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皆に受け入れられてほっとしてカレーを食べようとしたところに、王宮から呼び出されて食べられませんでした

その後が大変だった。


即座に先生や警備の騎士たちが飛んできた。


そして、私は担任のベルタン先生と学園長室で、フェリシー・ローランド先生に延々怒られることになったのだった。


ええええ!、そもそもベルタン先生が思いっきりやっていいって言ったんじゃない、と私は思わないでもなかったが、そんな事言った日には、やったらこうなることなんて判っていたでしょ、と倍返しで怒られること確実だったので、黙っていることにした。


「そもそも、ベルタル先生。この子は礼儀作法はまだまだですが、魔術だけは王宮の魔術師たちも一目置いているのです。この子の備考のところに魔術を使う時は細心の注意を払う事と書かれていましたよね。読んでいないのですか」

「いや、でもここまでとは。それに剣聖が安全を確認されたと」

余計な一言を先生が言っている。ダメだってそんな事言ったら・・・・。


「はあ?、先生。剣聖って剣については超一流でいらっしゃいますが、魔術はこの子の足元にも及ばないでしょう。その剣聖をここで引き合いに出されるのはどう言うことなんですか」

フェリシー先生はさらにヒートアップした。こうなったらもう中々終わらない。ベルタン先生の余計な一言で更に怒られる時間が増えてしまった。横で聞いている学園長がいい加減に飽きてきた所でやっとフェリシー先生のお小言が終わったのだ。


私たちはやっと解放された。


「先生。フェリシー先生の前で、余計な一言、言わないで下さいよ。余計に長くなるんですから」

「すまん。しかし、お前はフェリシー先生に怒られ慣れているんだな」

ベルタン先生が余計な所に感心してくれた。私も嫌だけど、仕方がないじゃない。何しろ私の王宮の礼儀作法の先生なんだから。やっと学園に入って別れられると思ったのに、アドの情報によると私が心配だからってわざわざついてきたそうだ。もう止めてほしい。


「くそババア、良くもネチネチと」

その後ベルタン先生は愚痴りだした。ベルタン先生はフェリシー先生が嫌いらしい。同僚なんだし、もっと反論したらよいのに・・・・いや、ダメだ。そんな事したら夜通し怒られていたことになる。フェリシー先生に口で勝てる者などいないのだ。陛下くらい地位が高くないと。何しろあの王妃様ですらフェリシー先生のことは苦手にしているみたいだったから。

適当な所でベルタン先生と分かれて、御飯食べるために食堂に向かう。



魔術で訓練場の破壊なんてやらかしたので、皆に引かれるかなと思ったけれど、皆はめちゃくちゃ歓迎してくれた。


「フラン、あんた凄いじゃない。障壁なんて一瞬で吹っ飛ばすなんて」

「もう、私びっくりしちゃったわ」

「あれなら聖女なんて一撃で吹っ飛ばせるんじゃない」

「いやいや、人相手にはには使えないって」

私は否定したが、いざとなったらやってやろうかとも思わないではなかったが・・・・


まあ、もう、皆はすごい歓迎のしようだった。


「フランがいればクラス対抗戦も圧勝だよな」

アルマンなんか訳のわかんないことを言っているし。クラス対抗戦は一学期の最大のイベントで運動会のようなものなんだけど。


「私一人いても勝てないと思うけど」

「そんなことないぞ」

「そうよ。使いようによっては絶対にすごいって」

ノエルまでが言ってくる。


まあ、良かった。化け物みたいな目で見られないで。

私は皆に受け入れられてホッとしていた。


「あんた、それだけ魔力量があるんなら、断罪されても逃げられるんじゃない?」

最後にメラニーがこそっと言ってきたことには私は

「そんなのできるわけないじゃない!」

と否定したがメラニーは信じていなかった。まあやろうと思えばできるけど、逃げたあとどうするのよ? 地の果てまで追いかけられるじゃない!

まあ、それは言いすぎかもしれないが、アドとピンク頭が真実の愛なら、私は譲ってもいいと思っている。私にとって大切なことは前世で体験できなかった青春を謳歌することなのだから。断罪の上冤罪で処刑だけは絶対に止めてほしいんだけど。




その日の夜は久々にゆっくり寝れて翌朝はすっきりしていた。

この日は朝から王子が訪ねてくることもなく、平和に過ごせた。


まあ、あまりに平和すぎて、次の古文の授業で寝てしまって、先生に頭を叩かれたり、世界史の授業の先生がてっぺんハゲだったので、ザビエルみたいと思わず言ってしまって、一人メラニーだがやたら受けていた。他の人はキョトンとしていた。そういえばザビエルって前世の歴史上の人物だった。


そして、待ちに待ったお昼休みになった。


今日こそ完食するぞ。私は今日こそは大丈夫だと思ったのだった。


何故か朝からオーレリアンがいないので少し不安だったけど・・・・。


今日のA定食はカレーライスでB定食はスパゲティだった。


「うーん、今日は手抜きの日なのか」

思わず言ってしまった。


「何言っているのよ、フラン。ここのカレーは絶品なのよ。前の日の夜からコトコト煮込んでくれているんだから。料理長のこだわりよ。ここのカレー、偶に雑誌に載ったりしているんだから」


「そうなんだ」

そんなこだわりのカレーなんて、どんな味なんだろう。私はワクワクした。


よそってくれたカレーからはいい匂いがしていた。

本当に美味しそうだ。


「頂き・・・・・」

「フラン!」

私がまさに食べようとした時だ。

後ろからいきなりアドに呼ばれた。

な、何でこいつはいつも人が食べようとしている時に来るのだ?


私は無視して食べようとした。


「父からの呼び出しだ」

「えっ」

でも、次のアドの声で思わず手を止めていた。


「私、最近は何も悪い事はしていないわよ」

そう言いつつも、視線を感じて周りを見ると、みんなは白い目で私を見ていた。


いや、そういえば昨日、訓練場を破壊したところだった。でも、それはフェリシー先生に2時間も怒られたし、そんなので陛下から怒られる?


「取り敢えず、すぐに来いだって」

私はアドに手を取られて立ち上がらされていた。


「えっ、いや、そんな、折角のカレーが」

「カレーくらい、またいくらでも食べさせてやるよ」

「いやでも・・・・」

私は目の前にカレーをお預けを食わされて、アドに手を引かれて連れて行かれた。


あああん、私のカレーが・・・・

私は、今回は一口も食べられなかった。



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