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友人に洗いざらい顛末を話させられてこれからの事を相談しました

いつも誤字脱字報告、感想、いいね、ブックマーク、評価頂いてありがとうございます。

その日遅く、私は一人で寮に帰ってきた。アドは私と一緒に寮に帰りたそうにしていたが、王子の仕事が溜まっていて、そのまま側近たちに自分の部屋に連行されていた。



帰ってきた私は即座にメラニーに捕まって、メラニーの部屋に連れて行かれて、洗いざらい全ての話をさせられたのだった。


私が悪役令嬢のマネをして反撃したところでは

「あんた本当に悪役令嬢が似合わないわね」

メラニーに馬鹿にされてしまった。


「そんな事ないわよ。私なりにちゃんと反撃したもの」

私が文句をいうと、


「まあ、そうね。あんたなりに頑張ったのよね。偉い偉い」

頭を撫でられる始末だし、何か解せない。


「でも、ゲーム補正ってあるのね」

「何、ゲーム補正って?」

「うーん、どういうのかな。ゲームの通りやらないでおこうとしても、結局それをやらされることよ。例えば今回あんたが聖女を虐めていないのに、虐めていたことにされそうになったじゃない。そういう事を言うのよ」

メラニーが教えてくれた。


「えっ、じゃあ、私、やっぱりサマーパーティーで断罪されて処刑されてしまうの?」

「その可能性もあるということよ」

「そんな、嫌よ、メラニー。今世は前世で出来なかった青春を、絶対に謳歌したいの。なんとかしてよ」

私は半ばパニックになってメラニーに縋って言った。


「フラン、落ち着きなさいって」

メラニーはどうどうと私を落ち着かせた。


「まあ、できる限り色々考えてあげるから」

「ありがとうメラニー。頼りにしているわ」

私はホッとした。


「まあ、そうよね。あんた単細胞だからいろんな罠にすぐハマりそうだし」

「なにそれ。メチャクチャ私を貶しているよね」

私はムッとした。


「まあまあ、フランは単純なところも長所よ」

「それ誉めてる?」

「まあ、いざとなったら最悪、あんたの馬鹿みたいな魔力使って逃げ出せばいいから」

私の言葉を無視してメラニーはとんでもないことを言ってきた。

「それって断罪された時の話よね」

「最悪の話よ」

「でも、皆に逆らって逃げ出すの?」

「仕方がないじゃない。冤罪で処刑されるよりもましでしょ」

「うーん、まあそうだけど。そもそも、何でフランは逃げなくて処刑されちゃうのよ」

私が素朴な疑問を出した。

「悪役令嬢ならば追い詰められたら、普通はみんなを怒り狂って攻撃するんじゃない? 最悪道連れにして死ぬと思うんだけど」

「だってフランは魔力が殆どない設定だったわよ」

「えっ、そうなの?」

私は驚いた。何しろゲームでは散々フランに虐められて自殺させられたのだ。魔力がないなんて思ってもいなかったのだ。

「何であんたにそんな魔力があるのかわからないけど」

「だってお母様は魔力量多いからそれを一番引き継いだのよね」

そう、母は魔力量が多いのだ。


「まあ、あんたなら最悪国外に逃げても、引く手あまたよ。なんとでもなるんじゃないかな」

「えっ、そうなの」

「そりゃあそうよ。公爵家の娘だし、魔力量は多いし、各国の王子クラスの婚約者にもなれるし、魔術師ならばどこでもやっていけるんじゃない」

「そうか、そういう手もあるのね」

「まあ、いざとなったら私もついていってあげるから」

「えっ、本当にありがとう」

私はお礼を言った。メラニーがいれば何とかなりそうだ。


「だってあんた一人だと詐欺にあって身ぐるみ剥がされそうだし」

「どういう意味よ」

私がムっとすると


「まあまあ、気にしない。それは最悪の選択肢だから」

「そうよね」

私はメラニーの言葉に頷いた。逃げるのはいつでも逃げられる。でもそんな事したら両親や弟に迷惑かけるし、出来たらかけたくない。この国で断罪されない方法を考えるに越したことはないのだ。




「現状を分析すると、今のところヒロインは第一王子狙いなのは確実よ」

メラニーが言いきった。

私もそれには頷いた。アドは嫌っているみたいだけど。あいつはもうちょっと清楚なお姫様って感じなのが好きなのかもしれない。

そう言うとメラニーに白い目で見られた。


「私が思うに、その王子はあんたに執着していると思うんだけど」

「えええ? そうかな。アドの奴、私が王宮で倒れたのに、1回も見舞いに来なかったのよ」

「あんたも根に持つわね」

「だって普通好きならば、何をおしても看護に駆けつけるでしょ。それもせずに帝国の皇女とイチャイチャしていたって言うじゃない」

「そこはわからないけど、私が見ている限り、第一王子はあんたが好きよ」

「うーん、そうかな」

私は疑問しかわかなかった。



「それとあんた、攻略対象の第二王子にも好かれているでしょ」

「えっ、確かにヴァンは天使よ。かわいいし、今回も助けに来てくれたし、本当にいい子よね」

私はメラニーに同意を求めたが、メラニーは首を傾げていた。


「いい子かどうかは判らないけど第二王子は腹黒よ」

「えええ、あんなに天使みたいに良い子なのに?」

私はメラニーの言ったことが信じられなかった。


「最後にあんたをギロチン台に追い詰めるのも第二王子よ。ゲームでは第二王子もヒロイン命って感じだったから。悪巧みさせたら、あんたの弟といい勝負よ」

「えええ、私のジェドはそんな腹黒じゃないわよ。メチャクチャ天使なの。小さい時からお姉様を虐めるやつは僕がこの世から消し去るからって本当に可愛いこといってくれるんだから」

「・・・・」

その言葉に何故かメラニーが固まってしまった。


「どうしたのメラニー?」

「あんた、攻略対象の殆どから好かれているじゃない」

呆れてメラニーが言った。


「ええ、そうかな。そらあ嫌われてはいないとは思うけど」

私はよく判らなかった。だってヴァンもジェドもかわいい弟みたいなものだし。いやいやジェドは本当の弟だった。


「普通、聖女を助けるために皆、聖女を虐める悪役令嬢のフランをやっつけようとするのよ。でも、あんたの後ろに腹黒ツートップがいるのなら、いくらあんたが単細胞でも、あんたを処刑台に向かわせるのは無理なんだけど」

「よくわからないけれど、私は処刑されないということ?」

メラニーの言葉に私は喜んで聞いた。


「まあ、まだ判らないけれど、その可能性は大きいわね。あとはピンク頭の頑張り次第よ。でもあのピンク頭、本当にヒロインなのっていうくらい性格悪いんだけど」

「本当よね。あのピンク頭が聖女だって信じられないのだけど」

「だよね。ひょっとしてピンク頭も転生者じゃない」

メラニーの一言に私は驚いた。


「私ら以外にも転生者がいるっていうの」

「それは2人もいるんだから十分に可能性はあるわよ」

うーん、ピンク頭も転生者か。道理で性格が悪いはずだ。

「何か、ヒロインのほうが悪役令嬢よりも性格悪くない?」

と私は言ってみた。私は必ずしも性格がいいとはいえないが、ピンク頭よりはましだ。

「そうよね。ピンク頭も悪役令嬢が悪役令嬢になっていなくて戸惑っているんじゃない。それに、悪役令嬢らしからぬ超単細胞だし」

「ちょっとメラニー、それどういうことよ」

私は思いっきりメラニーを叩いていた。


「痛いって、フラン、あんた力ありすぎ。か弱い乙女を叩かないでよね」

怒ってメラニーが言った。

「えええ、私もか弱い乙女よ」

「どこがか弱いよ。あんた剣術もそこそこ出来るでしょ。普通の男よりも力あるよね」

「そんな事ないわよ」

私は否定した。まあ、剣術はある程度の奴とは互角でできるけど・・・・


「明日の休みはどうするの」

明日は土曜日で休みなのだ。このゲームの世界も日本と同じで週休二日制だった。


「明日は行きたいところがあるのよ。出来たらあんたとノエルにも付き合ってほしいんだけど」

「私は良いけど、どこに行くのよ」

「ジャクリーヌ・シャモニ伯爵令嬢の家よ」

「えっ、ピンク頭と一緒にあんたの悪い噂を流して、一週間謹慎になった子よね?」

驚いたメラニーに私は頷いたのだ。

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