公国の女狐に向かって……いかなかった。


「ギャッ」

なんと、魔道剣の剣先はギャアギャアわめくフェリシー先生に向かって行ったのだ。


フェリシー先生が、のけぞって避けてくれた。


「良かった。当たらなくて。フェリシー先生がぎゃあぎゃあ言うから思わず手元が狂ってしまったじゃない」

本当に傍で言うのは止めてほしい。

でも私の言葉にジト目でメラニーとジェドが見てくるんだけど……。いや、わざとじゃないって。


「そんなこと言って、本当は日頃の恨みを晴らすためにわざとされた可能性も」

「なんか言った?」

モーリスの声に私がガン飛ばすと、

「ヒエエエエ、嘘です。何も言ってません」

モーリスは土下座して謝っている。


「フラン、いくら日頃からフェリシー先生を恨んでいるからって、何も剣を向ける必要はないだろうが」

会場から、他人事という感じで大きなアドの声が聞こえた。


「な、何ですって!」

私はいかにも他人事という感じののほほんとしたアドの態度に完全に切れてしまった。

そもそも、私が反省房に閉じ込められたのはすべて、クラリスの前で、キスしてきたアドが悪いんじゃない!


それを自分はのほほんとして王宮で美味しいご飯を食べていて、私は腐りかけの食事、いや、違う、最後は食事も与えられなかったのだ。


私が苦労しているのも皆あんたが悪いんじゃない!


「もう許さない!」

私はスカートの制服であるという事実も忘れて、アドに向かって、思いっきり飛び込んで行ったのだ。


「えっ、ちょっと、フラン、いきなり飛んで来るのは良くないぞ、いくらしばらく会えなかったからって」

何か全然わかっていないアドが、いるんだけど。

何故か手を差し出しているんだけど……



さすがに、その能天気さには呆れてしまった。

私がアドに抱きつくだ?

どう転んでそうなる。


ここは私の怒りのキックだ。


「喰らえ!」


私の足はもろにアドの顔面に激突したのだった。


怒りのフランの一撃がまず、アドに炸裂しました…………



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
[良い点] フラン、前回に引き続き派手にやったなぁw 後書きの「まず」が気になる......。 次話も楽しみにしています!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ