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アドに生徒会室でお礼のキスをしたところをクラリスに見られて焦りました

すみません。

結局一回しか更新できませんでした。

結局、犯人は判らず、公国の連中は怪しい……で終わってしまった。


まあ、私が色んなところに恨みを買っているのは事実だし、決定打はない。疑わしいだけでは捕まえられないだろう。

それにあの二人が単細胞なのは事実だ。


「フランに単細胞なんて言われていると知ったらアイツラも怒ると思うわ」

メラニーが言ってくれるんだけど、


「何言っているのよ。アイツラに比べたら私の方が余程複雑よ」

「そうよね。物理を教えてもらうためにあっさりと殿下を許すあんたも複雑よね」

何かメラニーの言葉に棘が一杯生えているんだけど。


「仕方がないじゃない。クラス平均点で学年トップを取らなければいけないんだから、少しでも教える人が多いほうが良いでしょ」

私がメラニーにむっとして言った。


ヴァンとジェドの二人いれば事足りるかと思ったのだが、二人は自分のクラスのこともあり、自分の勉強もあるのだ。簡単な物理2と言うノートをアドが作ってきてくれた時点で、私はあっさりとアドを許していたのだ。


皆にもアドが何回も、教えてくれたのだが、たまにはフランと個別で勉強したいと言われれば、私も、その単元がもう一つ判っていないところもあって、素直に教えてもらうことにしたのだ。


そして、今日はアドが個別で教えてくれるということで、生徒会室に呼ばれていた。

テスト期間なので、生徒会は休みだった。


生徒会なんて面倒だと思っていたので、わたしはずうーーーっと避けていたので、今日が入るのは初めてだった。


中は机と椅子が5セットあって、それ以外に応接セットが一つあった。


「やあ、フラン、待っていたよ」

私はアドに出迎えられて、応接セットの長椅子に座った。

アドは向かいに来るかと思いきや、隣に座ってくれたんだけど。

私が不審そうな顔をすると


「教えるのは隣の方が教えやすいだろう」

むっとしてアドが言うんだけど。


「いや、まあ、それはそうだけど。何か近い」

そう、アドがピタッとくっついてくるのだ。


別に嫌じゃないけど、今日はちゃんと勉強したいのだ。


腰に手を回してこようとしたアドの手を叩いた。


「いてっ」

「アド、今回のテスト、やばいの本当に洒落じゃないんだから。平均でA組に負けたらフェリシー先生の補講まっしぐらの。頼むから真面目に教えてくれる!」

私が頼むと

「それは当然だろう。でも、偶にはイチャイチャしてもいいじゃないか」

アドが言うんだけど、


「テストが終わったらね」

私には今はそんな余裕はないのだ。


「ええええ!」

アドが不満の声を上げるけど、

「アドは天才だから勉強しなくてもいい点数が取れるけれど、私は勉強しないと不味いんだから」

私は真面目に答える。


「はいはい。じゃあ、終わったらお礼のキスくらいしてくれよな」

「判ればね」

私はいい加減に頷いた。アドのペースに巻き込まれると碌なことはないのだ。

「よし、約束だからな」

アドは嬉しそうに言うと、早速教えだしてくれた。


アドの教え方は流石だった。

あやふやだったところが次々に明らかになって頭に入ってくる。

これは物理はいけたかも。私もそう思えた。


「アド、あなた教えるのも天才ね。物理の先生でもやっていけるわ」

私は嬉しくなった。

「だろう。もっと褒めてもいいぞ」

自慢気にアドが言う。


「まあ、でも、未来の国王が物理の教師はないか」

私が言うと、

「まあな」

アドが頷いた。


「じゃあ、お礼のキス」

アドがいきなり、私の方を見て、顔を近づけてくるんだけど。


「ええ、いきなり」

私がそらそうとしたらあっさりと肩をつかまれて


チュッ


と唇にキスされてしまった。


まあ、ファーストキスじゃあないし、何回かしているし騒ぎ立てることじゃない……


「キャッ!」

しかし、後ろから悲鳴が聞こえたのだ。

「えっ?」

私は慌ててそちらを見るとそこには真っ赤になって立っているクラリスがいたのだ。


「ええええ! クラリス、いつからそこにいたの」

私は慌てて立ち上った。


変だ。気配は今まで感じなかったのに。


「す、すいません。今日は休みだから誰もいらっしゃらないと思って」

しどろもどろでクラリスが言う。

「生徒会室で不純異性行為をするなんて、何しているんですか」

クラリスの後ろからカミーユが顔を出して注意してきた。


「フランに勉強を教えていたんだ」

アドが言うが

「勉強とキスは関係ないのでは」

カミーユが更に突っ込んできた。それはそのとおりだ。


「そう言うお前らこそ何しに来たんだ」

アドが二人に聞くが、


「生徒会室は殿下のものじゃないでしょ。僕らが来ても問題ないよね」

カミーユの言う事も最もだ。この二人は生徒会メンバーでもあるのだ。


「すみません。お二人がいらっしゃるとは思ってもいなくて、私ノートを忘れたので、カミーユ様についてきてもらったのです」

「いや、こちらこそ、生徒会でもないのに勝手に入ってごめんなさい。すぐに出るわ」

私は慌てて立ち上った。


「えっ、フラン、そんなに慌てなくてもいいじゃないか」

「だって私、生徒会じゃないし、食堂戻って次の単元勉強しないと」

私は慌てて出ていこうとする。


「判った。送っていくよ」

アドが立ち上がってくれた。


「えっ、いや、そんな我々もすぐに消えますから」

クラリスが言うけれど、本当に真っ赤だ。

アドとキスするところをはっきり見られたのだ。

私は恥ずかしくて、いたたまれなかった。


でも、この二人本当に付き合っているの?

出来たら、聞けばよかったと思ったのはあとになってからだった。

でも、その時はそれどころではなかったのだ。






次は明日更新予定です。

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