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反省房の中で反省させられました

「フランソワーズさん」

そう叫ぶフェリシー先生は怒りのオーラが漏れまくっていた。

学園長なんて恐怖のあまり窓際まで下がって必死に口パクしていたし……


「この学園内でキスなどという不純異性行為をしていたなんて、許されません。反省房に入って謹慎していなさい」

私はフェリシー先生の地雷を踏んでしまって反省房に入れられてしまったのだ。


反省房とは、わがルブラン三代目女公爵アデライド様が私以上のお転婆で、学園で散々悪いことをして、その度に反省のために閉じ込められた古い塔の部屋の事だ。


何でも、魔力量の強い三代目を閉じ込めるために相当強力な障壁が張られているとか……


でも、まさかそんなところに閉じ込められることになるなんて思ってもいなかった。


それも裸で抱き合っていたならまだ判るけれど、高々、キスしただけで閉じ込められる事になるなんて信じられなかった。


何しろ私とアドのような政略的な婚約者から、平民、貴族問わない恋愛カップルまで、学園内には50組以上のカップルがいるのだ。淑女学園や騎士学校などに恋人や婚約者がいる人を含めるともっと増える。

そのうち、半分くらいはキスくらいしたことがあるはずだ。

それを全部閉じ込めてしまえば、こんな塔、あっという間に一杯になってしまうのではないのか?

私はつまらないことをつい、考えてしまった。


そういえば我が家のバカップルの両親は学園にいる頃からアツアツだったと母が言っていた。絶対にキスくらい学内でしていたはずだ。というか、あの二人は羞恥心というか、公の場での行動が常軌を失しているように思うから、学食とかで平気でキスとかしていたはずだ。キスしたら反省房行きなんだったら、良く反省房に入っていたんだろうか? そんな話聞いていないんだけど。

奴らは絶対に周りの迷惑を鑑みずに、食べさせ合いとかも平気でしていたはずだ。実の親だと思うと恥ずかしい!

そう言えば、学食での食べさせ合いとか私達も平気でしていた……

それも当然反省房行きになるわよね。

キスがだめだったら。


良くフェリシー先生に見つからなかったものだ。


そういえば母が昔、言っていた。

かつて学園で負けたことがあると。あの女の機嫌を損ねてはいけない、とも言っていた。

あの女って誰の事か聞いていなかったけれど、絶対にフェリシー先生の事だ。


「あれほど恐ろしいものはないわ」

何故か母が身震いしていたけれど。

考えたら母もフェリシー先生に習っていたはずだ。絶対に母がなんか余計な事を言ったのだ。

傍若無人の母だからとんでもないことを言い放ったんだろう。その結果負けたという事か? あの母に勝ったってどういう事なんだろう?


反省房には上に空気抜きの窓があるだけだ。

入り口の扉も頑丈そうだ。

下の階の入り口にも騎士が立っていたし。

でもなんか独房のなかは落書きだらけなんだけど。

先生への悪口の列挙だ。

あれれ、この絵は絶対にフェリシー先生だ。怒り狂っている姿絵が書かれている。


その横には愛するテオドールへって、これは父の事じゃないか? 

あのボケ母、何て事を反省房の中で書いているのだ。独房に入ってくる人が皆見るだろうが。


次のはこれは三代目の筆跡だ。

愛する殿下へって、この方は三代目の国王陛下へだ。

三代目は公爵家をついだので、陛下とは結婚出来なかったのだが、なんか、その恨み辛みも書いてある。

なんか知られざる歴史を見ている気がするんだけど。

それに何故か、ここに入れられるのは我が家の者が大半みたいで、いや、落書きするのが傍若無人の我が家の者だけなのかも知れないが……



グーーーー

見ていたら私のお腹が盛大に鳴った。

考えたら食事の途中で、まだほとんど食べられていなかったのだ。


ここって食事持って来てくれるんだろうか?

でも、フェリシーー先生の怒りようだと下手したら絶食していなさいって言いそうだ。


飢え死にの文字が頭に浮かぶんだけど……


「ええええ!ちょっと待ってよ。それだけは勘弁してほしいんだけど」

私の叫び声は誰にも届かなかった。




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