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私はハレンチな事をしたと言うことで反省房に閉じ込められてしまいました

「私は、生徒会室で、フランソワーズ様と殿下が裸で抱き合っているのを確かに見ました」

クラリスがはっきり言ってくれたのだ。


「な、何を言うのよ、クラリス!」

私は慌てて、クラリスを見た。

まさか、クラリスがそんな嘘を言うなんて、信じられなかったのだ。


しかし、クラリスは私を汚い者を見るように見下してくれた。


何故、クラリスが嘘をつく? 私には信じられなかった。

でも、良く見ると、クラリスは少し変だ。何か目が赤くなっているし、嫌な感じがするんだけど……


私が更に口を開こうとした時だ。

私はこんな時に一番会いたくない人物に声をかけられたのだ。


「ちょっと、フランソワーズさん。これはどういう事なんですか?」

「えっ」

私は横から現れたフェリシー先生の登場に驚いた。


そして、フェリシー先生は見た目はとても和やかなのだ。


いつもは私を見て怒髪天で立っているのに!


しかし、目が、目が笑っていないのだ……

これは絶対にまずい奴だ。

というか、今、ここで、出てくるか?

私は冷や汗がたらーりと流れ出した。


「いや、先生、私は……」

私は完全にパニックになってしまった。蛇に睨まれたカエルのようにフェリシー先生に何も言い返せなくなってしまったのだ。


「とりあえず、ここでは何です。職員室に来なさい」

「……」


ちょっとジェドとかヴァンに助けの視線を向けようとしても皆避けてくれるんだけど……

あいつら、普通こういう時は助けるものなのに……アルマンとかバンジャマンは言うに及ばず、メラニーまで視線を避けられたし。でも、こういう時に助けてくれるのが親友なんじゃないの?


グレースとかカミーユが嬉しそうにこちらを見てくれるんだけど。

こいつら覚えておけよ!


私は解体される前の牛のようにドナドナされてフェリシー先生に職員室に連れて行かれたのだ。



「フランソワーズさん! どういうことなのですか?」

学園長室に連れ込まれた私はフェリシー先生に和やかに尋問されていた。

絶対におかしい。フェリシー先生は怒り狂っているはずだ。

目を見るとやはり瞳の奥に炎が見えるのだ。


「どうって?」

私は混乱していてどう答えたら良いか判らず口ごもってしまったのだ。

迂闊に話して良いところでは無いと思ったのだ。


「生徒会室で殿下と二人で何をしていたのですか?」

撫でるように優しい声でフェリシー先生が言うんだけど。

これは絶対に不味い。昔王宮で、初代国王の姿絵にちょび髭を落書きした時に、この声に騙されて全て白状してしまったのだ。

そう、その後、態度を180度変えて怒られまくったのだ。

あれは4時間位怒られた記憶がある。


あの時のフェリシー先生の態度もこんな感じだった。


「アド、いや、殿下には物理の勉強を教えていただいていたのです」

「ほう、そうなのですか。殿下もお優しいですね」

フェリシー先生がニコリとした。出た! 変な笑み。これはやばい!


「はい」

頷きつつ、私の頭には警報が鳴リ響いていた。


「でも、若い男女が個室に二人きりというのは良くないですね」

うーん、確かにフェリシー先生の言う事は間違いではないが、私達は婚約者だし、小さい時からいろんな事を二人でしてきたし、まあ、その度に怒られていたけれど……。二人でいることはそんな特殊な事ではなくて、王宮であった王族の教育も魔術の授業も二人で受けていたし……

でも、ここは先生に頷いておくに限るのだ。


私としてはアドと二人でいても何も思わないのだけど、まあ、たしかに高位貴族としては、そんなに良くはないのかもしれないし、

「はい、すみません。でも、物理は周りの音が聞こえると集中できなくて」

「扉を開けておくのは常識でしょう」

「はい、そうですね」

私は素直に頷いた。


「フェリシー君、今はそこでなくてだな。畏れ多くも、殿下とフランソワーズ君が裸で抱き合って」「いません!」

耐えきれなくなったのか、学園長が、口出してきた事に、私は即座に否定したのだ。


「いや、でも、クラリス君が」

「クラリスが何と言おうと何で私が裸でアドと抱き合わなきゃ行けないんですか? そんなハレンチな事をするわけないでしょ」

先生の言葉に再度否定する。


「じゃあ、何でクラリス君はあんな嘘を」

「何でか知りませんが、私とアドがしていたのはキスだけです。クラリスは純情だからショックのあまり、よく見ていなかったんじゃないですか?」

「裸でキスを」

「な訳ないでしょ! いくら学園長でも言って良いことと悪いことがありますよ。服はちゃんと着てました」

私は言い終わった後、流石にゼイゼイと息をしていた。


「本当にキスだけなのか?」

学園長がしつこく聞いてくる。


「本当です。母にかけて誓います」

そう言えば学園長のネックは母だった。私は思い出していたのだ。


「ちょっと待て! それ全然良くないからな。勝手に君の母上を出してくるな」

ゼイゼイ学園長が息を吐いて言ってくれた。


よし、学園長には母を出せばよいんだ。


「これ以上、問題になるなら母に来てもらいます」

「いやいや、何を言うんだ、フランソワーズ君」

学園長がめちゃくちゃ慌てているんだけど、


「だって、学園長は私の言うことを信じてくれないみたいですし」

「いや、そんなことはないぞ。君の言う事を信じよう」

学園長は180度言うことを変えてきたんだけど。さすが我が母だ。


「まあ、キスくらいなら別に」

「そうでしょう。高々キスです」

私は学園長の言葉にホッとした時だ。


「何が高々キスなんですか」

そこには怒髪天のフェリシー先生が立っていたんだけど……


「「えっ?」」

私と学園長は唖然とした。

何でここで怒る?

私達には良く判らなかった。


「生徒会室でキスするなんて、それは立派な不純異性行為です」

フェリシー先生が言いきってくれたんだけど……


「えっ、でも先生、カップルは学園内でも良くキスしていますよ」

「な、なんですって、何処の誰がしているんですか? この神聖な学園で」

「だって、先生もご主人と親愛のキスくらいするでしょう」

私はこの言葉がフェリシー先生の地雷原だとは知らなかったのだ。


「ふ、フランソワーズ君……」

蒼白となった学園長の顔を見て、私は言ってはいけないことを言ってしまったのを知った。


そう、私はフェリシー先生が独身だとは知らなかった。

だってフェリシー・ローランド男爵夫人と言うくらいだから、ローランド男爵という方と結婚していると思っていたのだ。


それが単なる敬称だとは思ってもいなかったのだ。

フェリシー先生は長年の王国の礼儀作法の教育に多大な功績をしたと陛下から1代男爵の地位をもらっていたのだ。


わなわな震えたフェリシー先生は私を睨みつけた。


「フランソワーズさん。あなたは反省房に入って反省していなさい」

私はフェリシー先生からとんでもないことを言われてしまったのだ。






反省房とは?

明日更新予定です。


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