表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

193/319

クラス対抗戦6 婚約者の仇を地面に這いつくばらせました

「アド!」

私はアドが負けたのを見て、思わず立ち上った。

即座にアドに駆け寄ろうとしたが、



「キャーーー」

「殿下!」

悲鳴を上げた女どもがアドに群がるのを見て、固まってしまった。

ついでにアドが女どもに世話されて喜んでいたのを思い出す。


そうだ。アドはあんなことではびくともしないだろう。


それに倒れても相変わらず、女どもに囲まれているなんて……


私はムッとしていた。


立ち上がれないアドを見ても、こいつ、女どもの同情を引くために倒れているのか、と思わず思ってしまうほど、心はやさぐれていた。


「そうよ、フラン。その怒りをあの顔だけ気障男に叩きつけてやるのよ」

なんか後ろでメラニーが私を煽ってくるんだけど。何か違うと思うんだけど。

なんだ、このむしゃくしゃ感は?



「さしもの殿下も婚約者を怒らせた事に気づいて動揺させられて、倒されてしまいましたね」

「1年A組もなかなかやりますね」

司会の言葉にピンク頭まで頷いているんだけど。


「そこの司会。これは俺の実力だ。勝手なことを言うな」

顔だけ気障男が叫んでいるんだけど。


「なんか言っていますけれど」

「破壊女にはどんな手を使ってくれるんでしょうか」

「ふんっ、破壊女なんかは一瞬で倒してやるわ」

興味津々の司会達にエーリックが叫んでいる。


まあ、そこそこ剣術は出来るみたいだ。


しかし、このエルグラン王国の最後の砦の騎士は私だけ。

それもルブランの名を背負っているのだ。

不甲斐ないアドが負けちゃって、責任は私の肩にかかっているんだけど。

「あなたのアドルフに対する態度が悪いから負けたんじゃないの?」

そう、王妃様に怒られそうだし。


負けたら、負けたで母も切れそうだ……


ここは負けるわけにはいかなかった。



「では、決勝を始めます。二年E組フランソワーズさん

私は審判の先生に呼ばれて前に出た。

「フランがんばれよ」

「絶対に勝つのよ」

「頑張って」

私のクラスを中心に声援が起こる。


「一年A組エーリックさん」

「キャーーー」

「エーリック様」

「素敵」

「がんばって」

一年生を中心に大声援だ。



「さあて、300年前に屈辱を受けた旧帝国の遺臣と、破壊女として名高いルブランの令嬢の戦いが今、始まろうとしています」

「私としては破壊女に負けてほしいんですけど」

煽る司会と落とすピンク頭。


「しかし、フランソワーズさんの戦績は凄まじいものがあります。

我が国の王太子殿下を張り倒すのは日常茶飯事、帝国の皇子や教皇猊下を張り倒し、近年ではアルメリア国王まで張り倒しています」

ピンク頭が余計なことをペラペラ言ってくれて、

「でも、張り手を出すのと剣術では違うと思うんですけど」

「まあ、そうなんですけれど、剣を掴んだフランの側には近寄りたくありません」

司会の疑問にピンク頭が言ってくれるんだけど……


「それは私もそうです」

司会まで頷いてくれた。

私は生きる狂気か!


倒れたアドの所にクラリスが近づいて、ヒールをかけるのが見えた。

クラリスがアドを抱きかかえるようにしているんだけど、なんで?

私が少し動揺した時だ。




「始め」

「ウオーー!」

審判の合図に雄叫びを上げてエーリックが斬り込んできた。


しまった! 私はアドをクラリスに抱きしめられて動揺していたのだ。


エーリックは凄まじい斬り込みだ。


私はその素早い剣たちを次々に受ける。


しかし、一方的に斬り込まれて、私は下がった。


「おおおお、フランソワーズ嬢苦戦か」

司会が叫ぶ。


「ちょっとフラン、何しているのよ。あんた負けたら学園の外壁10週させるわよ」

メラニーの叫び声が聞こえるんだけど。


「なんでそんな事させられないといけないのよ」

私はその言葉にムッとした。負けた奴はいっぱいいるのに私だけが罰ゲームは嫌だ。


集中しなければと思うのだが、視界の片隅でクラリスがアドに抱きついているように見えた。


今までそんな素振りは全く見せなかったのに。クラリスが抱きついている?


その私の動揺を見て取ったエーリックが

「隙きあり」

ニヤリと笑った。


剣を目にも留まらぬ速さで私に突き刺そうとした。

モロに食らっていたらいくら私でもひとたまりもなかっただろう。


でも、私はルブラン家のフランなのだ。

突っ込んできたエーリックを瞬時に横に躱すや勢いを殺せないエーリックの真上から剣を叩きつけたのだ。

その結果、エーリックは地面と激突したのだった。






動揺してもフランはビクともしませんでした。

よろしければ評価をしてもらえると嬉しいです。

次はクイズ戦です。

ご期待下さい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

【コミックシーモアで電子書籍化】

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


このお話がコミックシーモア様で電子書籍として先行配信中(シーモアへのリンク)https://www.cmoa.jp/title/1101429725

お義兄様とエリのダンジョン冒険の2万字の新規書下ろしとシーモア特典ss付
表紙画像

表紙画像
「次にくるライトノベル大賞2023」https://tsugirano.jp/
に皆様の応援のお陰でこの私の書籍がノミネートされました。
なんと上から5つ目に!

【この話が書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』

全国1200以上の書店にて発売中です。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。

■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

つぎラノエントリー記念としてフランの子供時代の話書き出しました

新作

『小さいフランの大冒険『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません外伝』魔物も王子様も魔王だって怖くありません。でも、王妃様とマナーの先生は苦手かも……』

https://ncode.syosetu.com/n6598im/
私の

次の小説

はこちら!

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

前世でいじめられていたシルフィは、ゲームの中で悪役令嬢タチアナに助けられたのだ。そして、そのゲームの世界に転生したと知った時からタチアナの力になりたいと思っていた。ゲームでは悪役令嬢タチアナは婚約者に近づくヒロインを虐めて修道院送りになってしまうのだ。でも、いきなり入学式でタチアナと婚約者に会ってしまったシルフィは、ゲームの中でしか知られていないタチアナの恥ずかしい秘密をバラしてしまい、二人に驚かれてしまうのだ。そんな中、シルフィが面白いと上級生のアルに興味を持たれてしまい、大変なことになっていく。シルフィも知らない秘密もあってそれが判明した時にのっぴきならない状況に追いやられるシルフィのシンデレラ物語。
時計の鐘が12時を打つ時にシルフィの未来はどうなる?
今回もハッピーエンド目指して頑張ります!
私の最近

完結した小説

はこちら!

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

【新作】

始めました!

『聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラストーリー』https://ncode.syosetu.com/n6661in/

新作


『転生したら地味ダサ令嬢でしたが、助けてくれた王子様に恋してしまいました。』

https://ncode.syosetu.com/n9394ik/
前世病弱のヒロインが地味ダサ令嬢(平民)に転生して王子様に助けられて恋してしまう話です。身分差を持ち前のパワーで知らぬ間に弾き飛ばす物語になる予感が……

そのサイドストーリーがこちら


『転生したヒロインのはずなのに地味ダサ令嬢に脇役に追いやられてしまいました』

https://ncode.syosetu.com/n3874il/
実は地味ダサ令嬢の親友がヒロインでしたと言うお話です。地味ダサ令嬢の凄まじいばかりの行動力の前に翻弄されるヒロインのお話です 私の

一番の大作小説

はこちら!

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』

https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ